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  • 2016.03.31 Thursday

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神坂雪佳の世界―発見! 琳派からモダンデザインへの架け橋 (コロナ・ブックス 140)
神坂雪佳の世界 ― 琳派からモダンデザインへの架け橋
(コロナ・ブックス)

近代琳派の代表格、神坂雪佳(かみさかせっか)。

この本の表紙になっているのが、彼の図案集
『百々世草(ももよぐさ)』 の 「狗児(えのころ)」 です。

これ、どっかで見たな? とお思いのかたもいらっしゃるでしょう。
高島屋の今年のお中元パンフレットや 
小学館 『和樂』 6月号の表紙にも使われています。

彼の意匠は、年月を経た今でもシンプルにしてモダン。
しっとりとした艶やかさと、巧みな構図からくる明朗さが同居し 
現代的なグラフィズムを感じます。

昨年、京都・細見美術館で開かれた雪佳展 をご紹介しましたが
唯一残念だったのが、図録がつくられていなかったこと。

図案集などは、古書を含めいくつか流通しているものの 
作品世界を一望できるタイプの書籍は今まで極めて少なく 
ようやく出たな、という感じです。
雪佳という人物の、一般的な認知度の低さからか 
表紙には 「発見!」 とも書かれています。

カラーの図版が数多く掲載され 
日本画家としての顔、工芸デザイナーとしての顔 
その両面があまねく楽しめる1冊となっています。

ところで、今秋の 大琳派展 では 
明治以降の系譜にはスポットがあたらないかもしれませんが 
あるいはこの本は、その企画展に連なる “琳派出版ブーム” の 
皮切りといえるかもしれません。
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修復工事中の銀閣。
このブログでも以前とりあげた とおり
どのような形で修復されるかが注目されていました。

銀閣寺:外装に黒漆塗る補修を断念 外壁の板、風化で薄く
(6月29日付 毎日新聞

京都府教委としては、建物保護などの観点から
「外装に黒漆を塗って創建当時の姿に戻す」
ことを検討していました。

しかし今回、解体調査したところ
「外壁の板の厚さが風化で半分程度になっており、
最も薄いところで1センチしかなく、塗装には不適」
という判断に至ったそうです。

つまり、われわれ現代人が見慣れた銀閣の外観が 
そのまま残る、という方向性で 
寺側が望んだ “枯淡美” 維持の結果となったわけです。

さて。
としたら、問題の外壁の補修はいかに行われることでしょう。
前に引用した産経新聞の記事 には
透明の合成樹脂を用いると、野外では変色の可能性があるとあり
それはそれでリスキーです。

今後の展開が、まだまだ気になるところです。
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日本テレビ系 『伊東家の食卓』 で紹介された “裏ワザ” の中から
特に人気の高いものが Yahoo!動画 で配信されていて
その中に、お茶がらみのこんなネタを見つけました。

ニンニクを食べた後の気になるニオイを簡単に消しちゃう裏ワザ!!

この “裏ワザ = 緑茶” というわけ。

動画を実際にご覧いただくのが一番ですが 
要は 「ニンニク料理を食べた後、コップ1杯程度の緑茶を飲めば
個人差はあるが、お口のニオイをおさえるのに効果があり
しかも、翌朝にも効果は持続する」 といった内容です。

カテキンなどの緑茶成分がもつ抗菌・消臭作用が 
食後に残る、お口のニオイ消しにひと役買ってくれるとか。

ニンニクは生にも、火を通したものにも効果がありますが 
いずれにしろ、緑茶を飲むタイミングは食後1時間以内。
ニンニク成分が体に吸収される前がよいそうです。

食後に緑茶、やっぱり理にかなっているんですね。

また、弊社の 緑茶割り用顆粒茶 をご利用の飲食店様には
“静岡割り” のセールストークにも有効では。
ぜひチェックしてみてくださいね。
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2009年5月21日からスタートする、裁判員制度

もしあなたが茶農家だとして 
よりによって、新茶の摘みとりに最も忙しい時期に
裁判員として参加しなければならなくなったら、どうしますか?

裁判員制度では、本人の不在で 「著しい損害が生じる」 などの 
一定の要件を満たす場合について、辞退が認められるといいます。

裁判所側からみた、いわゆる “選任の支障” ですが 
ニュースなどを見ていると、その実態を把握する動きが 
いま、各地の地方裁判所でみられます。

福岡地裁 茶農家の実態調査 黒木裁判員辞退判断材料に
(6月27日付 読売新聞 福岡版)

この記事にも書かれているように、たとえばお茶の場合は 
摘みとりの適期、さらには “適日” を逃すと 
茶葉の品質低下につながり、市場での価格も下がります。
みな生活がかかっているわけで、1日1日が真剣勝負です。

弊社のような卸商に在籍する、腕利きの茶師たちも同じで 
鍛え抜かれた技術と感覚で 「仕上げ加工」 に注力します。
当然ながら、アルバイトの代替要員には難しい仕事です。

