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私の小さなたからもの
私の小さなたからもの
石井 好子
(河出書房新社)

シャンソン歌手であり、また
エッセイストとしても活躍された石井好子さん。

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』 や
『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』 といった
珠玉のエッセイ集がありますが
こちらの本は、彼女の没後に出されたもの。

雑誌などに寄稿された多くの短文のなかから
生活のなかで大切にしているものごとをつづった内容のものが
とくに集められ、昨年出版されました。

身辺において愛用したものや、舌鼓をうったものはもちろん。
物質的なものに限らず、生きることへの心持ちといいますか
歳を重ねてなお暮らしぶりや心緒が美しいと感じる人々への
賛歌的な内容も多くみられて、温かな気持ちになれる一冊です。

さて、「コーヒーよりも紅茶が好き」
「日本にいるとあまりコーヒーを飲まない」 という石井さん。

そんな紅茶へのこだわりがうかがえるのが
「て・のあーる」 という短い一篇。

英国風の紅茶を楽しむ、基本中の基本といった内容で
紅茶の淹れかたはもちろん
今の時節に真似したい、アイスティーの基本のつくりかたや
また、お菓子とのマリアージュ等についても多少ふれています。
 
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 最近つづけて英国の作家サマーセット・モームの小説をよんだが、
 モームの小説の中で印象的なのは、
 いかにも英国人らしく紅茶を飲むシーンだ。
 しょうが入りのビスケットや、
 狐色にこんがり焼いたバタつきのトーストに
 湯気の立つ紅茶のとりあわせは、
 おいしそうだなということよりも、
 ゆったりした午後のお茶の時刻を身近に感じさせる描写だった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 
モームの小説に描かれるティータイムの様子を伝えながら
そこにただよう、ゆるりとした時間や、いい香りの湯気や
ビスケットやトーストをかじる軽やかな音まで運んでくるようで。

お茶するということの醍醐味を思います。

「喰いしん坊」 を自認する石井さんの文章は
自分も同じように、ゆるやかに香ばしい時間と空間を過ごしたいと
つい感化されてしまう大らかな魅力があります。

ちなみに、食についてのエッセイをとくに集めた姉妹書も出ていますよ。

バタをひとさじ、玉子を3コ
バタをひとさじ、玉子を3コ
石井 好子
(河出書房新社)

『私の小さなたからもの』 とおそろいの装丁も素敵なのです。
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  • 2016.03.31 Thursday 14:30

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