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  • 2016.03.31 Thursday

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今日、6月晦日(みそか)の
夏越(なごし) ならではの食べものといえば。

201006301601000.jpg

外郎(ういろう)地の表面に、小豆の粒を散らした
水無月(みなづき)という和菓子です。

直角三角形、和菓子にあまりない形状で。

この形の由来には諸説あるようですが
古来より貴重とされた 「氷」 をかたどった、という説が
もっとも有名です。

氷室(ひむろ)で大切につくられた氷が
庶民の手に届くことのなかった時代に
それをかたどったお菓子を食べて暑気をはらった、と。

暑気ばらいという点は
滋養に富むうえ、邪気をはらうといわれる小豆が
セットになっているところからも納得できますね。

ただ、この水無月、とくに京都であれだけ普及しているのに
実は歴史は浅いようなのです。

古くから、夏越の行事とセットのものと思っていただけに
中山圭子氏の 『和菓子の事典』 (岩波書店) に
「現在のような形となるのは、昭和に入ってからのようで、
京都の和菓子屋の知恵で創られたという」
という記述を見つけ、意外に感じました。

ルーツとも考えられる小麦の蒸し餅などは
中世には、この日に食べる風習があったようですが …

ちなみに、夏越の行事自体は、昨日もご紹介した

  水無月(みなづき)の 夏越の祓する人は
         千歳(ちとせ)の命 延ぶといふなり

という古歌が 『拾遺和歌集』 に収録されていることから
平安中期にはさかのぼれることが明白ですね。

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明日はもう、6月の晦日(みそか)なんですね。

ちょうど1年の半分の、区切りとなる日。
各地の神社などでは
「夏越の祓(なごしのはらい)」 という行事が行われます。

  水無月(みなづき)の 夏越の祓する人は
         千歳(ちとせ)の命 延ぶといふなり

という、祈りのこもった歌を口ずさみながら
茅(ちがや)でつくった大きな輪をくぐったり
あるいは清流に人形(ひとがた)を流したりして
身についた半年のけがれを祓い清める行事ですね。

200907041348000.jpg

昨年撮ったものですが、参考までに。
茶ノ木稲荷 がある市谷亀岡八幡宮の茅の輪(ちのわ)です。

旧暦の6月末日というと、現在の暦の8月初旬あたり。
まだまだ暑いさかりですが
まさに、もう少しで 「夏を越し」 て秋に至るころ。

さらに、「夏越」 は 「難越」 の意味でもあった、と
なにかで読んだことがあります。

たしかに、かつてはエアコンも冷蔵庫もなく
疫病などの 「難」 も起こりやすかったので
健やかにひと夏を乗り切るのは容易ではなかったはずです。
くわえて、台風などの風水難も起こりやすい時期です。

つまりこの行事には、残り少ない夏を無事に過ごして
清涼な秋を迎えたいという願いがこめられていたんですね。

さて、いまの6月末日はというと。

まだまだ 「夏越」 の準備段階といいますか
夏本番はこれから、先が長いこと長いこと。

ただ、梅雨のジメジメでも体調をそこないやすく
また 食中毒 もとくに多いころだと聞きます。
エアコンや冷蔵庫の力を過信しすぎてしまうことなく
自らの快調・不調をかぎとる感覚を錆びつかせずに …

そして、いまのうちから 「夏越」 の体力を養いつつ
この夏も元気に過ごしたいものですね。


※ 参考文献
  「日本の暦 夏越の祓い」 冷泉 貴実子
  (『淡交タイムス 裏千家グラフ』 平成22年6月号所収)

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一個人
一個人
2010年 8月号
特集 「「茶の湯」 入門」
(KKベストセラーズ)

お茶や、茶の湯を特集する雑誌や書籍が
ここ2〜3年、ずいぶんと増えてきたように感じます。
それ自体はとっても喜ばしいことなのですが
ただ残念なことに、特集記事の切り口や構成が
どこかで見たようなものも少なくなく。

先日発売された、こちらの 『一個人』 はいい。
真摯な編集姿勢を感じました。

たとえば、「茶の湯と茶人の歴史をたどる」 の章。
信頼性の高い史料にもとづくクールな論考により
織田信長や古田織部といった
誤解されたイメージがつきまとう武将たちの
実像がかなり見えてくるのが面白かったです。

さらに同章では、この手の雑誌記事で割愛されがちな
しかし今日の茶の湯に連なる大茶人として外せない
千宗旦(そうたん)や井伊直弼について
それぞれ見開きで紹介されているのもいいですね。

ほかにも、読みごたえのある章が盛りだくさんです。
利休の生涯と、彼が手がけたデザインの特質。
お茶会に招かれた際の作法や、お道具のみかたの基本。
江戸期の武家茶道の広がりについて…

なんといっても、各章の監修の人選が的確なのです。
内容が硬派で濃密なのもうなずけます。

特集名に 「入門」 とかかげてあるものの
茶の湯を学んでいるかたにも充分楽しめる内容では。
これで定価680円、かなり良心的です。
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夏の人気商品、冷水専用 「こなゆき」
さらにおいしく、増量リニューアル発売です!

