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  • 2016.03.31 Thursday

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黄金の茶室 をもつくった、あの秀吉にまつわる遺構から
金色のきせるなどが出土したそうです。

秀吉好み?金のきせる 初代伏見城跡から高麗青磁なども
(10月28日付 朝日新聞 関西版)

秀吉が、のちの伏見城の前身として築いたとされる
いわゆる 「指月(しげつ)城」 の遺構であろう堀の内部から
「高麗(こうらい)青磁の茶托(ちゃたく)の破片」 や
「金箔を張ったきせる」 が見つかったとか。

高麗青磁の茶托は、新聞掲載の写真を見たところ
文様を彫ったところに白土を埋めこむ
象嵌(ぞうがん)の技法でつくられたもののようですね。
この高麗青磁に限らず、伝世する 高麗茶碗 の多くも
「秀吉の朝鮮出兵をきっかけに」 もたらされたといわれます。

それまで、「唐物(からもの)」 といわれる中国産の品が珍重され
また多く用いられていた茶の湯の世界に
侘数寄(わびすき)の確立と歩調をあわせるかのように
高麗の品がどっと入りこんでいった時代でもありました。

一方のきせる、銅製の本体の上に金箔を張ったもの。
秀吉の遺愛の品なのでしょうか?
期待してしまいますが、調査に携わった研究所の所長は
「秀吉の黄金好みをまねて大名たちが使った品ではないか」
とみています。

現地説明会は明日11月1日に行われるそうですよ。
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  • フレッシュフルーツゼリー
  • 2008.10.30 Thursday 14:22

200810300935000.jpg
レオニダス(ベルギー)製 「フレッシュフルーツゼリー」

チョコレートで有名なレオニダスですが
こんな可憐なフルーツゼリーもつくっています。

青リンゴ、イチジク、モモ、チェリー、パイナップル。
ひと粒ごとに、天然果汁がギュッと込められていて
とにかく、味が濃厚なのです。

寒天製でサラリとした食感の錦玉(きんぎょく)とは異なる
洋のゼリーならではの、もっちり感も楽しめます。

こうしたユニークで魅力的なお菓子に出会うと
あまたあるお茶の、どの種類ととり合わせるか
腕を試されているようにも感じます。
これには 上ランクのほうじ茶 か、ダージリン かな。

パッケージがかわいいから、手土産にもおすすめですよ。
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お茶会のマナー 17 ● お礼の手紙を出してみよう

正式なお茶事では、「前礼(ぜんれい)」 といって
招待されたら遅くとも前日までに亭主のお宅に出向き 
承諾の旨をお伝えするのが習わしとなっています。

そして、お招きいただいたあとは 「後礼(ごれい、こうれい)」 。
感謝の気持ちをお伝えするため、早いうちに伺います。
このときに 答礼品 を持参する場合もあります。

これらは、昨今では簡素化されることが多いようです。
しかしながら、茶会が催されている当日に 
そこで得た感動や感謝の思いを亭主に伝えることは 
正客(しょうきゃく)であっても、なかなかままなりません。

そこで、手紙を書いてみてはいかがでしょうか。
礼状をいただくと、ことのほか嬉しいものです。

ただ、目上のかたへの文など、いざ筆をとってみると
何を書いていいのやら緊張してしまいますね。
初めのうちは、いわゆる手紙のマナーにのっとったうえで
素直な感動の気持ちを1行加えるだけでもいいのです。
そうして書く機会を得ているうちに、こなれてきますよ。

最近、とても頼りになる本を見つけました。

贈答のしきたりと茶の湯の手紙
贈答のしきたりと茶の湯の手紙
(淡交社)

お茶事における前礼、後礼の文例のほかにも
熨斗袋(のしぶくろ)の種類や、水引の種類やかけかた
また相手への渡しかたの基本も図解で網羅されており
実用的で心強い1冊です。
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NPO法人 日本茶インストラクター協会 主催による
日本茶検定」 が、来年よりスタートするそうです。

日本茶インストラクターや、アドバイザーの試験と異なり
インターネットを通じて、自宅で手軽に受験できます。

ちなみに、第1回検定の申込受付は1月5日(月)から。
来月には、検定公式テキストも発売されるようです。

日本茶に興味のあるかたは、試しにいかがでしょうか。
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お茶のことのは ● 茶断ち(ちゃだち)
 
