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  • 2016.03.31 Thursday

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近ごろ 「白湯ダイエット」 なるものが人気だそうで
ヤフーで検索してみたら、出るわ出るわ、数十万件。

方法としては、至極簡単ですね。
寝起きと、朝昼晩の食事の際に、1杯ずつ
体温よりすこし高めの白湯をゆっくりと飲む、というもの。

明らかな体重減少につながるかどうかはともかく
インドのアーユルヴェーダの考えに基づくという、この方法は
日本古来の養生法にも共通する、からだへのいたわりです。

とくに、冷たいものばかりとりがちになる夏場には
内臓を適度にあたためつつ代謝を高めることは
冷房病や夏バテを防ぐ一助になるかもしれませんね。

日本古来の養生法、といえば。
貝原益軒の 『養生訓』 に、こんな文章があります。
(講談社学芸文庫版より引用)

「湯は熱きを冷まして、よき比(ころ)の時のむはよし」

熱く沸かしたお湯は、冷ましてから、ほどよい温度で。
そのまま、白湯ダイエットに通じるものがあります。

また、ほかにはこんな記述も。

「夏は伏陰(ふくいん)とて、陰気かくれて腹中にある故、
 食物の消化する事おそし。多く飲食すべからず。
 温(あたたか)なる物を食ひて、脾胃(ひい)をあたゝむべし。
 冷水を飲べからず」

中医学などでいう 「陰気(陰の気)」 が体内にひそむ夏。
冷たいものではなく、あたたかなものを飲食して
消化器系の器官をあたためるのがよい、との教えです。

ところで、その中医学においては
緑茶は身体を冷やす性質の 「寒性」 といわれますね。

外出時のクールダウンには、冷茶は好適ですが
冷房のきいた室内などでは、身体の声に耳を澄ませながら
あたたかいお茶もバランスよく飲んでみてください。

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一昨日の 日本経済新聞
こんな見出しの記事が載っていました。

「強い香り まといたい  柔軟剤や制汗剤/男も香水
 体臭に過敏  抑制に躍起」
(7月28日付)

さりげない香り、ほのかな香りではなく
「周囲に伝わるような強い香りを身にまとう人が
増えている」 というのです。

香りが強い、または香りに持続性のある柔軟剤や
香料入りの制汗剤、男性向けの香水まで
「香り」 がキーワードのヒット商品は多いようです。

そういえば、柔軟剤の売り場で
香りを確かめられるテスターを目にするようになったのも
最近の傾向なのでしょう。
個人的には、あまり強い香りのものは得意ではないので
かならず確認してから購入するようにしています。

日経の調査で
「香水や衣類の柔軟剤で香りを身にまといたいか」
との質問に対する回答で
「周囲に明らかに伝わるようにしたい」
「周囲にかすかに伝わるようにしたい」 をあわせると
なんと、5割近くにのぼったといいます。

ただ、柔軟剤や制汗剤はともかく
香水は、つけ続けると自分の鼻が慣れてしまうので
「かすかに」 のさじ加減、難しいんですよね。

電車やバス、公衆トイレといった、公共の密閉空間で
香りにむせるような経験をしたかたは少なくないでしょう。
私もかつて、誰も乗っていないエレベータで
どうしてこんなに、というほどの強い残り香につつまれ
気分が悪くなったことがあります。

ほのかに香っていれば素敵な香水も、度をこすと
人によっては芳しくないにおいと感じる ―
人間関係にも多分に影響を及ぼしてしまう、香りの世界。
面白くも皮肉なところですね。

なお、以前書きましたように
お茶やお香の繊細な香りを楽しむお茶会には
香水や香りの強い化粧品などは禁物 です。

日本茶カフェや日本料理店でも、ぜひ同様の配慮を。

今のように湿度が高い時季は、香りがこもりますから
強い香りの柔軟剤の使いすぎにも留意したいものですね。

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200907291355000.jpg
亀屋良永(京都)製 「御池(おいけ)煎餅」