この商品、もともと弊社の オリジナル顆粒茶 のなかでも
上煎茶本来のおいしさに特にこだわった品なのですが
さらに濃厚な風味と美しい水色をお愉しみいただけるよう
品質をあらためて見直しいたしました。

また、「空きペットボトルを利用してつくる」 という
ご愛用者さまが多いことを踏まえまして
ちょうど500ccの冷水で溶かした際に
最良の味と濃さでお召し上がりいただけるように
スティック1本あたりの内容量を0.5グラム増量し
2グラムといたしました。

そこで。

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本日より7月15日(木)までの間に
インターネットの オンラインショップ にて
2,500円(税込、送料・手数料除く)以上お買上げのお客さまに

冷水専用 「こなゆき」 スティック7本入
(通販価格 350円 (税込))

をプレゼントさせていただきます。

※ インターネット限定企画となります。
   おはがき・FAX・お電話にてのご注文、および
   インターネット非掲載の卸商品、オーダーメイド品等は
   恐れ入りますが対象外とさせていただきます。

※ 「こなゆき」 をご購入のお客さまには
   他商品のサンプルを同封させていただきます。

※ 期間中に同じお客さま、あるいは同一のご住所より
   複数回のご注文を頂戴した場合
   恐れ入りますが同封は初回のみとさせていただきます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

丸玉製茶の自信作、どうぞこの機会にお試しくださいませ。

たくさんのお客さまのご利用を
スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。

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ワイヤープランツ。

201006231509000.jpg

別名、乙女の髪ともいわれるそうです。

細く長くのびる茎と、小さく丸い葉が
やわらかで、繊細で、はかなげで。

切花にしてもいいですね。
私はまだ茶花として用いたことはありませんが
小さな小さな花びんに入れて
カフェテーブルに置いたりすると、なごみます。

鉢植えで育てるのも、難しくありません。

見た目のイメージとは異なって強健なようで
気候などの条件が合うと、わさわさ茂りますし
寄せ植えにすると、ほかの植物をおびやかすほどに
根がぐんぐん張ってきます。

実は貪欲に成長する、乙女の髪です。

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日本における、古くからの茶産地のひとつ
佐賀県の嬉野(うれしの)市に
それはそれは大きな、お茶の古樹があります。

高さはせいぜい4〜5メートルほどで
中国やラオスの大茶樹(だいちゃじゅ) ほどではないものの
横へと枝を大きく張った、悠々とした姿をしています。

大正期にすでに国の天然記念物に指定されている
樹齢300年とも400年とも伝えられる名木。
ただ、詳しい調査は今までされてこなかったそうです。

asahi.com の、今日の佐賀県版の記事に、朗報。
いよいよ、本格的な学術調査がおこなわれるとか。

嬉野 「大茶樹」 初の本格調査
(6月22日付)

この大茶樹のあるあたりは、「嬉野茶の祖」 といわれる
佐賀藩の吉村新兵衛(よしむら しんべえ)という人物が
江戸初期に茶園をひらいた場所だそうです。

もしかしたら、そのときの茶園のなかの1本が
枯死せず、今に残っているのかもしれないですね。

平戸が近く、中国との交易品が入手しやすい地ですから
そのころに植えられたものとすると
中国から送られてきた種をまいた可能性もあります。

いや、それ以前、すでに室町時代には
この地で釜炒り茶づくりが始まっていたという伝承も
地元にはあると聞きますので
大茶樹がどんな品種か、樹齢は何年かを特定できれば
嬉野の茶業史のルーツを解明する一助にもなるでしょう。

続報を期待しています。

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所用で東信州へ出かけたおり
東御(とうみ)市の、雷電(らいでん)くるみの里 という
道の駅に立ち寄りました。

駅名についている 「雷電」 は、もちろん
江戸相撲で活躍したご当地出身の無双力士
雷電為右衛門(らいでん ためえもん)から。

201006190900000.jpg

堂々たる銅像。

雷電のことを紹介するコーナーも施設内にあって
なかなか面白かったです。

江戸相撲では、雷電のような人気力士は
大名の庇護を受けていたのが一般的で
雷電もやはり、出雲の松江藩に抱えられていたとか。

なんと当時の松江藩主は、第七代・松平治郷(はるさと)。
大名茶人として高名な不昧(ふまい)公ですね。
相撲もたいそう好んでいたそうですよ。

ところで。

雷電とセットでこちらの駅名にもなっている
ご当地の特産品、くるみ。

併設の食事処で、くるみおはぎをいただきました。
これが絶品で!

