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お茶席の冒険 (知恵の森文庫 t あ 1-1)
お茶席の冒険 (知恵の森文庫 t あ 1-1)
有吉 玉青
(光文社)

茶道教室のトビラを開くと、広がる光景は
粛々と、楚々とした、静かな空気だけではありません。

そんな教室の雰囲気を、習う側の目線でリアルに感じられるのが 
執筆当時で 「キャリア20年、ブランク12年」 という
有吉玉青さんの、このエッセイです。

稽古のことはもちろん、茶会や、茶道そのものについても
やわらかな筆致で、愛情をこめて語られます。

こぼれ話的なものも、非常にあっけらかんと楽しい。
面白いもので、何しろ実際に稽古していると
わかるわかる、と膝を打つ瞬間がたくさんある本なのです。

たとえば 「茶道ダイエット」 の章。
抹茶や和菓子はヘルシーだ、という落としどころではないんです。
どういうことかというと、お稽古などでする正坐(せいざ)の姿勢が 
すなわち 「自分の重さを確認する好機」 だというお話。

私なども、足先や足首のあたりがジンジンするときや
躙る(にじる)、つまり正坐のまま膝を使って進むときに
体が重くなったかな、と感じるときには
やはりたいてい、実際に計ってみると体重が増えていたり。
茶道のきゅうくつさが生んだ、おかしみです。

さて、あとがきに、こんな文章があります。

「お茶は堅苦しいものだ。 … (中略) …
 ただ、これはあくまで予感なのだが、
 堅苦しさの中に、あるいはその向こう側に、
 自由な地平というのは、ありそうなのである」

さらには、こう続きます。

「稽古をしているうちに、
 いつか知らないうちに手が動くようになる。
 … (中略) …
 よけいなものが、どんどん削ぎ落とされて、
 静かに何かが深まってゆく。
 ただ、体だけが動いてゆく」

そうそう、そんな感じ。
懸命に型をなぞっていたのが、あるときふと力がぬけ
何か、たゆたうように、まるで脳が介在しないような軽さで
体が自然に動き出します。

そんな瞬間に、お茶の醍醐味を感じるかたが
有吉さんのみならず、きっと多いのではないでしょうか。
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  • 2016.03.31 Thursday 16:52

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