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本年もご愛飲いただき、誠にありがとうございました。
12月30日(水)より、2010年1月5日(火)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。
休業期間中も、ホームページ やファックスでのご注文
および お問い合わせ は受け付けておりますが
商品発送ならびに、ご質問へのお返事は
1月6日(水)以降の対応とさせていただきます。
お客さまには、大変ご不便をおかけいたしますが
ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
* * *
さて。
2010年も皆さまにとってよい一年に、との願いをこめて。
1月中にオンラインショップで、1回のお買い物につき
7,000円(税込、送料は除く)以上お買い上げのお客さまに
オマケの 「福袋」 を同封いたします。
※ 1月31日(日)のご注文受付分までが対象です。
※ 期間中に同じお客さま、あるいは同一のご住所より
複数回のご注文を頂戴した場合
恐れ入りますが、同封は初回のみとさせていただきます。
オンラインショップでご注文のお客さまのみが対象の
インターネット限定企画となります。
おはがき・FAX・お電話にてのご注文、および
インターネット非掲載の卸商品、オーダーメード商品等は
恐れ入りますが対象外とさせていただきます。
内容は、弊社アイテムのお茶や雑貨から、計1,500円相当。
この機会に、いつもとは違う味をお試しいただけるよう
ご注文いただいたお品と重複しないようにお詰めいたします。
たくさんのお客さまのご利用を
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。
お茶にまつわる明治期の史跡、かもしれません。
「明治時代の日本茶工場?
―― 神戸旧外国人居留地に作業場跡」
(12月24日付 日本経済新聞)
このところ、明治期の茶の輸出 にまつわる話題を
幾度か掲載いたしましたが、これもまさに同時代。
輸出向けのお茶の葉を
製品として仕上げるための再製工場とみられる跡が
神戸の旧外国人居留地で見つかったというのです。
新聞記事の補足をしますと、こうした再製工場は
当時、“お茶場(おちゃば)” とよばれていました。
茶農家が、生のお茶の葉を収穫直後に一次的に加工した
いわゆる “荒茶(あらちゃ)” というのは
今日皆さまのお手元に届く、仕上げ加工を経た製品に較べ
一般的には形状が不ぞろいで、乾燥もまだまだ不充分。
とくに、船便での長距離輸送を考えると
茶葉の乾燥具合は、劣化をおさえるための重要条件です。
そこで、出荷前に再度、充分に火入れ乾燥する場として
1862(文久2)年の横浜を皮切りに
全国の主要な港のそばに建てられたのが
こうした “お茶場” なのです。
開国当時としては画期的なシステムといえますが
残念なことに、なかには、外国商館主の監督下で
日本人女工が苛酷な労働を強いられた例もあったとか …
ともあれ神戸では、開港の年から茶の輸出が始まり
その7年後には早くも “お茶場” が誕生したといわれます。
今回の、旧外国人居留地で見つかったものも
そうした一例と考えられます。
※ 参考文献
『[年表] 茶の世界史』 松崎 芳郎 編著 (八坂書房)
『緑茶の事典 改訂3版』 (柴田書店)
今朝の 朝日新聞 社会面の 「青鉛筆」 欄に
透明なプラスチックコップに入ったお茶の写真が。
なんだかあまりおいしそうに見えないぞ。
なんだ、なんだ、と思って記事を読んでみましたら
「取り調べ中の容疑者に出せるのは、
お茶と水、白湯(さゆ)に限られ、
コーヒーやジュースは認められない」
ことを初めて知り、驚きました。
容疑者に 「コーヒーやジュース」 を出す行為は
自白を得るための利益供与にあたってしまうそうです。
昨今、取り調べ可視化の議論が高まっていますね。
そんななか、岐阜県警は
利益供与にあたらないことを明白にするため
取調室で用いるコップを
白い紙製から透明なプラスチック製に変えて
中の飲みものを、まさに可視化したのだそうです。
朝日新聞のサイトを検索してみましたら
同様の話題が、今月14日付で掲載されていました。
「取り調べ可視化、警察も苦心 透明コップ・室内禁煙 …」