ただし、二番茶の収穫・製造も落ちついた盛夏以降ならば 
時間に余裕ができてくる関係者も多いことでしょう。

地裁のかたがたには、裁判員制度がスタートするまでに 
多業種の現場に出て、判断材料をきちんと収集していただき 
そのうえでの検討を進めていただければと思います。
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ブランド牛、そしてウナギの産地偽装問題が 
またまたニュースを騒がせています。
まことに腹立たしい事態です。

お茶の業界にも、かつては不明瞭な部分が多かったのか 
近年、日本茶業中央会 によって 
より具体的に 「緑茶の表示基準」 が改正されています。

これにより、お茶の原料原産地名を表示することが 
業界内の統一基準として定められています。
日本茶の包装資材などが手近におありならば 
きちんと明記されているか、確かめてみてください。
(弊社 リーフ茶 はすべて、袋の裏に記載してございます)

製造・販売者は、茶葉が国産であればその旨を 
また輸入品であれば、原産国名を記載することになっています。

さらに国産品に関しては、具体的な都道府県名 
あるいは一般的に知られる産地名まで記載されることも多く 
たとえば、ブレンドなしの100%静岡県産だとすれば 
「静岡茶」 「静岡県産」 という表示になります。

もし、ほかの産地のものをブレンドしている場合ですが 
法定表示欄に、すべての地名を併記したうえで 
たとえば全体のうち、静岡産が50%以上100%未満であれば 
「静岡茶ブレンド」 「静岡茶(ブレンド)」 などと 
産地名をかかげてもいいことになっています。

ただし、この表示は各事業者の自主性に任せられていて 
業界全体で徹底されていくには、まだ時間がかかるでしょう。

というのは、たとえば 
高宇政光さんの近著 『お茶のソムリエの日本茶教室』 に
挙げられている、こんな悩ましい現状からも察せられるわけです。

「京都府の茶生産高は、すべての茶種をあわせても年間3000トン、
 ところが全国で 『宇治茶』 として販売されているのは
 1万5000トンは下らない。
 この差の理由はつまり、どこでできたお茶にせよ、
 宇治で仕上げ加工して、ブレンドしたものは
 『宇治茶』 だとして、出荷していることから来ています。」

“売り” のためのブランド化は、宇治だけに限らないでしょうが
やはり疑問を感じざるをえません。

他の食品のニュースを見て、襟を正すべきときに来ています。
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確かに、ごくごく幼いころから茶の湯に親しんでいる人は 
頭で考えるでもなく、所作がさらさらと板についている。
若さの吸収力は、素晴らしいと思います。

ただ、いくつになってからでも始められるのが 
茶の湯の世界の魅力でもあります。

昨日の 読売新聞 のエッセイ。
麻生圭子さんは、今から4年前 
テレビ番組で茶の湯を学ぶ案内役になったのを機に 
茶の湯とのつき合いをスタートしたそうです。

【私と茶の湯】 エッセイスト 麻生 圭子さん

始めてみたいな、でももう遅いかな、と 
一歩を踏み出せずにいる人がいたら、読んでみてください。

大人の女性の、素直な “気づく心” が、とても素敵。
茶の湯は、心をあたためる感動の連続です。

「もてなしの気持ちや季節感。
 茶の湯の茶わんを通していろんなものが見えてくる。
 「茶わん眼鏡」 って、私はそう呼んでいるんです」

そして、茶の湯から得たものを生活へと還元していく楽しさ。
また、齢を重ねるにしたがって閉じがちな、感覚のひだを開放し 
あせらずに 「続けていくことで体になじんでいく」 のを 
日々楽しみながら、持続可能な自然体で向かい合う姿勢は 
彼女の周囲の若い女性たちの励みにもなっていることでしょう。
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豪快茶人伝 (角川ソフィア文庫 363)
豪快茶人伝
火坂 雅志
(角川ソフィア文庫)

来年のNHK大河ドラマ 『天地人』 の原作者でもある 
歴史小説家、火坂雅志さんの手にかかると 
稀代の茶人たちの物語も、苛烈にして人間くさい。

松永弾正や織田信長、今井宗久にはじまり 
益田鈍翁、松永耳庵で終わる、この茶人伝は 
茶の湯というフィルターを通した神格化の世界ではなく 
生の人物像そのものに鋭い観察眼で挑んでいる一冊です。

だから、茶の湯の歴史を学ぶ資料、としてよりも 
ずっぷりと物語に入りこむ読みかたをおすすめします。
すると、あらためて惚れ直す人物あり、がっかりする人物あり。

そう、時にちょっとした幻滅感も味わうことになるでしょう。
著者もあとがきで

「この人物とは、一緒に酒を飲みたくないと思う御仁が二人いた。
 誰とは言わない。
 本文を読んでいただければ、おわかりになるだろう。」

なんて書かれています。

さてさて、あなたなら 
この本に出てくる、どの茶人と酌み交わしたいですか?
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200806250939000.jpg
富士菓匠 金多゙留満(山梨・河口湖)製 「はまなし」

