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東京の空の下オムレツのにおいは流れる
東京の空の下オムレツのにおいは流れる
石井 好子
(暮しの手帖社)

まだ海外経験のなかった、学生のころ
日本にいながらにして
普段着の異国の香りを浴びさせてくれた1冊です。

欧米随一の茶文化の国・イギリスの
「アフタヌーン・ティー」 と 「ハイティー」 のちがいを
的確に教えてくれたのも、この本でした。

石井好子さんの、2冊の 「オムレツ」 シリーズ。
日本エッセイストクラブ賞を受賞したという
巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』 は1954年
そしてこちらの続編は1985年に刊行されました。

2冊ともに、食にまつわる随筆が多数おさめられていますが
花森安治さんによる小さな小さな装画をのぞけば
あとはずぅっと、写植の文字だけ。

写真どころか、説明的な図解すら一切出てこないのに
カラフルで、ジューシーで、ふわりと香ばしいものに
たっぷりとふれたような読後感を味わえる。
そんな真正の料理随筆、近ごろとんと見かけないような …

若々しい感性でパリの街や食を描き出した 『巴里の〜』 から
ゆうに数十年もの年月を経て
ふたたび執筆された 『東京の〜』 は
壮年時代の女史の、達観ともいえる視線が味わい深くて。

石井さんの突然の訃報にふれ、本日再読してみたら
三十代の私には、この本のなかに
胸にせまることばが実に多く、あらためて驚いています。

「二十代には二十代の歌がある、
 四十には四十、六十には六十、
 若いときより、年をとれば、歌にも深みがますはずである。
 その人生の経験を、心から歌いあげることができれば、
 歌手として生きてきたしるしがある」

日本のシャンソン界の第一人者として
晩年まで精力的にご活躍された石井さんのご冥福を
心よりお祈り申し上げます。
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  • 2016.03.31 Thursday 15:33

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