ふやき(ふのやき)の有名選手ですね。

空気を含んだ米粉の生地は、さっくり、ふわふわ。
片面には、刷毛で砂糖を塗ってあります。

“亀屋” らしく、うすい亀甲模様の焦げめは
ほんのり香ばしさが感じられる程度と、ひかえめです。
あとから追いかけてくる、醤油のほのかな旨みが
味をひきしめるアクセントになっています。

化学調味料を使ってあるのが、唯一残念なところ。
ただ、京都にあまたあるふやきのなかでも
おそらく、風味にも、見ためにも大きなクセがないので
日ごろ茶の湯に親しむかたでなくても
ふやき入門編として好適の一品かもしれません。

この筒状のスチール缶、素敵です。
棟方志功作のラベルをプリントしてあるとか。

筒に包装紙を直接かけてもらえるので、かさばらないし
なにより、道中で中身が割れにくいのが
お土産のまとめ買いに高ポイントだったりします。
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夏時間の庭
監督:オリヴィエ・アサイヤス (2008 / フランス)

本作は 「オルセー美術館開館20周年記念作品」 で
作品中に登場する美術品のほとんどが
美術館に所蔵されている本物なのだそうです。

四季折々の花が彩る、広大な庭に抱かれた一軒家で
母の誕生日を祝うため久しぶりに集った
それぞれ独立し離れて暮らす3兄妹。

テラスでのお茶のひととき、その手には
1900年代初頭につくられたものであろう
ジョージ・ジェンセンの、優美な銀のティーセット。

屋内に目をやれば、コローやルドンの絵画が壁を飾り
書類が積まれたアール・ヌーヴォーの書斎机はマジョレル。
使用人のエロイーズが、庭の花を無造作に飾る花器は
実は銅版画家のフェリックス・ブラックモンの作だったり。

名のある画家であった大叔父の
美術品のコレクションとして登場するこれらは
本作の陰の主役といえるでしょう。

掌に包まれ、あるいは生活の息吹のかたわらで
登場人物たちと同じように息をしているかのごとくみえる
それらの品。

だから1年後の母亡きあと、その遺志どおりに
美術館に寄贈された品々が展示室でみせる
眠りについたかのような無機的な静けさが
たまらなく胸に沁みるのです。

ところが観終えてみて。
それでも、不思議と温かい気持ちになったのはなぜでしょう。

表向きには、3兄妹の財産分与の話で
喪失感や切なさを内包するテーマでありながらも …

幸せなひとときの記憶。
互いによりかからず自立し、変化に後ずさりすることのない
登場人物たちのたたずまい。
ラストシーン、少女が垣間見せる未来へのきざし。

こうして思いかえすほどに、また余韻は深まるのです。
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人気アイテム 「粉末ダージリン紅茶」 に
新たに、個人のお客さまにもお求めいただきやすい
100g入が加わりました。

 ● 100g袋入 … 840円(税込)

インド産ダージリン紅茶の風味や薫りをそこなわぬよう
抹茶製法を応用し、石臼で挽いております。

わずか4ミクロンの非常に微細な粒子ですから
製菓材料としてもおすすめです。
ザラッとした粒感なく、生地にしっくりとなじみます。
もちろん、香料や着色料は一切使用しておりません。

防湿性や遮光性の高いアルミ素材の
チャック付スタンドパックにお詰めして、お届けいたします。

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1杯飲みきり、分封タイプの
丸玉製茶オリジナル顆粒茶 「ISSEN(いっせん)」 に
新しく、烏龍茶が仲間入りしました。

冷水にもお湯にも溶けやすく、香味濃厚。
そのままはもちろん、製菓材料としてや
焼酎の “ウーロン割り” の素としてもおすすめします。

サイズは、業務用と小売サイズの2タイプです。

 ● 業務用 1,000包入 … 7,875円(税込)

 ● 100g入(個包装紙込) … 1,050円(税込)
    ※およそ90〜100包入っています。

詳細情報は ホームページ をご覧くださいませ。

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ぜひ訪れてみたかった、信楽町の MIHO MUSEUM

設計は、ルーブルのガラスのピラミッドなども手がけた
中国系アメリカ人のI.M.ペイです。

観光として考えれば、立地は不便な山中。
バスの運行は1時間に約1本、山道をくねくねと。
しかし、人里はなれた山のなかだからこそ可能であろう
浮世離れしたユニークな空間にひたれます。