  一定期間、茶を飲まないこと。
  物事の成就のために願掛けしたときなどに、
  その誓いとして行う。
            ― 大辞泉 増補・新装版(小学館)より ―

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

神さまや仏さまに願掛けをしている間
成就するまでは、一切のお茶を口にしないというのが
この 「茶断ち」 です。
「断ち物(たちもの)」 の一種ですね。

毎朝1杯のお茶から元気をもらっている私にとっては
もし、それを禁じたと想像するに
飲めなくなることのストレスに負けてしまいそうです。
好むものをあえて断つ、成就への思いの強さや。
 
ほかの 「〜断ち」 を逆引きしてみましたら
こんなものも辞書にありました。

「穀断ち(こくだち)」
「塩断ち(しおだち)」
「火の物断ち(ひのものだち)」 (=火を通したものを食べない)

これらで思い出すのは 木食(もくじき) 僧。
いわば嗜好品である茶を禁じるのとは異なり 
栄養源として身体が希求しているものを、あえて断つという
大変厳しい修行です。

ちなみに、かつて挙げられることが多かった 「〜断ち」 は
茶と塩だったそうです。

今日でいえば …

「酒断ち(さかだち)」

これはイメージしやすいですね。
身体のことを考えて、とくにメタボ対策のために
取り組んでいるかたも多くいらっしゃることでしょう。

その点では、辞書には載っていませんが
チョコレートとかケーキとか、ステーキとかフライとか
糖質・脂質をカットする断ち物のほうが
現代人にはリアリティがあるかもしれませんね。
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日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書 375)
日本の国宝、最初はこんな色だった
小林 泰三
(光文社新書)

鍍金(ときん) が全身にほどこされ
金ピカに光り輝いていたといわれる、東大寺の大仏。
そして、その脇侍(わきじ)も、取り囲む四天王も
さらに大仏殿だって華麗な色彩に充ちていました。

かつて、その大仏殿内部を
NHKの番組でCG復元したものを観たことがあります。
手がけたのは、この本の著者でもある 小林泰三 氏。
復元された大仏殿は、第1章でも紹介されています。

往時の鮮やかさ、往時のきらめきを
同じ材質を用い、しかも同じスケールで再現するには 
時間的、資金的、技術的な問題が山積でしょう。
それらを克服できるのが、この 「デジタル復元」 です。

デジタルによる復元作業、とはいっても
単なる机上の画像処理にとどまらないのが、この本の面白さ。

氏のこだわりは、そこから 「何が見えてくるか」 。

現存の美術品から受ける印象とのズレを 
デジタル復元した、複製も容易なツールで体験することで 
ガラスケースの向こうに鎮座する、不可触だった “美” へと 
「参加する視線」 を与えてくれます。

なかでも、第4章 「飛び出す襖絵 ― 檜図屏風」 では
屏風に分断され、閉じこめられていた檜が 
みるみる生気を取り戻していくさまに感動すらおぼえました。
CG復元は、想像以上にダイナミックで人間くさい作業だと
あらためて気づかされる章でした。

この本で唯一残念に思うのが
新書というサイズの制約からくる、図版の小ささです。
表情もまざまざと明るく、再び息を吹きこまれた絵画たちを
もっと大きなサイズと高い解像度で楽しめる本が
近い将来、出版されることを期待しています。
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大きな湯のみやマグカップに、ほうじ茶や玄米茶をたっぷりと。
両の手で包みこむように、温かい飲みものを口にするとき
なにかホッとした気分になります。

掌の温かさは、心をも温めるんですね。
米大グループのこんな実験結果が、新聞で伝えられました。

手を温めるとやさしく親切に行動 米大学実験
(10月27日付 朝日新聞 夕刊)

エレベータで移動する学生41人に、偶然を装って
ホットコーヒーやアイスコーヒー入りのカップを持たせたのち
面識のない 「ある人物に関する印象を評価させ」 たところ
「寛大」 「社交的」 「思いやり」 などの得点が高かったのは
ホットコーヒーを持っていた学生たちだったとか。

