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  • 2016.03.31 Thursday

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毎週、楽しみにしている新聞連載のひとつが
武者小路千家 の千宗屋(せんそうおく)さんによる
朝日新聞 木曜夕刊の 「千宗屋の茶のある暮らし」 。

昨日の話題は
日に数度、自宅のキッチンで点てていただくという
普段の抹茶の話でした。

「それまでの流れをリセットして日常と自分を切り離し、
見つめ直す貴重な時間」 という
千さんにとっての、キッチンでのお茶時間は
わたしたちが煎茶やコーヒーでひと息つく感覚と
そう変わらないのかもしれません。

そんなシーンは、お道具も必要最低限でOKで
「抹茶と茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)、茶こし缶、
80度のお湯」 に、それから 「大事なのが茶碗」 。

とくに、お茶をいただくのに不可欠の茶碗は
「形と寸法さえ適えば十分機能する」 ため
必ずしも茶道具としてつくられたものに限定せず
自分にとってかけがえのない器、であることが重要だと
千さんはつづっています。

高価でなくとも、由緒がなくとも、身近なものでいい。
でも、とりあえずの間に合わせ品ではなく
もっと、自分の心身のひだに寄り添ってくれるもの。

「たとえ茶碗一つでも
 唯一無二のものに一瞬心を砕くだけで、
 キッチンでの喫茶でも束の間、
 非日常の一期一会が成り立つのだ」

締めくくりの、この一文が
茶の湯の世界にさす光明に感じられました。

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お茶のことのは ● 一銭茶屋(いっせんぢゃや)

  江戸時代、茶一服を1銭(1文)で売った茶店。
            ― 大辞泉 増補・新装版(小学館)より ―

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

一銭(= 一文)で販売した、一碗のお茶。
売茶翁(ばいさおう) による 「一服一銭」 が有名です。
 
ただ、「一銭」 ということばは
数字どおり、きっかり代金が一銭の場合に限らず
わずかな金額をたとえるときにも用いられます。
「一銭の価値もない」 なんて言い回しもありますね。

それが冠された 茶屋 は、江戸庶民にとって
たとえば今日のチェーンのコーヒーショップなどよりも
さらに気軽に立ち寄れる場だったのではと推測されます。

ちなみに、江戸時代にはこのほか
「一銭剃り(いっせんぞり)」 なる商売もあったとか。

角川書店の 『新版 古語辞典』 によると
「結髪や月代(さかやき)・ひげなどを剃った床屋」 のことで
やはり代金は一銭だったそうです。

ほかに、「一銭○○」 とうたう商売といえば
私は即座に、関西で人気の 「一銭洋食」 が浮かびます。
お好み焼きの元祖ともいわれますが
この発祥は、日本でのソースの普及時期からすると
さすがに江戸時代まではさかのぼらないでしょうね。

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朝晩は徐々に過ごしやすくなってきましたね。

今日は、弊社駐車場のシンボルツリー(?)である
鉢植えの 有楽椿 の足元を、秋色に植え替えました。

200908261504000.jpg

メインは、この 「初雪かずら」 です。
斑入りの若い葉が、白や淡いピンクに染まり
緑の葉は秋ごろから紅葉してきます。

育てやすい園芸品種で洋の雰囲気も漂わすものの
もともと原産は日本なのだそうですよ。
ネーミングも粋。

組み合わせたのは、萩のような茎の動きが楽しい
モクセイ科の 「ホワイトプリンセス」 と
秋まで桜色の可憐な花を楽しめるという
育てやすいペチュニアの 「さくらさくら」 。

成長と色づきを見守るのも、出社の楽しみになりそうです。
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選挙戦たけなわ。

先日、テレビの情報番組のなかで
公職選挙法に定められている
「飲食物の提供の禁止」 について言及していたのですが
これが、小骨がのどにささったように気になって。

公選法では、選挙運動に際して
一般の有権者への 「飲食物の提供」 が禁止されています。
ところが、これを定めた条文には

「湯茶及びこれに伴い通常用いられる程度の菓子を除く」

という但し書きがついているそうです。

選挙事務所でお茶を出す程度ならば
公選法違反ではない、とのことなのですが …

ひと口にお茶、といってもさまざま。

高級煎茶や玉露でも票の買収にあたらないのか、とか
弊社のお茶 でいえば 「特上」 ランクはNGかな、とか
市販のペットボトル茶はどうなんだろう、とか
素朴な疑問がいろいろわいてきます。