こちらは、受付やレストランが入ったレセプション棟。

200907191336000.jpg

美術品を展示する美術館棟へ行くには
必ずここを経由します。

まるで、現在の企画展 「仏たちの物語」 の序章のように
蓮の鉢がしつらえられていました。

200907191337000.jpg

風にゆらめく蓮華の向こうにみえるのが
レストランの 「Peach Valley」 。

運営母体の自然農法ガイドラインに基づく食材で
シンプルに調理された、パスタやおむすび膳など。
レストランを目当てに訪れる人も多いと聞きますが
食してなるほど、そのわけがよくわかりました。
天然酵母のパンや、人気の豆腐は持ち帰りも可能です。

さて。

お目当ての美術館棟は
レセプション棟からすこし離れたところにあります。
整備された並木道やトンネル、橋を渡ったさらに奥。

徐々に人里の喧騒から離れ
美術館棟という非日常の空間へと続く道程は
露地から茶室へのアプローチに通ずるところがあります。

7人乗りの無料カートが随時往復しています。
私は、行きの上り坂ではカートを利用し
帰りの下り坂は、せっかくなので散策してみましたら
ゆっくり歩いても10分足らずのほどよい道のりでした。

200907191615000.jpg

見えてきた美術館棟は
山すそにちょこんと抱かれ、かわいらしい入母屋造。
建物がずいぶん小さくみえますが …

200907191444000.jpg

実は、「建築容積の80%以上を地中に埋設し、
建物の上にも自然を復元してい」 るそうです。
入館すると、左右へ伸びやかに広がる通路。

現在の特別展は、上記の 「仏たちの物語」 と
「オクサスのほとりより」 のふたつ。

また、宋時代のやや華奢な耀変天目をはじめとする
茶の湯の道具の小展示も一室で行われていました。

ところで、展示、建築、食事とともに
もうひとつここに特筆しておきたいのが
ぜんぶで3つあるミュージアムショップ。

それぞれ、さほどの広さはないものの
図録やオリジナルグッズといったお決まりの品に加え
展覧会のイメージにあわせた作家作品などもあり
そのラインナップも、またセンスがいいのです。
私は、安藤雅信氏の銀彩ピューター皿を購入しました。

9月からの秋季特別展は 「若冲ワンダーランド」 。
新発見、初公開となる 「象と鯨図屏風」 が目玉です。
静岡県から滋賀県への遠路ですが
近いうちにまた訪れることになりそうです。

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京都・洛北の鷹ヶ峰(たかがみね)。
江戸初期、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が
晩年の約30年を過ごした地です。

屋敷跡は、光悦寺(こうえつじ)という日蓮宗のお寺に。

7つの茶室が点在する、緑豊かなここは
伽藍というよりむしろ、うららかな山荘のおもむき。
ちなみに、茶室はすべて近代以降作だそうです。

200907181251000.jpg

茶室のひとつ、大虚庵を囲っているのが
光悦垣(こうえつがき、「光悦寺垣」とも)。

丸く束ねられた親竹は、弓なりに曲げられて
やさしくゆるやかなアールを描いています。
末富さんの 光悦煎餅 を思い出します。

その形が、ふした牛の背のラインに似ているからか
臥牛垣(ねうしがき)ともよばれるそうですよ。

200907181256000.jpg

光悦の墓碑。

境内には、本阿弥一族の墓所もありました。

200907181259000.jpg

紅葉のころには、多くの人でにぎわうこの寺。
訪れた先週末は人影もまばらでしたが
盛夏の緑がみせる微妙な階調も、また魅惑的です。

       *   *   * 

そして、光悦寺から至近の源光庵(げんこうあん)へも。
こちらは曹洞宗のお寺です。

200907181220000.jpg

山門へのアプローチ。

2階部分にふたつの輪をかたどった、唐風の山門は
曹洞宗寺院ならではの質実さです。

200907181222000.jpg

1694(元禄7)年創建の本堂にしつらえられた
庭園をのぞむ丸窓 「悟りの窓」 と、角窓 「迷いの窓」 。

では、と、悟りの境地に近づくべく丸窓を眺め。
そんな自分の心のあざとさが迷いそのものですが …

さて、と、ふり向いて仰ぎ見れば
この本堂には、1600(慶長5)年の関ヶ原合戦時の
なまなましい痕跡が残る 「血天井」 があります。

伏見桃山城にて石田三成の軍勢と戦い、自刃した
徳川家康の忠臣・鳥居元忠ら1800余名。
彼らの血痕が染みついて消えない床板は
ここ源光庵など京都のいくつかの寺に運ばれました。

