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眠る盃
眠る盃
向田 邦子
(講談社文庫)

紺屋の白袴、といいますか。
製茶業をさせていただいている身としては
新茶の季節がはじまってからの当分は
仕事以外で、心を落ちつけてゆったりと
新茶をいただくという気分にはなかなかなれぬもので。

このごろになってようやく
茶菓子とともに堪能する余裕ができてまいりました。

新茶に合わせたい菓子として
この数年来、まっさきに思い浮かぶのが、水羊羹。
以前のブログ でも触れたことがありますが
この随筆集に所収の、「水羊羹」 という一篇の影響です。

「水羊羹の命は切口と角であります」

「水羊羹は江戸っ子のお金と同じです。
 宵越しをさせてはいけません」

「水羊羹は、ふたつ食べるものではありません」

…等々、水羊羹そのものの形状や感触や色沢の美から
いただきかた、さらにはなんと
ライティングやムード・ミュージックにいたるまで。

「水羊羹についてウンチクの一端を述べ」 たという短文からは
彼女の、暮らしをとりまくものごとへの美意識や
食ということへの清新な感受性が
あますところなく感じられます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 心を静めて、香りの高い新茶を丁寧にいれます。
 私は水羊羹の季節になると
 白磁のそばちょくに、京根来(ねごろ)の茶卓を出します。
 水羊羹は、素朴な薩摩硝子の皿か
 小山岑一(しんいち)さん作の
 少しピンクを帯びた肌色に縁だけ甘い水色の
 和蘭陀(オランダ)手の取皿を使っています。

 (中略)

 水羊羹が一年中あればいいという人もいますが、
 私はそうは思いません。
 水羊羹は冷し中華やアイスクリームとは違います。
 新茶の出る頃から店にならび、
 うちわを仕舞う頃にはひっそりと姿を消す、
 その短い命がいいのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

さて、今年はどちらのお店の水羊羹を
新茶のおともといたしましょうか。

ちなみに、向田さんご自身はというと
青山の菊家さんのものがお気に入りだったそうですよ。

がんばって手づくりしてみるなら
こちらのサイトが大いに参考になりそうです。

→ 「NHK 「グレーテルのかまど」 作家・向田邦子の水ようかん」
   (NHKオンライン
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