(12月14日付 朝日新聞)
この岐阜県警の例以外にも
全国で取り調べの適正化にむけた
設備やルールの改変が進められているようですね。
それにしても、コップの可視化はすごい。
ここまで疑義の可能性を排除するとは …
ところで、お茶ならばOK、というと
夏に話題にしました 公選法 の規定を思い出します。
お茶がいかに、気どりのない
日常的な飲みものであると認知されているかが
こうしたひとコマからも読みとれて面白いものです。
早いもので、今年も残すところあと10日余りとなりました。
さて、12月30日(水)より、2010年1月5日(火)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。
年末年始の出荷スケジュールは、以下のとおりとなります。
<< 顆粒茶 >>
● 12月29日(火)正午までのご注文確定分
→ 年内に出荷いたします
● 12月29日(火)正午以降のご注文
→ 2010年1月6日(水)より順次出荷となります
<< リーフ、お詰合せ、茶器・雑貨 >>
● 12月28日(月)正午までのご注文確定分
→ 年内に出荷いたします
● 12月28日(月)正午以降のご注文
→ 2010年1月6日(水)より順次出荷となります
年の瀬は、交通状況や天候による
宅配便の配送遅延が懸念されますため
とくに、本年中に商品のお届けをご希望のお客さまには
期日に余裕をもってのご注文をお願い申し上げます。
大変ご不便をおかけしますが
ご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
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こんなふうに、地図上に
黒い丸点がみっつ並んだ 「∴」 の記号がたくさんあったら
実際のその一帯には、茶園風景が広がっています。
国土地理院ホームページ の子ども向けページ
「地図記号一覧」 内 「茶畑」 には
「茶畑の記号は、茶を栽培している土地をあらわします。
茶の実を半分に切った時に見える形を記号にしました。」
とありました。
あえて、茶畑のみを特定して表す記号。
ローマ字の 「v」 に似た 「畑」 全般の記号もあるのに
茶畑限定のものがつくられたのはなぜなのでしょう?
高宇政光さんの
『お茶のソムリエの日本茶教室』 (ちくま文庫)によると ―
土地利用の様子を一目でわかりやすく表すために
地図記号が考案されたのは、明治期。
「当時の日本の輸出を支えていた
生糸とお茶の生産にかかわる」 桑畑 と茶畑に限っては
「特に重要な作物」 として、固有の記号があたえられたとか。
現代も、地図のうえで茶畑が特別扱いされているのは
日本茶が輸出量を伸ばしていた時代 の名残なのですね。
近ごろは、濃くてコクのあるお茶を好むかたが増え
粉茶 をお求めになる個人のお客さまも多くなりました。
もともと、粉茶が好んで用いられてきたのは
寿司屋の “あがり” ですね。
満腹で飲む、あつあつの濃厚な一杯は格別です。
生魚を食べたあとの緑茶には
口臭予防 や 抗菌効果 も期待できるかもしれません。
さて、この “あがり” ということば。
寿司屋独特の符牒(ふちょう)ですね。
つまり、隠語といいますか、業界内のあいことばです。
有名なことばなので、「あがりをください」 とか言いがちですが
客の側がこのように使うのは、本来はおかしいわけですね。
“あがり” とは、淹れたて、注ぎたてのお茶をあらわす
「上がり花(あがりばな)」 の略語です。
小学館の 『美しい日本語の辞典』 に
「上がり花」 のくわしい語義がありましたので引用します。
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遊里、料理屋などの用語で、入れたての煎茶のこと。
また、一般に、茶をいう。
でばな。あがり。
芸者・遊女などが客がなくて暇であることをいう
「茶を引く」 の茶を忌み、
客が 「あがる」 (登楼する) ようにと
縁起を祝って言いはじめた語。
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「茶を引く」 は 「茶を挽く」 。
そんな不景気なことばに含まれる 「茶」 という単語をも
遊里では縁起をかついで忌んだとは、面白いものです。
符牒の世界って、なんとも洒落ていますね。