西日本を中心に、各地に多く残る徐福(じょふく)伝説。
不老不死の仙薬を求め、海を渡りやってきたという
紀元前3世紀、秦の始皇帝の使徒です。

富士山周辺にも、彼の伝説は多く残されています。
“蓬莱山” のごとき富士山にても仙薬を見つけられず 
この地に永住し骨を埋めた、という話があれば、一方で 
富士山に群生する 「はまなし」 こそが仙薬であると確信し
持ち帰った、とする説も。

この 「はまなし」 とは、一般的にいうコケモモのことで 
富士山の5合目から8合目あたりにかけて群生し
夏がくるころに赤い実をつけるそうです。

伝説にあやかり創製された 「はまなし」 入りの一品が、これ。
寒天のあっさりとしたゼリーには、風味づけに洋酒が入り
涼やかな、大人向けの味になっています。

冷やして、または凍らせてもおいしいです。
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今年の晩春から初夏にかけての “一番茶” は
雨はやや多かったものの、気候はおおむね安定しており 
弊社ではお客様からの評価も上々で、良好な年に思えました。

しかしながら意外に、今年は全国的に 
“一番茶” の市場取引価格が例年より芳しくなかったようです。

6月4日付 中日新聞 静岡版 には、JA静岡経済連の推定として 
静岡の 「県内産一番茶の生産量は前年比3−5%減」
「1キロ当たり平均単価は前年比5−7%減と見込み、
販売金額は10%減」 という厳しい数字が紹介されていました。

そして、第2位の茶産地・鹿児島でも状況は似通っているようで。

取材ノート08:茶どころ鹿児島に危機 一番茶取引価格が急落
(6月19日付 毎日新聞 鹿児島版

鹿児島では、一番茶の 「取引価格が1キロ2026円と、
前年比313円減の急落」 となっているそうです。
品質低下が起因していない下落としては、非常に大きいです。

記事のなかでも深刻に思われるのが、「効率化のために、
多くの農家が作業機械の大型化と工場の近代化を進め、
大きな負債を抱える」 という一文。

鹿児島にはその傾向が顕著ですが、こちら静岡でも 
平野部や台地で、大型機械を導入して栽培する農家の数は 
決して少なくはありません。

さらに、それらの燃料が昨今の原油高で上昇しているため 
生産コストも上昇せざるをえません。
離農を余儀なくされている生産者、少なくはないようです。

しかしながら、生産の担い手あっての茶業界であり 
茶道であり、ティータイムであり。

私ども一茶商の力がどれほどの助けになるかわかりませんが 
生産者の心づくしの、高品質な一番茶葉を
より多くのかたに楽しく召し上がっていただけるよう 
そして、お茶の世界の魅力をもっと伝えていけるように 
より一層、力を尽くす所存です。
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お茶会のマナー 13 ●  帛紗は茶の湯のマストアイテム

帛紗(ふくさ)といっても、のし袋をおさめるものと異なり 
茶道には専用のものがあります。

200806241039000.jpg

右側の無地のものが、お点前で用いる帛紗です。
いわゆる 「使い帛紗」 というものですね。
茶入(ちゃいれ)や茶杓(ちゃしゃく)などの道具を清めたり 
湯が煮えて熱くなっている釜の蓋をあつかうのにも用います。
色やサイズは、流儀によって少しずつ異なるようです。

お茶事に招かれ、客として参会する場合でも 
一応、これを携帯するのが決まりとなっています。
未経験や初心者のかたをのぞいては 
請われて、にわかにお点前をしなければならなくなるかも。
そうした状況に対応できる準備が求められるのでしょうね。

さて一方、道具拝見のときにのせたりするのは 
美しい名物裂(ぎれ)などでつくられた 「出し帛紗」 。
それこそ流儀によって大きさや用いかたも異なっていて 
また、これを用いない流儀もあるそうです。

ちなみに写真左側の、織り柄があるものは 
裏千家の 「古帛紗(こぶくさ)」 というもので 
5寸2分×5寸という、出し帛紗では小さめのサイズです。
(1寸は約3センチなので、おおよそ15センチ四方ですね)
それを半分にたたんであります。

上記2点とも、和服ならば 懐紙 などとともに懐中し 
洋服ばらば、帛紗ばさみに入れて携帯します。

ただ、お稽古をしたことがなく、お茶事も初めてのかたには  
こうした帛紗類の用意は難しい部分もあります。
しかしながら、大寄せのカジュアルな会などでは 
時により、これらがなくてもかまわないようです。

初心者のかたは、亭主や同伴者などに 
あらかじめ持ちものの確認をしたうえで準備を整えておき 
当日は安心してお出かけになるとよいでしょう。
念のため、事前に拝借しておいてもいいですね。
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