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露地のきまり
露地のきまり ―植熊の茶庭づくりとその手入れ
植熊  小河 正行
(淡交社)

植物の生長というのは本当に旺盛。

そこにたたずむ草木の一本一本が
さりげなくて、なにも手をかけていない自然な趣にみえて
実は日ごろの剪定や掃除、あるいは雑草取りといった
こまやかな手入れがあってこそなのは
茶の湯のための庭、いわゆる 露地(ろじ) にかぎらず
洋の東西問わず植栽をほどこした庭の多くにいえることでしょう。

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 露地の目的は、簡単にいいますと、
 茶事をおこなうために作るといっても過言ではないと思います。
 大きい露地、小さい露地とさまざまですが、
 あまり大きさ、広さにこだわりはなく、
 要は使いやすさと亭主の心配りが大事なことだと思います。

 形式的なこともたしかに大事ですが、
 相手に対しての思いやりがなければ
 どんなにお金をかけた露地でも、
 お客様は満足されないことでしょう。
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亭主のもてなしへの熱い気持ちのようなものは
道具組みや清浄な茶室、懐石や茶にはもちろん
本編への序章ともいうべき露地の手入れにこそ
大きくあらわれるように思います。

造作については、専門的な知識を要するということもあって
庭師に頼む場合がほとんどでしょうし
その後の維持管理に関しても
年に1〜数回の植木の手入れや、消毒などについては
業者に依頼するケースが少なくないと思います。

そこにプラスして、日ごろから自分で少しずつ面倒をみると
美しい状態を常に維持することがかなうわけですが
春夏秋冬、時節にかなったすべきことをうっかり忘れたり
蒸し暑いし虫の出るこの時季など、どうもおっくうになったりして
茶事の間際にあたふたとなることもしばしばです。

この本を手にとったのは、著者の小河正行さんが
裏千家今日庵(こんにちあん)の出入方でもある
庭師 「植熊」 の五代目であり
いわば露地づくりのスペシャリストであることに加えて
12ヵ月の月別にすべき手入れについて記した
「露地の仕事」 の章が、実際的で役立つと感じたから。

たとえば12月、新春を迎えるにあたり
それまでの、落葉樹の葉を寄せ集めた 「吹き寄せ」 を取り除き
苔を寒さから守りながら美観を演出するための 「敷松葉」 。

松葉を敷いたきわの部分は、ピンセットできれいに整えることや
敷き終えたら、松ぼっくりを散らして景色づくりをするなど
こまやかな留意点についても、写真とともに言及されています。

茶庭をこれからつくってみたいかたや
折々の手入れの実際について知りたいかたにおすすめします。

また、露地というものの基本的な構成や造園の実例、さらには
歴代の親方が手がけた名庭の紹介などもあり。
茶室や茶庭がふだん身近にはなくとも
茶事のさいなどに庭を愛で、亭主の気持ちを掬いとるための
的確な視座も与えてくれる一冊と思います。
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  • 2016.03.31 Thursday 10:57

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