トップページ > ブログ「お茶まわり」

 
CALENDAR
SMTWTFS
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< September 2019 >>
ARCHIVES
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -


和食のいただき方
和食のいただき方 ―おいしく、楽しく、美しく
塩月 弥栄子
(新潮文庫)

料亭での会食や、茶事の懐石などに
むずかしさ、敷居の高さを感じるというかたに
入門書としておすすめしているのが、こちらの一冊です。

裏千家の家元(14世碩叟宗室)を父にもち
自らも茶道家・華道家であった塩月弥栄子さんが
和食の基礎的な作法を紹介したもの。

もとは、『婦人画報』1982(昭和57)年の連載ですから
専門的すぎず詳細すぎず
ひと通りの基本の心得が、豊富なカラー写真とともに
簡潔な文章であらわされています。

構成は

 第一章  箸と箸づかい
 第二章  おもてなしといただき方
 第三章  懐石料理のいただき方

の全三章。

特筆すべきは、箸と、その扱いについて
全体の三分の一以上のページを費やしているところでしょう。

箸の種類から、持ち方、とり上げ方、動かし方
また、料理に応じた箸づかいのポイントまでと念入りです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 見た目に美しいいただき方こそが、合理的であり、
 作法に適ってもいるのです。
 箸の持ち方一つ例にとってみても、
 美しい箸づかいは正しい持ち方なのです。
 箸を握りこんだいわゆる 「握り箸」 などの、
 他人の目に醜くうつる箸づかいは、本人も食べにくいはずです。
 茶の湯の点前の所作に
 よく 「手なり」 ということばが使われますが、
 不自然にねじ曲げられたような手の扱いは美しさから遠く、
 作法にも外れていることになります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

長い時間をかけて身体に定着してしまった非合理な箸づかいを
直していくのはなかなか根気のいることかもしれません。

ただ実際、箸の正しい扱いが身につくだけでも
食事をするそのたたずまいが、見違えて美しくなるのです。
張りぼてではない、奥ゆかしくも確かな美しさ。

本式の懐石の作法には細かな決まりごとが多々あるものの
箸の扱いは、その礎といって過言ではないでしょう。

いまは驚くほどたくさんのマナーブックが書店に並び
時にベストセラーになってはまた消えていく時代ですが
この本は古くならない。
内容の質としては時代に消費されない一冊と思います。

用いられている器も、用途にかなった佳いものばかりで
安心してページを繰ることができます。

それだけに、絶版となってしまったことが実に残念です。
  • - | -

  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday 11:07

  • - | -