トップページ > ブログ「お茶まわり」

 
CALENDAR
SMTWTFS
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28      
<< February 2010 >>
ARCHIVES
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -


倚りかからず
倚りかからず
茨木 のり子
(ちくま文庫)

15万部のベストセラーになったという単行本版は
現在も筑摩書房から出ていますが
装本がまた、簡素で美しいんです。

一方、2007年に発売となったこちらの文庫版も
文庫という制約はどうしてもあるものの
なかなかに魅力のある装丁となっています。
さらに、単行本に未収録の詩3篇が増補されています。

冬季オリンピックに沸く、ちょうど今
サッカーの中田英寿選手を詠んだ1篇 「球を蹴る人」 は
再読してなお胸にせまるものがありますが
お終いに収録された 「行方不明の時間」 という1篇もいい。
以下は、その詩の最初の部分です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 人間には/行方不明の時間が必要です
 /なぜかはわからないけれど
 /そんなふうに囁(ささや)くものがあるのです
 /三十分であれ 一時間であれ
 /ポワンと一人/なにものからも離れて
 /うたたねにしろ/瞑想にしろ/不埒なことをいたすにしろ
 /遠野物語の寒戸の婆のような/ながい不明は困るけれど
 /ふっと自分の存在を掻き消す時間は必要です
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

やわらかく端正なことばでつづられる
エアポケットのような、ひとりの時間の必要性。
ふうっと肩の力をぬき、ひとり一服するお茶の時間なども
そんな 「行方不明の時間」 かもしれませんね。

表題作 「倚(よ)りかからず」 の結びの部分

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて
 /なに不都合のことやある
 /倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

にも通じる世界観と感じます。

照れかくしのように、少々のおかしみを織りこみながらも
この、齢を重ねてなお初々しく清冽で、まっすぐな感性が
ちょっと困ったり、弱ったりしたときの自分を支えてくれる
丈夫な杖のように感じて、頼もしくもあります。

日々、まるで 「アリバイ」 づくりのように
携帯電話で、メールで、つながるのに疲れたかたに
ぜひ手にしてほしい一冊です。
  • - | -


実は私も、思いあたるふしがあるのです。

夜、横になってしばらくすると
とくに膝まわりから下が、じわじわ、ぼわーん、と。
脚の奥のほうから、熱を帯びたような違和感がしてきて
なかなか寝つけないことがあります。

… 「むずむず脚症候群」 というそうですね。
とみに耳にするようになりました。

一見、深刻な症状とは思えない変わった病名ですが
とくに女性や高齢者に多いといわれ
昨今、いろんな媒体で取り上げられています。

私は比較的軽いほうですが
不眠症になるほど悩んでいるかたも少なくないとか。

症状に思いあたるかたには
日本ベーリンガーインゲルハイムが運営する
むずむず脚症候群・お役立ち情報サイト」 がおすすめ。
解説や治療法が非常にわかりやすくまとめられています。

で、そのサイトをはじめ
先週末(22日)の 日本経済新聞 土曜版の記事など
たいていどの媒体でもよびかけている対策というのが

「生活習慣の見直し」

なんです、意外なことに。

なかでも特筆すべきは、鉄分補給。
この病気の一因に 「鉄欠乏」 が考えられるため
日ごろから鉄分豊富な食品をとるように心がけたり
サプリメントで補ったりするのも有効だとか。

鉄の吸収を阻害するといわれる、お茶のタンニンですが
身体に吸収されやすい 「ヘム鉄」 ならば
さほど のみあわせ を気にしなくてもよいといわれるため
茶商の私は 「ヘム鉄」 配合のサプリメントをとっています。

ところが、お茶やコーヒーに含まれるカフェイン。
たばこやアルコール同様に
とりすぎはむずむず症状悪化の要因、とのことなのです。

不眠をともないやすいというこの病気には
カフェインの 覚醒作用 もマイナス材料ですから
お茶やコーヒーがお好きなかたも、なるべく控えめに。

日本茶ならば、比較的カフェインが少ない ほうじ茶
そのほかならば、麦茶などのいわゆる茶外茶を
とくに夕方以降はおすすめします。

ただし、症状がひどい、改善がみられないといった場合は
専門医に相談してみてくださいね。

  • - | -


県外のかたにとって、静岡の農林水産物で思いつくのは
やはり、お茶との回答が多いように感じますが
では、それ以外には何が浮かびますでしょうか?

