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料理に
料理に 「究極」 なし
辻 静雄
(文春文庫)

料理によって器をさまざま変える、という
おそらく日本料理ならではと思われる特質。
これ、いつごろ何の影響からはじまったのでしょうか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 熊倉功夫氏
 「やっぱり、十七世紀になって
 お茶がはなやかになってからですね。
 たとえば精進料理では全部、朱塗りとか黒塗りの器です。
 これは本膳料理もそうですね。
 ところが、茶になって初めて、
 織部の鉢が出てきたり、京焼が出てきたり、
 料理に合わせた器を選ぶようになるんです。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 梅棹忠夫氏
  「(他国で器をそのたび違うものにとりかえて食べる文化は)
 ありませんな。
 中国はもちろんありませんし、インドもありませんね。
 東南アジアもアラブもみなないですね。
 さまざまな器をたのしむというか、
 料理によってちがうかたちの器をつかうという文化は
 日本だけでしょうね。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

すぐれた陶工と眼力あるショップが少なくない昨今は
普段の食事でも器づかいを楽しむ家庭が増えてきたようですが
歴史をひもとくと、茶の湯の大成、茶懐石の誕生ということが
大いに関わっていたということなのです。

日常の延長線上にある非日常、を愉しむ茶の湯の文化から
家庭の食卓の楽しみに還元されているものがあるというのは
なんだか面白いなあ、と感じます。

日本料理についての、こんな話題まで言及されている
フランス料理研究の第一人者、辻静雄氏の遺稿集。

一本は、民族学者の梅棹忠夫氏と。
もう一本は、歴史学者で茶の湯への造詣も深い熊倉功夫氏と。
辻静雄氏と、ふたりの専門家との対談はそれぞれ
食の特質の比較ということをとおして
文明論にまで展開していくさまが非常に面白いのです。

ほかにも、雑誌への寄稿あり、講演を書き起こしたものあり。
話題もフランス料理を軸にしながら、実に多彩です。

単なる料理トリビアではなく
会食ということの喜びと奥深さを教えてくれる一冊です。
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  • 2016.03.31 Thursday 16:06

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