お茶会のマナー 16 ● 流儀が違うお茶会での振る舞い
茶の湯には、たくさんの流儀があります。
表千家・裏千家・武者小路千家の、いわゆる三千家のほかにも
かなりの流儀が存在します。
もちろん、それぞれ少しずつ点前や作法も異なります。
さて、自分が習っているのと異なる流儀のお茶会に招かれたら。
作法が違うからと消極的にならないで
あえてその違いを楽しみに出かけてはいかがでしょうか。
小堀宗実氏の 『茶の湯の不思議』 (生活人新書)に
こんな心強いことばがありました。
「流儀の違う茶事・茶会に招かれたときは、
自分が習っている流儀の作法でお茶をいただけばよいと思います」
「作法の違いに気をとられていたのでは、お茶も味わえませんし、
慣れない作法を真似て粗相でもしたら、それこそ失礼に当たります。
その意味では、流儀の違う茶会でこそ、
普段の稽古や立ち居振る舞いが試されるのかもしれません。」
一期一会の交わりに感謝し、貴び、五感で楽しむ。
その精神に、流儀の垣根はないと考えたいものです。
なお、念のため、流儀が違うお茶事の案内状をいただいた際は
出席をお伝えする、亭主宛の
手紙 などに
一筆、その旨を記しておくとよいかと思います。
また、当日は事前に、正客(しょうきゃく)や隣席のかたに
流儀の異なることを伝えておくと、気を配っていただけますよ。