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  • 2016.03.31 Thursday

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本年もご愛飲いただき、誠にありがとうございました。

12月30日(水)より、2010年1月5日(火)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。

休業期間中も、ホームページ やファックスでのご注文
および お問い合わせ は受け付けておりますが
商品発送ならびに、ご質問へのお返事は
1月6日(水)以降の対応とさせていただきます。

お客さまには、大変ご不便をおかけいたしますが 
ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

       *   *   * 

さて。
2010年も皆さまにとってよい一年に、との願いをこめて。

1月中にオンラインショップで、1回のお買い物につき
7,000円(税込、送料は除く)以上お買い上げのお客さまに
オマケの 「福袋」 を同封いたします。

※ 1月31日(日)のご注文受付分までが対象です。
※ 期間中に同じお客さま、あるいは同一のご住所より
   複数回のご注文を頂戴した場合
   恐れ入りますが、同封は初回のみとさせていただきます。


オンラインショップでご注文のお客さまのみが対象の
インターネット限定企画となります。

おはがき・FAX・お電話にてのご注文、および
インターネット非掲載の卸商品、オーダーメード商品等は
恐れ入りますが対象外とさせていただきます。

内容は、弊社アイテムのお茶や雑貨から、計1,500円相当。
この機会に、いつもとは違う味をお試しいただけるよう
ご注文いただいたお品と重複しないようにお詰めいたします。

たくさんのお客さまのご利用を
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。

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『没後50年 何必館コレクション
 生活の中の美 北大路魯山人展』
於・静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ (静岡)
2009年12月11日(金)〜1月11日(月・祝)

200912201313000.jpg

没後50年、魯山人展。

以前、信楽の陶芸の森で拝見した企画展 とは
また企画・展示内容の異なる展覧会です。

こちらの展覧会において特筆すべきは
なんといっても、京都・何必館(かひつかん)
梶川芳友氏の審美眼によって蒐集された
魯山人の最上手が勢ぞろいしていること。

図録によれば、魯山人のつくった作品数は膨大で
生涯に20万点ともいわれるとか。

世にたくさん出回る器のなかでも
緊張感とスピード感にあふれる優品ぞろいの今展。

すぐれた工芸作品の、大規模な展覧会に
残念ながらあまり恵まれない静岡県の中部地方では
大変貴重な機会でもあります。
いままで魯山人の器をじっくりと見たことのないかたに
“初の魯山人展” としておすすめですよ。

ひと抱えもある大鉢の 《つばき鉢》 《雲錦鉢》 は
眺めども飽きず。

わりに薄づくりで均整のとれたプロポーション。
その姿勢のよさに、ことのほか驚かされるのは
これら大作がなんと、軟質な楽焼でつくられたものだから。
楽ならではのやわらかみと、漲るハリに酔い
展示品のなかでもひときわ、触れたい衝動にかられました。

さて、今展のもうひとつの面白さは
一部の器には花を入れ、織部鉢には饅頭を盛るなど
くらしのなかで生きる器としての側面を見せてくれる点。

器にあわせあつらえた
仕覆(しふく)が展示されている品もあります。
器単体としての美術的価値など、やすやすと超え
生活の美について考えさせられるいい一日となりました。
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200912250945000.jpg
ガルガンチュワ(東京・日比谷)製 「シュトレン」

ドイツの焼き菓子、シュトレン。

洋酒に漬けこんだドライフルーツと、マジパンを包む
バターたっぷりのずっしりとした生地。
味は日に日に馴染み、深みを増していきます。

たっぷりの粉砂糖で化粧した、楕円の風変わりな形は
白いおくるみ姿の幼子イエスをかたどったともいわれます。

数日前から、イエス生誕のこの日まで楽しみに
薄くスライスして少しずついただくという慣習も面白いですね。

今年は、帝国ホテルのショップ、ガルガンチュワの
ミニサイズのものを求めてみました。
味と食感のバランス感覚は、さすがです。
バターや、個々のドライフルーツやナッツの味が主張しすぎず
かといって生地の粉っぽさはなく、マジパンもなめらか。

ドイツパン専門店のものなどと比較すると
洗練されすぎの感もありますが
これがしかし、お薄にもなかなか合うのです。

ときに ミサとの類似 が指摘される、茶の湯のお点前。
たまには、こんなお茶菓子で遊ぶのはいかがでしょう。
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お茶にまつわる明治期の史跡、かもしれません。

