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  • 2016.03.31 Thursday

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こよみのページ が好きで、ときどき見ます。
それによると、本日、10月31日は“日本茶の日”だとか。

解説には、以下のように。
「1192(建久2)年、臨済宗の開祖・栄西が宋から帰国し、
 茶の種子と製法を持ち帰りました。」
栄西は、ちょうど 前回前々回 の記事で登場しましたね。

知りませんでした、この記念日は。
お茶にまつわる記念日は、いくつかあるんですが 
これは、まったくのノーマークでした。

日本記念日協会 という団体が、あるんです。
この記念日の詳細や、だれが制定したのかなど知りたくて 
協会のサイトで検索してみましたが、ヒットしませんでした。

ん? 栄西は10月31日に帰国したのか?
今のところ、くわしいことはまったく判明せず … 

ところで、“日本茶の日”って、もう1日あるんですよ。

それは、10月1日。
豊臣秀吉が、1587(天正15)年のこの日に 
京都の北野で大茶会を催したことにちなんで 
飲料メーカーの伊藤園が制定したそうです。
茶業関係者には、こちらのほうが比較的有名なのでは?

しかし世の中には、記念日がわんさかとあるものですねー。
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栄西の『喫茶養生記』 のなかで 
「茶は養生の仙薬なり…」と紹介された、お茶。
酒酔いがぬけ、消化を助け、利尿効果がある、などなど 
お茶が体を壮健にすることを説いた書物です。

これ以降、そんな薬効を期待してか 
御家人などの富裕層を中心に、お茶が珍重されていきます。

『喫茶養生記』には、お茶の製法も記されているのですが 
これは、現在でいうところの抹茶です。

ただし、碾茶(てんちゃ=抹茶の原料となる茶のこと)の 
鎌倉期のころの栽培・製造技術は、まだまだ未発達でした。
今日のものほど風味豊かで、甘みを感じられるものでは 
おそらくなかっただろうと思われます。

まさしく、“良薬、口に苦し”だったでしょうね。

ところで、抹茶は「一服、二服…」といいますね。
お茶会では、亭主が「一服さし上げます」とあいさつしたり。

この、一服、二服という数えかたは 
かつて、お茶が薬のように親しまれていた名残なのです。
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二日酔い防止に、お茶
このことについては、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』に
興味深いエピソードが記されています。

ときの幕府の三代将軍、源実朝が 
酒宴続きで、二日酔いに悩まされていました。

それを見た、栄西禅師。
京都・栂尾(とがのお) 高山寺 の明恵上人に 
茶の種を贈ったという、あのひとです。
宋に学んだ臨済宗の開祖で、建仁寺を開山したことは 
日本史の教科書にも載っていましたね。

苦しんでいた実朝に、今でいう抹茶をすすめたところ 
たちどころにして気分が爽快になったというのです。

このとき、栄西が実朝に献上したのが 
日本初の茶書として名高い『喫茶養生記』です。

「茶は養生の仙薬なり 延齢の妙術なり」。
こんな、ちょっと大げさな書き出しではじまる、この書物が 
茶の地位を高め、喫茶の風習を広める礎となったのです。


※ 参考文献
  『茶の湯の不思議』 小堀 宗実 (NHK出版 生活人新書)
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200710300836000.jpg
高はし屋(静岡)製 「あじろ」

静岡の七間町に店を構える、炭火手焼の煎餅やさん。

ここの煎餅やあられは、どれも素朴で真面目で 
なんといってもおいしいのですが 
静岡土産として、県外の友人に喜ばれるのがこれです。

小さな魚たちが、袋のなかにごっそり。

口に含むと、しょうゆと米のうまみに加えて 
ふわんと磯の香りがします。
生地に、桜えびの粉末を混ぜこんであるようです。
駿河湾にいだかれた、静岡らしいひと品です。

香ばしい 玄米茶 、たっぷり淹れてどうぞ。
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焼酎やジンなどの“お茶割り(静岡割り)”。
静岡ではおなじみの、お酒の楽しみかたです。

「悪酔いしにくい」とか、「二日酔いにならない」とか 
そういう理由で愛飲しているかたが、静岡には多いのです。

緑茶に含まれる、カテキンやビタミンCのおかげで 
アルコールの血中到達速度が低く抑えられたり 
血中からのアルコール消失も促進されるそうです。

また『日本茶スタイルブック』(日本茶業中央会)によると
カフェインの覚醒作用によって 
大脳皮質が酔いの状態から醒まされるといいます。

むろん、お酒の呑みすぎは禁物ですが 
ほどよくたしなんで、お茶のちからで翌朝すっきりと。

丸玉製茶の看板アイテム、「緑茶割り用顆粒茶」は 
このお茶割りの“割り茶”を、冷水やお湯に溶かすだけで
とても手軽におつくりいただける一品です。
ぜひ、ご活用くださいね。

       *   *   *  

緑茶を、お茶割りとしてとり入れる以外にも 
たとえば、たくさん呑んでしまった夜、眠る前に 
カテキンが豊富な並級煎茶を飲んでおくとか。

また、日本酒や、焼酎のロックがお好きなら 
チェイサーを冷茶にしてみるのはいかがでしょう。

お酒のスタイルに合った、お茶のとり入れかた。
ぜひ、工夫してみてくださいね。
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「琳派 −京へのあこがれ 細見美術館コレクションより」展
於・佐野美術館(静岡・三島)
2007年10月6日(土)〜11月5日(月)

