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お茶会のマナー 23 ●
心おきなくたてる、「すいきり」 の音お茶会のマナー 18 ● 差が出る坐ったときのたたずまい
椅子に腰掛ける立礼(りゅうれい)などをのぞけば
現代のお茶事では一般に 正坐(せいざ) が基本です。
茶道熟練者のたたずまいは、ただ坐っていても美しい。
背筋をキュッと伸ばし、あごを軽く引いて
身体のどこにも、不自然な力は加わっていないのだけれど
ほどよい緊張感に満たされている感じは
長年の “慣れ” からくるものかもしれませんが。
さて、正坐の際の姿勢のとりかたですが
以前にもご紹介した 矢田部英正氏の新聞連載 に
非常に明朗なヒントが紹介されていました。
(11月9日付 朝日新聞 日曜版)
身体を真横から見たときに
「 『耳と肩』 『鼻と臍(へそ)』 をまっすぐにすること」 。
「道元禅師の提唱する坐り方の作法」 にある
2つの重要なポイントだそうです。
これに沿って、試しにやってみるとわかりますが
首から頭にかけてが、自然と引き上げられるように
背骨の上にくるのです。
おのずと丹田(たんでん)が意識され
そして、背筋はぐっと伸びて気持ちがいいこと。
道元禅師の生きた鎌倉初期には、まだ
日本人に正坐の習慣はなかったと思われますが
正坐においても禅師が提唱した作法は共通するようです。
単純明快で、覚えやすいポイントですから
お茶会やお稽古で姿勢を整える際には思い出してくださいね。
なお、坐ったときの手の重ねかたは、茶道の場合
たとえば表千家は左手が上、裏千家は右手が上というように
流派によって異なります。