明治時代の日本茶工場?
 ―― 神戸旧外国人居留地に作業場跡

(12月24日付 日本経済新聞

このところ、明治期の茶の輸出 にまつわる話題を
幾度か掲載いたしましたが、これもまさに同時代。

輸出向けのお茶の葉を
製品として仕上げるための再製工場とみられる跡が
神戸の旧外国人居留地で見つかったというのです。

新聞記事の補足をしますと、こうした再製工場は
当時、“お茶場(おちゃば)” とよばれていました。

茶農家が、生のお茶の葉を収穫直後に一次的に加工した
いわゆる “荒茶(あらちゃ)” というのは
今日皆さまのお手元に届く、仕上げ加工を経た製品に較べ
一般的には形状が不ぞろいで、乾燥もまだまだ不充分。

とくに、船便での長距離輸送を考えると
茶葉の乾燥具合は、劣化をおさえるための重要条件です。

そこで、出荷前に再度、充分に火入れ乾燥する場として
1862(文久2)年の横浜を皮切りに
全国の主要な港のそばに建てられたのが
こうした “お茶場” なのです。

開国当時としては画期的なシステムといえますが
残念なことに、なかには、外国商館主の監督下で
日本人女工が苛酷な労働を強いられた例もあったとか …

ともあれ神戸では、開港の年から茶の輸出が始まり
その7年後には早くも “お茶場” が誕生したといわれます。

今回の、旧外国人居留地で見つかったものも
そうした一例と考えられます。


※ 参考文献
  『[年表] 茶の世界史』 松崎 芳郎 編著 (八坂書房)
  『緑茶の事典 改訂3版』 (柴田書店)

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今朝の 朝日新聞 社会面の 「青鉛筆」 欄に
透明なプラスチックコップに入ったお茶の写真が。

なんだかあまりおいしそうに見えないぞ。
なんだ、なんだ、と思って記事を読んでみましたら

「取り調べ中の容疑者に出せるのは、
 お茶と水、白湯(さゆ)に限られ、
 コーヒーやジュースは認められない」

ことを初めて知り、驚きました。

容疑者に 「コーヒーやジュース」 を出す行為は
自白を得るための利益供与にあたってしまうそうです。

昨今、取り調べ可視化の議論が高まっていますね。

そんななか、岐阜県警は
利益供与にあたらないことを明白にするため
取調室で用いるコップを
白い紙製から透明なプラスチック製に変えて
中の飲みものを、まさに可視化したのだそうです。

朝日新聞のサイトを検索してみましたら
同様の話題が、今月14日付で掲載されていました。

取り調べ可視化、警察も苦心 透明コップ・室内禁煙 …
(12月14日付 朝日新聞)

この岐阜県警の例以外にも
全国で取り調べの適正化にむけた
設備やルールの改変が進められているようですね。

それにしても、コップの可視化はすごい。
ここまで疑義の可能性を排除するとは …

ところで、お茶ならばOK、というと
夏に話題にしました 公選法 の規定を思い出します。

お茶がいかに、気どりのない
日常的な飲みものであると認知されているかが
こうしたひとコマからも読みとれて面白いものです。

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早いもので、今年も残すところあと10日余りとなりました。

さて、12月30日(水)より、2010年1月5日(火)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。
年末年始の出荷スケジュールは、以下のとおりとなります。


<< 顆粒茶 >>

  ● 12月29日(火)正午までのご注文確定分
     → 年内に出荷いたします 

  ● 12月29日(火)正午以降のご注文
     → 2010年1月6日(水)より順次出荷となります


<< リーフ、お詰合せ、茶器・雑貨 >>

  ● 12月28日(月)正午までのご注文確定分
     → 年内に出荷いたします 

  ● 12月28日(月)正午以降のご注文
     → 2010年1月6日(水)より順次出荷となります


年の瀬は、交通状況や天候による
宅配便の配送遅延が懸念されますため
とくに、本年中に商品のお届けをご希望のお客さまには
期日に余裕をもってのご注文をお願い申し上げます。

大変ご不便をおかけしますが
ご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

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庭をつくる人
庭をつくる人
室生 犀星
(ウェッジ文庫)

ウェッジ文庫、気になります。

一時の流行におもねらない良質なラインナップでいて
比較的コンパクトかつ平易な内容のものが多い。
近ごろは、出張や旅行の際には
静岡駅のキヨスクで新刊をチェックしてしまいます。

これも、新幹線のなかでさらっと読みきれた1冊です。
しかも、掘り出しものを見つけた気分。

室生犀星の随筆集、『庭をつくる人』 です。

文豪が折々にのこした随筆などを
後世、時代のニーズに合わせ再編集した例は多かれども
こちらは純粋に、昭和2年に刊行された単行本の
八十余年後の文庫化なのだそうです。