先日、京都旅行のおりに 細見美術館 を訪れました。
当ブログでも、神坂雪佳展の紹介 にて少々記しましたが 
琳派の優品を数多く所蔵することで名高い美術館です。

ちょうど、佐野美術館にコレクションがきていると知り 
ぶらりと出かけてみました。

江戸期を中心に、絵画に工芸を加えた約80点。
明治期までの主要作家を、ひと通りおさえた構成で 
鈴木其一や酒井抱一が、比較的多く出品されていました。

今回、私がひときわ魅力を感じたのが
酒井抱一の「鹿楓図団扇(しかかえでずうちわ)」。
細見コレクションの礎を築いた、故・細見古香庵が 
抱一に魅せられるきっかけになった作品だそうです。

すとっ、と、軽やかに立てられた金箔地のうちわ。
涼を感じさせる楓の紅葉が、あざやかに配され 
これであおぎ立つ風は、きっとやさしく香ることでしょう … 

日用品をもあでやかに彩った、琳派の作風は 
当時の富裕層に、大いに愛されたのでしょうね。

       *   *   *  

なお、期間中に、足を運べないかたのために。

今回の出品絵画の多くが、淡交社 発行の 
『琳派を愉しむ −細見コレクションの名品を通して』に 
所収されており、図録並みのお値段です。

琳派を愉しむ―細見コレクションの名品を通して
琳派を愉しむ ― 細見コレクションの名品を通して

この本にはさらに、近代の神坂雪佳までが網羅されており 
ざっと流れ全体を俯瞰できて、琳派入門には好適な一冊です。
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茶の湯のススメ (コロナ・ブックス)
コロナ・ブックス
茶の湯のススメ
平凡社) 

もしも突然、お茶会に呼ばれたら …  

「茶席の作法をまったく知らない」
「和服を着慣れないから、しんどい」
「長い時間、正坐(せいざ)していられない」
「堅苦しくて、とても参加したくない」
「抹茶って苦そう」

ひとつでも上記の不安に該当したら、この本をぜひ読んで 
茶の湯の、悪いほうのイメージを払拭してほしいのです。

いや、読む、といっても、写真たっぷりですから 
どうぞ、気軽に手にとってみてださい。

12の茶会がドラマのごとく、本のなかでくり広げられます。

亭主は、茶道家ばかりではありません。
陶芸家の辻村史朗さんや、建築家の隈研吾さん。
そして、画家で作家の赤瀬川原平さん、などなど 
どんな趣向でくるのかワクッとする、多彩な顔ぶれ。

彼らが、旧来の、とらわれの型に固執せずに 
思い思いのスタイルで茶と向きあうさまは、愉しげです。
自分が客として招かれた気分で、浸ってしまいます。

読み終えると、あらためて感じます。
お茶というものが、そもそも前衛性を内包していることを。
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200710270842000.jpg
“塩茶(しおちゃ)”という、お茶の飲み方があります。

ほうじ茶 や番茶に、ひとつまみの塩を加えるだけ。

シンプルですが、これが、なかなかいけるのです。
おいしい、ちょっといい天然塩を使うのがポイントです。
味にうまみが欲しいなら、“うま塩”系もいいかもしれません。

とくに、たっぷりと食事をしたあとや 
お酒をいただいたあとは、体にしみいるように感じます。

いっぱい食べて呑んだはずなのに、なぜか襲いくる 
“ラーメン食べたーい”っていう、衝動。
これを落ちつけるのに、効果があるんじゃないかと。
ダイエット中のかた、ぜひ試してみてください。
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今日の静岡は、雨、ときどき雷。
秋は、まことに天気が変わりやすい季節ですね。
皆さま、体調はいかがでしょうか。

そうそう、“お茶うがい”って、ご存知でしょうか。

静岡のみならず、おそらく全国の茶産地の小学校で 
子どもたちに推奨しているのでは、と思われますが 
そのものズバリ、お茶でうがいをするのです。

緑茶 に含まれる、カテキンの抗ウイルス作用が 
風邪やインフルエンザの予防に、よいのだそうです。

また、カテキンは虫歯菌の増殖も抑えてくれるうえ 
お茶にはフッ素も含まれているから 
虫歯の予防にも効果的、とかなんとか。

うーん、いいことずくめの感がありますが 
専門家のなかには、お茶うがいの効果を疑問視する向きも。
なにせ、お茶は医薬品ではなく、食品ですから 
あまり過信せずに、毎日朝晩こつこつと続けてみてください。

いつも習慣的にうがいをすることで 
冬にむけ乾燥する時期のノドを湿らし、風邪をひきにくくする。
そんな、自らの健康管理に気を配る、日々の生活リズムが 
いちばん大切なのでしょうね。
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先日のブログ で「大徳川展」をご紹介しましたところ 
ワード検索で、ここを訪れてくださるかたが多いです。
ありがたいことです。

東京国立博物館を、これから訪れるかたは 
ぜひ、裏手の 庭園 にも、足を運んでみてください。
23日から、“秋の庭園開放”がスタートしたそうです。

広い園内には、うつくしい茶室が点在しています。
小堀遠州の手による転合庵(てんごうあん)や 
益田鈍翁が自らの邸内に移して親しんだ応挙館など 
バラエティに富んでいて、お散歩にはもってこいの場所。
茶室は、実際に茶会などでお借りすることもできます。

これからは、紅葉がきれいですよ。
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