ともにコーヒーですから、鍵になるのはやはり温度でしょう。
飲みものばかりでなく、食べものも、衣服も
寒い野外から帰ったときの家の暖かさだって、心を和ませます。

この実験結果で面白いのが、物理的な温かさを得ると
自分自身がホッとするのみならず
「人間関係の温かさに結びつく」 としている点。

大切な人とケンカしたときなど、会話が気まずいときには
たった1杯の温かな飲みものが
もの言わぬ強い味方になってくれるかもしれませんね。
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200805041414000.jpg
百万遍 かぎや政秋(京都)製 「黄檗(おうばく)」
 
黄檗とは、また風流な名。

中国僧の 隠元 さんの遺徳をしのんでか
「唐菓の古風を残した」 という、素朴な食味のお菓子です。

粟(あわ)の粒感が楽しい、直角二等辺三角形の羊羹に
別添えの黄な粉をまぶしていただきます。
この黄な粉が、旨みが深くておいしいんです。

粟羊羹、黄な粉ともに、甘みはさほど強くなく
秋深まるこの時季にこそ、しみじみと味わいたくなります。
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お茶会のマナー 16 ● 流儀が違うお茶会での振る舞い

茶の湯には、たくさんの流儀があります。
表千家・裏千家・武者小路千家の、いわゆる三千家のほかにも
かなりの流儀が存在します。
もちろん、それぞれ少しずつ点前や作法も異なります。

さて、自分が習っているのと異なる流儀のお茶会に招かれたら。
作法が違うからと消極的にならないで
あえてその違いを楽しみに出かけてはいかがでしょうか。

小堀宗実氏の 『茶の湯の不思議』 (生活人新書)に 
こんな心強いことばがありました。

「流儀の違う茶事・茶会に招かれたときは、
 自分が習っている流儀の作法でお茶をいただけばよいと思います」

「作法の違いに気をとられていたのでは、お茶も味わえませんし、
 慣れない作法を真似て粗相でもしたら、それこそ失礼に当たります。
 その意味では、流儀の違う茶会でこそ、
 普段の稽古や立ち居振る舞いが試されるのかもしれません。」

一期一会の交わりに感謝し、貴び、五感で楽しむ。
その精神に、流儀の垣根はないと考えたいものです。

なお、念のため、流儀が違うお茶事の案内状をいただいた際は
出席をお伝えする、亭主宛の 手紙 などに
一筆、その旨を記しておくとよいかと思います。

また、当日は事前に、正客(しょうきゃく)や隣席のかたに
流儀の異なることを伝えておくと、気を配っていただけますよ。
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手水鉢(ちょうずばち)、といえば
手水、つまり手を洗うための水が入っている鉢のこと。
茶室の露地(ろじ)に据えられることが多いですね。

少し前の新聞記事になりますが
興味深い由来のある手水鉢が、金沢に存在するそうです。

尾山神社 手水鉢を整備、公開
 利常の遺愛品 『第一級の歴史資料』
 」
(10月15日付 中日新聞 石川版)

金沢市、尾山神社の境内にある手水鉢は
「清水寺にあった石を千利休が手水鉢として愛用し」 たという
言い伝えも残る逸品。

その後、加賀藩の三代藩主、前田利常に譲り渡されたものが
同じく加賀藩の最後の藩主、慶寧(よしやす)によって
この寺に寄贈されたといわれています。

利休由来については言い伝えの域を出なかったそうですが
最近の研究から、京都産の花こう岩であると明らかになりました。
それも鎌倉前期、1230年代製の
「宝篋印塔(ほうきょういんとう)の塔身部分」 と判明したとか。

利休由来説に、ぐんと近づいたといえそうですね。

宝篋印塔というものは、仏塔の一種で
手もとの辞書によると、日本では石製が一般的のようです。
その中心部にあたる、方形の塔身に美しさを見出し
手水鉢に見立てて転用したのでしょうか。

さて、金沢市観光協会 の公式サイトを見てみたところ
この尾山神社の神門も和洋折衷で面白いですね。
上層には色とりどりのギヤマンがはめこまれていて
かつては灯台の役目も果たしたとか。
次に金沢を訪れる際には、ぜひ訪れてみたいものです。
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