庭、陶器、俳句、花と茶、魚鳥昆虫。
映画、人物評論。
はては、少年時代の文章から、日録にいたるまで。

ゆるりとした文語体で書かれた文章にも
その内容や題材にも、不思議と古さを感じません。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 予が随筆は天下に類の無い文章だとは思はない。
 唯、予の心がけてゐることは
 実に予の文章やその内容の姿は
 昨日や今日の流行の外に住むと云ふことだけである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

という序文に、なるほど、と微笑ましくなり。

犀星は、茶の湯にずっぷりとひたった人ではないけれど
茶の風流や、茶を喫する時間はことのほか愛したようです。
この本には、千利休について記した 「利久」 など
“お茶まわり” の内容も非常に多く、その点でも楽しめます。

なお、昭和2年当時の単行本の装幀は 岸田劉生 で
今回復刊された文庫のカバーなどにも
ぜいたくにも、当時の装画が用いられています。

劉生ファンのかたにもおすすめします。
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200912171356000.jpg
両口屋是清(愛知・名古屋)製 「御題菓 初春の光」

中心の部分は、たっぷりの蜜煮の栗と
小豆の粒餡をとじこめた、ぜいたくな羊羹。
まるで、大和三山のおっとりとした稜線のように
ふっくらやさしいカーブを描きます。

それを、明るくさわやかな黄金色にかがやく
ほろほろの村雨餡(むらさめあん)ではさんだ棹物です。

菓銘に 「御題菓」 と添えられているように
来年の 歌会始(うたかいはじめ) のお題である
「光」 にちなんだ一品だそうです。

例年、年の瀬になると、多くの菓子舗にて
年明けのお題にちなんだ創作菓子がつくられます。

ひと口に 「光」 といっても、さまざま。
歌会始で披露される短歌同様に
どんな 「光」 をイメージして作品世界にあらわしたのか
想像したり、複数のお店のものを較べたりしてみるのも
また一興ですね。
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  ∴  ∴  ∴  ∴ 

∴  ∴  ∴  ∴  ∴ 

  ∴  ∴  ∴  ∴

こんなふうに、地図上に
黒い丸点がみっつ並んだ 「∴」 の記号がたくさんあったら
実際のその一帯には、茶園風景が広がっています。

国土地理院ホームページ の子ども向けページ
「地図記号一覧」 内 「茶畑」 には

「茶畑の記号は、茶を栽培している土地をあらわします。
 茶の実を半分に切った時に見える形を記号にしました。」

とありました。

あえて、茶畑のみを特定して表す記号。

ローマ字の 「v」 に似た 「畑」 全般の記号もあるのに
茶畑限定のものがつくられたのはなぜなのでしょう?

高宇政光さんの
『お茶のソムリエの日本茶教室』 (ちくま文庫)によると ―

土地利用の様子を一目でわかりやすく表すために
地図記号が考案されたのは、明治期。

「当時の日本の輸出を支えていた
生糸とお茶の生産にかかわる」 桑畑 と茶畑に限っては
「特に重要な作物」 として、固有の記号があたえられたとか。

現代も、地図のうえで茶畑が特別扱いされているのは
日本茶が輸出量を伸ばしていた時代 の名残なのですね。

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近ごろは、濃くてコクのあるお茶を好むかたが増え
粉茶 をお求めになる個人のお客さまも多くなりました。

もともと、粉茶が好んで用いられてきたのは
寿司屋の “あがり” ですね。

満腹で飲む、あつあつの濃厚な一杯は格別です。
生魚を食べたあとの緑茶には
口臭予防 や 抗菌効果 も期待できるかもしれません。

さて、この “あがり” ということば。

寿司屋独特の符牒(ふちょう)ですね。
つまり、隠語といいますか、業界内のあいことばです。
有名なことばなので、「あがりをください」 とか言いがちですが
客の側がこのように使うのは、本来はおかしいわけですね。

“あがり” とは、淹れたて、注ぎたてのお茶をあらわす
「上がり花(あがりばな)」 の略語です。

小学館の 『美しい日本語の辞典』 に
「上がり花」 のくわしい語義がありましたので引用します。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
  遊里、料理屋などの用語で、入れたての煎茶のこと。
  また、一般に、茶をいう。
  でばな。あがり。
  芸者・遊女などが客がなくて暇であることをいう
  「茶を引く」 の茶を忌み、
  客が 「あがる」 (登楼する) ようにと
  縁起を祝って言いはじめた語。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

「茶を引く」 は 「茶を挽く」 。

そんな不景気なことばに含まれる 「茶」 という単語をも
遊里では縁起をかついで忌んだとは、面白いものです。

符牒の世界って、なんとも洒落ていますね。

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