「通常用いられる程度の菓子」 というのも
イマイチよくわからない表現です。
いったい、何をもって 「通常」 としていて
どの範囲までなら許容されるのでしょうね。

その番組のコメンテーターによれば
「ミカン」 「せんべい」 「まんじゅう」 あたりは
構わないということになっている、との話でした。

せんべいやまんじゅうも、ピンキリだよなぁ。
うーん、やはり曖昧です。

では、きっぱりと一切禁止にしないのはなぜなのか?
ほんの一条項のことなのに、興味が尽きません。

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200908240644000.jpg
江口だんご本店(新潟・長岡)製 「赤飯だんご」

新潟県長岡市あたりの赤飯は変わっていて
赤というよりは、うす茶色のごはん。
餅米を醤油と地酒、みりんなどで調味し
せいろで蒸しあげた “醤油おこわ” 風です。

蒸し具合が絶佳なのが、江口だんごさんの赤飯。
ひと粒ひと粒が立っていて、なおかつコシがあります。
味もバツグン、一度いただいたらクセになります。

で、さらに風変わりな郷土の味が
長岡赤飯で、こし餡の白玉だんごを包んでしまった
こちらの 「赤飯だんご」 。

上品な醤油のうまみと、ほのかな塩けが
噛むほどに餡の甘みと溶け合います。
塩大福 がお好きなかたなら、はまること必至です。

なかに包まれている白玉はやんわりとしていて
こし餡も柔らかめでなめらかな仕上げ。
ひと口ほおばると、いろんな食感が混じりあう楽しさも
独特のおいしさを演出する要素と感じます。
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静岡沖地震から10日が経ちました。

驚くことに、来たる東海地震の想定エネルギーは
今回の地震の比ではないといいます。
弊社でもあらためて、防災対策を総点検しております。

       *   *   * 

私もこの日、早朝の大きな揺れに飛び起きました。

ここ藤枝市は、気象庁の発表では震度5弱でしたが
自宅が築十数年のマンションの6階で
最新の免震構造がほどこされている建物でないため
大きな横揺れで、立ち上がることすらできませんでした。

それでも、揺れがおさまり、落ちついて部屋を見回すと
幸い家具の転倒はありませんでした。
家電や、棚の上の大きな花器などもセーフ。
「耐震マット」 や 「ミュージアムジェル」 といった
下に置いて固定するタイプのグッズが非常に有効でしたよ。
ホームセンターで手に入ります。

もうひとつ、胸をなでおろしたのが
食器棚のなかの、日用づかいの器や茶道具も
ひとつも欠けることなく無事だったこと。

器を何枚も重ねて収納するとき
クッションのかわりに器と器のあいだにはさんでいる
和紙や裂地(きれじ)、それに梱包用の 「ミラーマット」 が
すべり止めと緩衝材の役目を果たしてくれたようです。

もともと、上に重ねた器の高台が
下の器を傷つけないようにしていた配慮ですが
これが、散乱と破損を防いでくれました。

見ためは若干、野暮ったいけれども
多少の揺れならば効果があるのではと思います。
いちばん下の器を 「ミュージアムジェル」 等で固定すれば
なお効果的かもしれません。

地震のあとの片付けも、大変ですものね。
簡単な備えなので、ぜひお試しください。

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『牧島如鳩展 − 神と仏の場所 −』
於・三鷹市美術ギャラリー (東京・三鷹)
2009年7月25日(土)〜8月23日(日)

この企画展のポスターやチラシ、インパクト大です。
(もちろん、デザインによるところもあるのでしょうが)

金の縁どりのなかに、どーんと掲げられているのは
「大自在千手観世音菩薩」 なのだけれど
いわゆる普通の観音菩薩とは、どこか違うのです。

仏画なのに、カンヴァスに油彩。
一見、チベットのタンカと見まごうほどあでやかな色彩で
ところが浮き出るように立体的で生々しい。

いや、それ以上にジリジリとした違和感をさそう理由は
たとえば、それぞれの手のなかの持物(じもつ)。
仏が持つべき法輪や錫杖、蓮華などに混じって
あるべきはずでない、キリスト聖堂らしきものやら
聖杯やら、ぶどうやら …

