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季語百話
季語百話 ―花をひろう
高橋 睦郎
(中公新書)

おぼろげに抱いていた先入観、の不確かなことが
世の中には本当に多くて
それが揺さぶられる愉しみもまた
本というものの離れがたい魅力ではないかと思います。

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 歳時記も季語も日本人の発明ではない。
 その原型である暦は、
 はるか古代に、中国から海を渡ってきたものである。
 この暦をもとに和歌の季詞(きのことば)が生まれ、
 連歌・俳諧を経て俳句の季語に承(うけつ)がれた。
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 日本人は先進国中国をお手本に梅を愛でたが、
 やがて自前の花がほしくなって桜を発見した、といわれる。
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こんな、あらためての気づきや驚きをもたらしてくれる
「はじめに」 の文章に、いやがうえにも期待が高まります。 

朝日新聞の土曜版 「be on Saturday」 に
高橋睦郎氏の 「花をひろう」 というコラムがあり
いわゆるflowerのみならず、「花なるもの」 をテーマに
毎週、時節にかなう季語がひとつずつ紹介されます。
この本には、そのうちの100篇がおさめられています。

春は 「梅」 「椿」 「萌ゆ」 「野遊」 「桜」 …

夏は 「新緑」 「青葉」 「杜若」 「田植」 「黴(かび)の花」 …

秋は 「秋草」 「木槿」 「星」 「月」 「紅葉」 …

冬は 「茶の花」 「木枯」 「枯野」 「大根」 「水仙」 …

それらをよんだ句歌詩文がさまざま紹介されるのも魅力で
それも日本のものに限りません。
今の時節ですとたとえば、「桃の花」 の項には
中国周代の歌謡集 『詩経』 におさめられた詩や
晋代の陶淵明の作品などもひかれています。
桃は梅と同じく、大陸から伝わった植物なのですよね。

身近にある、さまざまな風物をあらためて読みなおすことで
今まで自分には見出せなかった情景や表情が見えてくるのが
この本の面白さであり、また句歌の面白さでもあると感じます。
茶の場における、季節の風物への気づきもまた違ってきましょう。

新聞連載自体はまだ続いているので、この新書の続編か
あるいは、紙面で用いられた写真もあわせて掲載した
完全版のようなものが刊行されるのを期待しています。
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  • 2016.03.31 Thursday 14:07

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