静岡県が、当の県民を対象に
「全国に誇れるブランド品」 について調査したところ
こんな結果となったそうです。

県民が誇るブランド品 1位に茶 県が意識調査
(2月21日付 中日新聞 静岡版)

「ブランド品にふさわしい県産品」 の
農水産物についての回答(複数回答)では

  1位  茶
  2位  ミカン
  3位  サクラエビ
  4位  ウナギ
  5位  しらす

という結果だったとか。

サクラエビ、しらすともに、とれたての生は最高です。
静岡の地酒と、実によく合うのです。

ほかに静岡ならではの高品質、といえば
生わさび、マスクメロン、キンメダイなども外せません。

鮮度抜群のとれたては、やはり当地で。
普段はお取り寄せもいいですが
たまには静岡へグルメ旅などいかがでしょう。

  • - | -


平成22年2月22日、の昨日は
「2」 のぞろ目がちょっとした話題でしたけれども。

今日、2月23日は 「223」 で 「富士山の日」 。

単純な語呂あわせなんですが、静岡県では昨年
この日を 「富士山の日」 とする条例が制定されました。

来年からは県立学校を休校日とする案まであったりして。
県民にとって、身近にあってあたり前の富士山について
あらためて学び、考える好機かもしれません。

身近にあってあたり前、といえば
静岡県の中東部では、校歌にも富士山が常連のようで
私が通った中高も例外ではなく

  富士よ〜 富士よ〜 富士の〜 峰よ〜
               (静岡市立 城山中学校)

  岳南健児 一千の〜 理想は高し 富士の山〜
               (静岡県立 静岡高等学校)

と、いずれもさっそく歌い出しから富士山が登場。
名産のお茶は、残念ながらともに出てきません …

これも一種の刷りこみ(?!)なのでしょうか
いまだに一言一句たがわず覚えているのは
富士山を見ると、つい口ずさむことがあるからでしょう。

ちなみに、同じ静岡県下でも
当然、西へいくほど富士山の姿をとらえにくくなるため
校歌への登場率も下がるようですね。

弊社がある藤枝市をはじめ、焼津市・島田市などの
静岡市の西隣に位置するいわゆる志太地区では
むしろ 大井川 が歌われることが多いと聞きます。

皆さまの母校の校歌には
どんなご当地自慢が織りこまれていましたか?

  • - | -


『しろばんば時代の器』 展
於・井上靖文学館(静岡・長泉)
2010年1月7日(木)〜3月2日(火)

ドライブデートにおすすめの クレマチスの丘 にある
ちいさな文学館です。

201002201241000.jpg

階段を上って展示室に向かう途中 …

201002201242000.jpg

井上靖像が出迎えてくれます。

もしかしたら、幼少時代を過ごした
天城湯ヶ島(あまぎゆがしま)を向いているのかも??

201002201243001.jpg

本人存命中の1973年に設立したといいますから
個人の文学館としては古いですね。

現在の展示は 『しろばんば時代の器』 を中心に。

しろばんば
しろばんば
井上 靖
(新潮文庫)

作家が湯ヶ島で過ごした幼少期を書いたといわれる
自伝的小説、『しろばんば』 。

この小説に描かれた時代(大正期前半)の器を
約20点、小説の引用とともに紹介するという
ユニークな構成となっています。

少年の成長物語に自分を重ね
いやに感情移入して読んだのは中学生のころでしたが
この機会に、あらためて冷静に再読してみると
食にまつわる描写がけっこう多いんですね。

展示では、“洪ちゃ” と “おぬい婆さん” が
日々の食卓で使っていたような雑器を中心に
お食い初めなどハレの日の器も。

あわせて、作家が愛用していた湯呑や
作家本人がつくった土ものの高杯も見られます。

学芸員さんが用意したキャプションのひとつひとつにも
作家への愛情が感じられ。
展示の量感は小ぶりだし、派手さはないけれど
作品世界にゆったりと浸れるいい空間です。

  • - | -


たらの芽に、ふきのとうに …
グリーンアスパラは、さすがにまだハウスものでしょうか。

近所のファーマーズマーケットに
浮き浮きとする早春の恵みが並ぶようになりました。

フレッシュな萌黄(もえぎ)色に、目がさめる思いがします。
緑は緑でも、すこし黄みがかった感じの淡い緑。

手もとにある 『日本の伝統色』 (ピエ・ブックス) という本の
「萌黄」 についての説明を見てみたら
「春先に草の萌え出る黄みの色」 とありました。
この色名の歴史は古く、平安期から使われているそうです。

