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一昨日の 朝日新聞 夕刊に
びっくりするような見出しの記事を見つけました。
「緑茶好きの女性、少ない肺炎死 東北大調査」
(9月28日付)
がん、心疾患、脳血管疾患に次いで
日本人の死因第4位といわれるのが、肺炎。
なんと、日ごろからお茶をたくさん飲んでいるだけで
そのリスクが低減できるかもしれないのです。
記事によると、東北大公衆衛生学グループの調査で
「ふだん緑茶をよく飲む女性は、
肺炎によって亡くなるリスクが半分ほどにまで下がる」
ということが明らかになったそうですよ。
1994〜2006年の、男女4万人の追跡調査で
緑茶を1日につき 「5杯以上」 飲む女性は
「1杯未満」 の女性と比べ
肺炎で死亡するリスクが47%低かったとのこと。
茶カテキンの抗菌・抗ウイルス作用と
やはり、何らかの関連性があるのでしょうかね?
ちなみに、女性には顕著な数字があらわれたのに
「男性では飲む量とリスクは関係がなかった」 のは
意外な気もしますが。
肺炎で亡くなった 「男性の8割以上は、
肺炎と関連が指摘される喫煙歴があり、
緑茶の効果が及ばなかったのかもしれない」
という解析担当者の見解に、納得しました。
お茶のことのは ●
日本茶山すその小川沿いに群れ咲いていた、彼岸花。
この花の美しさに気づいたのは大人になって。
さるお茶席で、茶花に用いられたのを見たときでした。
そういえば子どものころは
登下校時、あぜ道にびっちりと咲いていたこれの花姿を
まじまじと見たことがなかったように思います。
もちろん “死人花” という別名や
“墓地ではますます赤々と咲く” というたぐいの言い伝えが
幼なごころに不気味だったのですが。
それ以上に、花が咲くころにはすでに葉を落とし
その一心に赤く燃えさかるさまが
感覚的にそら恐ろしかったのかもしれません。
どくだみ 同様、そのネーミングと毒性、まつわる伝承で
茶花として敬遠されるかたも多いようですが
こんなにもお茶席に心地よい緊張感をくれる花は
そうそうないようにも感じます。
しかし彼岸花、「曼珠沙華」 という別名の美しいこと。
『法華経』 にあらわれることばであり
牧野富太郎博士の 『牧野日本植物図鑑』 には
「曼珠沙華の別名は赤花を表す梵語に基づくようである」
と記されていました。
ウィキペディアの 「ヒガンバナ」 の項 には
「“天上の花” という意味も持って」 いる、という記述も。
天上の花 …
現世の生の世界から超越した清浄なイメージと
一方で、世俗的な死のイメージが混在しているところが
見る者に、この花の妖艶さをより深く刻むようにも感じます。
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『特集 狩野派の世界 2009』
於・静岡県立美術館
2009年9月10日(木)〜10月18日(日)
なんといっても、若冲の 《樹花鳥獣図屏風》 や
ロダン作品の充実ぶりで有名な静岡県立美術館。
40余件にのぼる狩野派の良質なコレクションも
一見の価値あり、なのです。
一説には狩野派の祖・正信が伊豆出身ともいわれ
静岡にゆかりがあることからの蒐集だとか。
2003年春に開催された 「狩野派の世界」 展から6年。
今回の特集展はさらにパワーアップし
県立美術館の新収蔵作品のほか
新発見作品も含む17件が初公開されています。
室町期の元信から、桃山〜江戸への展開。
そして明治の芳崖や橋本雅邦にいたるまで。
400年の狩野派の変遷をひととおり俯瞰できます。
なかでも私が、いちばんのお目当てで足を運んだのが
三渓園 の原三渓の旧蔵品という
永徳の稀少な真筆 《松に叭々鳥・柳に白鷺図屏風》 。
さいしょの展示室に踏み入れたとたん
正面から、ざばーんと目に飛びこんできました。
六曲一双の大きな屏風の左右に水墨で
白い鷺と黒い叭々鳥(ははちょう)の群れを描き分けてあり
大胆ながらも、精緻に計算された洗練も感じます。
水墨ですから、有名な 《唐獅子図屏風》 のような
色彩のダイナミズムはもちろんないものの
かえって、闊達な筆の走りがビシビシ伝わってきます。
井上雄彦さんの肉筆画を初めてみたときの衝撃に近い。
和筆の線の力を、久しぶりに浴した気すらしました。
前後期の展示替えも多いなか
この作品は全期間を通して拝見できますよ。
いよいよ涼風、芸術の秋。
大型連休を利用して、遠方のかたもぜひお出かけください。
今年の1月から、珍しいことに行政主導で
緑茶の生活習慣病予防効果の実証を行った掛川市 。
静岡が誇る良質茶産地である、この地にて
さらに大規模な疫学研究 「掛川スタディ」 が始まりました。
下記の新聞記事に詳しく紹介されています。
「緑茶効果、8万人実験」
(9月11日付 朝日新聞 静岡版)
なんと 「掛川市民8万人の協力を得て」
掛川市立総合病院、東北大学、野菜茶業研究所の3者による
3年がかりの大調査です。
弊社の上級茶は掛川市の山間部産ということもあり
この研究には非常に興味があります。
日常的によくお茶を飲む、掛川市民のみなさんの協力で
どんな調査結果がもたらされるでしょうか。
楽しみに待ちましょう。
NPO法人 日本茶インストラクター協会
の主催による