201006190915000.jpg

ひとつ130円。
持ち帰り用に箱詰めしてもらうこともできます。

おもちは、もち米とうるち米をあわせてあるので
ふんわりとしていて、わりと軽めの食感です。
粒感がすこし残る半づき。

まわりには、くだいたくるみに
砂糖と塩をあわせたものをまぶしてあります。

塩はかくし味というほどの控えめさではなく
砂糖の甘さも抑えてあるため
食味がさっぱりとしています。

くるみおはぎ2つに味噌汁などがセットになった
「おはぎ定食」 なる驚愕のメニューまでありましたが
確かにこの感じならば、お茶うけばかりでなく
食事がわりにもよさそうです。

地元のお母さんたちが毎日手づくりしているそうで
ちょうど立ち寄ったのが早い時間だったこともあり
ほんのりと温かかったのにも感激しました。

これを目当てに、また足をはこんでしまいそうです。

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一昨日の記事 の、念のための補足です。

日本茶をいただく際のマナーについて

「一般的なマナーでも、お茶碗を片手にのせたら
もう一方の手はお茶碗の側面に添えるのがよいとされます。」

と書きました。

たしかにお茶碗は、両手であつかうのが美しくみえます。
紅茶やコーヒーのカップ&ソーサーのように
お茶碗を持ったもう一方の手で
茶托(ちゃたく)を持ち上げることはしないのが一般的です。

ただ、煎茶道の場合は別で
カップ&ソーサーのあつかいかたに近い作法の流派も
すべてではありませんが、あるんですね。

目の前、畳の上に置かれたお茶碗を
茶托ごと畳から持ち上げて左の掌(てのひら)にのせて
右手だけでお茶碗を持つ、という具合に。

では、万が一
その流派がどんな作法か知らない煎茶席に招かれたら …

この記事 をご参考にしてみてくださいね。
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201006171351000.jpg
ネパリ・バザーロ(神奈川・横浜)製 「オレンジクッキー」

ザクザクッとした、満足感のある歯ごたえ。

ふんだんに入ったオレンジピールの風味が
噛めば噛むほどに広がって
ちょっとしたほろ苦みがまた、あとをひくんです。

フェアトレード団体のネパリ・バザーロさんが
福祉作業所と共同開発したというオレンジクッキーは
リッチな味わいなのに、材料がわずか4種。

南部地粉、無塩バター、洗双糖(せんそうとう)に
ネパール産の自然農法のオレンジピールだけ。
意外や、卵は使っていません。

エルトベーレの魚沼米のクッキー なんかもそうですが
クッキーに欠かせないはずの卵をあえて使わずに
吟味した材料でリッチな味わいに仕上げたクッキーは
日本茶との相性もよいですね。

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緑茶をいただくとき
汲出茶碗や湯呑みは両手で持つと美しいですね。

一般的なマナーでも、お茶碗を片手にのせたら
もう一方の手はお茶碗の側面に添えるのがよいとされます。
抹茶碗もしかり です。

器への慈しみからくる所作、日本人的と感じます。

くわえて、たとえ汲出茶碗が磁器の薄手のものであっても
両手で持てるということは
中身がそれほど熱くない、ということでもあります。

日本茶、とくに上等な煎茶や玉露などは
ぬるめに冷ましたお湯を使うと
苦渋みを抑え、うまみや甘みを多く引き出せますね。

ところが、紅茶のカップ&ソーサーの場合。

ティーカップの持ち手を右手で持ったとき
左手もカップに添えるのはマナー違反なのだとか。

いわれてみれば、それも道理ですね。

発酵(厳密には酸化ですが)の度合いが高い紅茶は
高温で抽出するのがおいしいと、一般にはいわれます。

熱湯で淹れた紅茶を、熱々のうちに出してもらったら
薄手につくられたものが大半のティーカップの側面に
じかに左手を添えるのは大変!
理にかなったマナーだといえます。

『心に響く大人の新常識』 (オレンジページムック)
という本を見たら

「右手で持ち上げたカップに左手を添えると、
 「このお茶はぬるい」 という意味になり、
 出してくれた人に失礼になるのでやめましょう」

との説明がありました。

なるほど、それもその通り …

日本茶と紅茶、おなじ種類の植物の葉が原料なのに
いただく際のマナーはかなり異なるんですね。
皆さまもご注意ください。

両手でカップを包みこむときの、ほっ、とする感じは
おうちや、気軽な雰囲気のカフェでの
マグカップ限定の楽しみにとどめておきましょう。

もし、カップ&ソーサーで
取っ手がちょっと持ちづらいデザインだったりして
片手だけで持つのが心もとなく感じる場合には
左手でソーサーを持って添えてみてはいかがでしょうか。

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