また、英語では 「Spring Green」 と表記されていました。
まさに、萌え出づる春になりにけるかも、ですね。

ちなみに、上級な煎茶を淹れたときの 水色 は
一般に萌黄色を呈するといわれているんですよ。
弊社の上煎茶にも 萌黄という茶銘のもの があるんです。

  • - | -


昨日の 日本経済新聞 夕刊掲載の
建築家・ 藤森照信 さんのインタビュー記事に
ちょっと意表をつくことが書かれていました。

自ら設計した家の、生の土で壁を塗った部屋に入り
「無印象の空気のような、野外にでもいるような
不思議な感覚に」 なったという、藤森さん。

究極の建築材料は、もしかしたら 「土」 なのではないか ―

そんな気づきから紡がれた、このことばの面白さ。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
「没入」 という言葉があるが、あれは意識が手を通して土に入っていくことではないか。コンクリートが意識をはね返すのに対し、土には意識を吸収してしまう力がある。自我や美意識が吸収されるのは心地いい。理由はわからないが、そのメカニズムを解明して、建築にも生かしていけないかと考えている。
(2月17日 夕刊文化面)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

土のもつ、吸収する力。
園芸などで、土いじりをするとリフレッシュできる私には
この記事は、すとんと腑に落ちるものがありました。

私が土で草花を育てるのは
花屋さんにはあまり出回らない、茶花向きの野草や花木を
手元に置いておくため、というのもあるけれど。
本当は、グネグネの自我を土に吸いとってもらうのが
潜在意識の第一目的だったのかもしれません。

  • - | -


201002171248000.jpg
播田屋(三重・伊勢)製 「絲印煎餅」

直径4センチ弱の、ちいさくてうすい煎餅。

原材料名の欄には
「小麦粉、砂糖、鶏卵、食塩、膨張剤」 とありますが
一般的な玉子煎餅とくらべ、上品な淡やかさで
さっくりと軽やかな独特の食感も持ち味です。

ひとつひとつ、表面を飾っている雅やかな焼印は
「絲印(いといん)」 の印面を模したもの。
室町期、明国から日本あての生糸の荷に添えられた
銅製の印章なのだそうです。
形や字体のヴァリエーションも楽しくて。

ゆったりとぬるめに淹れて甘みをひき出した
上級の煎茶 と、実によく合います。
  • - | -


ワクワクする発見です。

茶の原種はラオスにあり? 樹齢300年の大樹発見
(2月9日付 中日新聞

記事によると
「茶の原生種に近いとみられる野生の茶の大樹」
が、ラオス北端の山中にて発見されたとのこと。

今日、日本で一般的に市場流通するお茶の品種より
はるかに原種に近いという、お茶の木。
いったい、どんな風味なんでしょう …

この木が見つかったのは
中国の雲南省西南部と国境を接するあたりに位置する
標高1,600メートルの山岳地帯だそうで
「焼き畑農業などで開発された様子がな」 い場所ゆえ
「栽培種の可能性はまずない」 といいます。

現在のところ、茶の樹のルーツ地帯は
「雲南省西南部」 あたりという説が有力。

また、中国・唐代の茶書 『茶経(ちゃきょう)』 には
「茶は南方の嘉木(かぼく)」 という記述があります。
現代の雲南やラオスあたりは、まさに唐からみて南方で。

それらを裏づけるかのような、今回の発見です。

ちなみに、ラオス調査団の団長の松下智氏は
茶樹や国内外の茶産地、茶文化などの歴史を
フィールドワークにて地道に研究されているかた。
私も大いに刺激を受けた 『日本名茶紀行』 や
日本茶の自然誌 ― ヤマチャのルーツを探る
などの著者でもあります。

さらなる解明を期待してしまいます。

  • - | -


今日の静岡はありがたい雨天。

しかし、数日前からなんとなく
目がショボショボ、鼻がムズムズするように …
花粉症にはつらい季節がやってきましたね。

お茶のあまたある品種のなかでも
花粉症対策のエースが、品種茶 「べにふうき」 。

豊富に含まれる “メチル化カテキン” という成分が
アレルギー反応抑制にはたらくといわれています。

弊社では、緑茶製法の 「べにふうき」 を微粉末にした
紅ふうきパウダー」 を製造・販売していることもあり
このブログでも今まで、その特長について
幾度かご紹介させていただきました。

いま、MSN産経ニュース で連載されている
下記の解説記事は明快。 
「べにふうき」 が一体どんなお茶か、興味のあるかたには
ご一読をおすすめします。

【知ってる!?】 べにふうきの力 (1)
(2月1日付)

【知ってる!?】 べにふうきの力 (2)
(2月15日付)

取材協力は 独立行政法人 野菜茶業研究所 ですね。
「べにふうき」 を育成し、また普及に尽力している
これらの記事のニュースソースにふさわしい機関です。

  • - | -

<<new | 1 / 2pages | old>>