この絵がとにかく気になって、会場に足を運んだところ
キリスト教の要素が混じったような仏画が、ほかにも。

第二次大戦の空襲のさなか
遺体の安置所となったニコライ堂で描かれたという
「誕生釈迦像」 の、凛々しく神々しいこと。

圧巻は、不漁にあえぐ小名浜漁協の依頼で描かれた
大作の 「魚籃(ぎょらん)観音像」 。
この絵をトラックの荷台にのせて、町をお練りするや
豊漁に恵まれた、という後日談まで。
中世の布教活動をほうふつとさせるエピソードです。

不思議なもので、あの展示空間にいるとき
自然林のなかに抱かれているときのように
ざわざわと八百万の神々のうごめきを感じたのは
日本人ならではの心性でしょうか。

   御仏を信ぜば神も一つなり
           耶蘇(やそ)も仏陀も救世主なり

という歌を残した
これら仏画の作者、牧島如鳩(まきしま・にょきゅう)は
実は、ハリストス正教(ロシア正教)の伝教師だとか。

異なる宗教の神仏が、1枚の絵のなかに溶けあった
神仏習合ならぬ、「仏耶(ぶつや)習合」 。
宗教同士の垣根や約束ごとをこえ
圧倒的な包容力で描かれたこれら作品には
人々のただただ切なる願いが染みこんでいるかのよう。

こんな日本人が、明治から昭和を生きていたとは。

私たち現代人が生きる糧としての、祈りのひとつの姿が
ここに提示されているような気がしてなりません。

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ドラマや小説はもとより、漫画でも
実にさまざまな、魅力的な利休像が描かれる昨今。

あまたの茶人や作家を魅了してやまない
利休とはいったい、どのような人物であったのか。
そして、彼が確立した茶の湯とは、どのようなものなのか。

ざっくりと通説に触れてみたいと思うかたに
今月、おすすめの1冊が発売されました。

千利休101の謎

千利休101の謎
 ― 知られざる生い立ちから切腹の真相まで

川口 素生
(PHP文庫)

タイトルどおり、利休にまつわる101の疑問を
ひとつずつ検証する、というスタイルをとった本です。

日本史上でも特筆される

「秀吉はなぜ利休に切腹を命じたのか?」

という謎はもとより、意外と知られていない

「不世出の茶人・利休はいつどこで生まれたのか?」
「利休はどんな風貌だったのか?」
「利休の茶人人生の中で重要な茶会とは?」

等々、参考文献や主要な学説にもとづき
それぞれ2〜3ページで簡潔にまとめられています。

300ページ弱の、コンパクトな文庫本ながらも
利休その人の生涯のみならず
彼をとりまく人物や、茶の湯の歴史にも言及し
しかも見渡しやすい構成で、入門には格好です。

巻末の、「主要参考文献一覧」 がうれしい。
ここに挙げられている40冊あまりは
そのまま、秀逸な “利休本” のガイドでもあります。

       *   *   * 

ただ、ひとつ残念なのが
『〜101の謎』 には図版がわずかであること。

利休ゆかりの茶道具や書状などを
美しいカラーグラビアで存分に眺めたいかたには
あわせて、こちらの本をおすすめします。

千利休―「侘び」の創造者
別冊太陽  日本のこころ 155
千利休 ― 「侘び」 の創造者
(平凡社)

質感をよくとらえた写真の豊富さのみならず
1点1点に誌面をさくスペースも贅沢。

だからこそでしょうか、見れば見るほどに
「やっぱり、ぜひ実物を拝見したい」 とも思わされる
なんとも心にくい1冊なのです。
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夏季休業期間中にご注文いただいた
商品の発送スケジュールは、以下のとおりとなります。

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(※ お届け日は、発送手配の翌日以降となります)

お急ぎのお客様には、大変ご不便をおかけいたしますが
おそれいりますが、もう少々お待ちくださいませ。

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8月12日(水)より、17日(月)まで
弊社では、夏季休業とさせていただきます。

(ただし、明日12日は出荷センターのみ営業いたします)

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ならびに、ご返答などは
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ご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

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