あえて目に映る場の、頭上に仰ぐ天井板にしたのが
最上級の供養のあらわれと感じます。

合戦から400年以上が経過しているというのに
足形や、手指の跡がはっきりとわかるところもあり。
雅な古都の受難の歴史も、ここに刻まれています。
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宇治の丸久小山園が京都市内に昨年オープンした
二条城近くの 西洞院店 に行ってきました。

200907191207000.jpg

町家を改装した、素敵な空間。

売店の奥には、茶房 「元庵」 を併設しています。
京都に数ある茶房のなかでも、ここはおすすめです。

簡素に整えられた坪庭に面する、静かなスペースで
ゆっくりとお茶をいただくことができます。
表通りに面さず、席数が少なめなのも嬉しい。

200907191149000.jpg

この日は、あたたかい抹茶(お薄)と上生菓子のセットを。
つめたい抹茶を選ぶこともできますよ。

あたたかいお薄のお茶銘は 「雲鶴(うんかく)」 。
きめ細やかな泡の加減で、舌へのあたりもなめらか。
一碗に、スタッフさんの研鑽のほどもうかがえます。

祇園祭の山鉾でしょうか、お茶碗も夏景色。

そして、地元の菓子舗から仕入れられる上生菓子は
いくつかのなかから好みのものをチョイス。
この日は、二条駿河屋さんの葛焼をいただきました。

メニューは、お茶、甘味ともに幅広く
洋菓子党さんには、抹茶を使ったアイスクリームや
ふわっふわのロールケーキなどもあります。

また、濃茶(こいちゃ)もいただくことができ
たしか、お菓子とのセットで1500円だったと思います。
お茶事ではなく、こうした茶房で気軽にいただけるなんて
おそらく京都でも珍しいのではないでしょうか。

       *   *   * 

※ 丸久小山園の商品は弊社にてもお取扱いしております。
  詳しくは お問合せ ください。

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連休を利用して、京都へ。

苔の緑がつややかに美しい、大原 三千院 にて
魅力的な石仏にお会いしてきました。

200907181051000.jpg

にぎわう往生極楽院や、はなやぐ紫陽花苑をぬけ
律川(りつせん)という小川をわたった先に、ひっそりと。

花こう岩でしょうか、柔和な石の肌が
包まれたくなるような温感をかもしています。

無地の光背(こうはい)の輪郭は、左右非対称。
ひとつの自然石から彫りだされたのでしょう。
2メートルを超える高さの石仏ですから
もとの石塊の大きさたるや!

鎌倉中期の作といわれる、この阿弥陀様は
三千院サイトの説明によると
「おそらく欣求浄土(ごんぐじょうど)を願った
この地の念仏行者たちによって作られたもの」
なのだそうです。

       *   *   * 

ところで、ひとつ気になったことが。

いただいたリーフレット掲載の境内図には
「阿弥陀仏」 とか 「大原の石仏」 とかでなく
「売炭翁(ばいたんおう)石仏」 と記されていました。

「売炭翁」 って、いったい誰 … ?
お茶の世界でいったら 売茶翁(ばいさおう) のような
たとえば、かつての炭焼き名人とか … ?

不思議になって伺ってみましたら
現在、この石仏がある一帯には
中世のころ、炭竈(すみがま)があったそうで
炭焼きに従事する職能民が多く暮らしていたとのこと。

だから、 売茶翁のように
特定の人物をさす固有名詞ではないようです。

余談ですが、大原といえば 「大原女(おはらめ)」 。
彼女たちが頭にのせているものといえば
農産物や、薪(たきぎ)というイメージがありますが
かつては、この地で焼かれた炭を頭上に
洛中へと行商に向かったそうですよ。

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