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明日はもう、6月の晦日(みそか)なんですね。
ちょうど1年の半分の、区切りとなる日。
各地の神社などでは
「夏越の祓(なごしのはらい)」 という行事が行われます。
水無月(みなづき)の 夏越の祓する人は
千歳(ちとせ)の命 延ぶといふなり
という、祈りのこもった歌を口ずさみながら
茅(ちがや)でつくった大きな輪をくぐったり
あるいは清流に人形(ひとがた)を流したりして
身についた半年のけがれを祓い清める行事ですね。
昨年撮ったものですが、参考までに。
茶ノ木稲荷 がある市谷亀岡八幡宮の茅の輪(ちのわ)です。
旧暦の6月末日というと、現在の暦の8月初旬あたり。
まだまだ暑いさかりですが
まさに、もう少しで 「夏を越し」 て秋に至るころ。
さらに、「夏越」 は 「難越」 の意味でもあった、と
なにかで読んだことがあります。
たしかに、かつてはエアコンも冷蔵庫もなく
疫病などの 「難」 も起こりやすかったので
健やかにひと夏を乗り切るのは容易ではなかったはずです。
くわえて、台風などの風水難も起こりやすい時期です。
つまりこの行事には、残り少ない夏を無事に過ごして
清涼な秋を迎えたいという願いがこめられていたんですね。
さて、いまの6月末日はというと。
まだまだ 「夏越」 の準備段階といいますか
夏本番はこれから、先が長いこと長いこと。
ただ、梅雨のジメジメでも体調をそこないやすく
また 食中毒 もとくに多いころだと聞きます。
エアコンや冷蔵庫の力を過信しすぎてしまうことなく
自らの快調・不調をかぎとる感覚を錆びつかせずに …
そして、いまのうちから 「夏越」 の体力を養いつつ
この夏も元気に過ごしたいものですね。
※ 参考文献
「日本の暦 夏越の祓い」 冷泉 貴実子
(『淡交タイムス 裏千家グラフ』 平成22年6月号所収)
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日本における、古くからの茶産地のひとつ
佐賀県の嬉野(うれしの)市に
それはそれは大きな、お茶の古樹があります。
高さはせいぜい4〜5メートルほどで
中国やラオスの大茶樹(だいちゃじゅ) ほどではないものの
横へと枝を大きく張った、悠々とした姿をしています。
大正期にすでに国の天然記念物に指定されている
樹齢300年とも400年とも伝えられる名木。
ただ、詳しい調査は今までされてこなかったそうです。
asahi.com の、今日の佐賀県版の記事に、朗報。
いよいよ、本格的な学術調査がおこなわれるとか。
「嬉野 「大茶樹」 初の本格調査」
(6月22日付)
この大茶樹のあるあたりは、「嬉野茶の祖」 といわれる
佐賀藩の吉村新兵衛(よしむら しんべえ)という人物が
江戸初期に茶園をひらいた場所だそうです。
もしかしたら、そのときの茶園のなかの1本が
枯死せず、今に残っているのかもしれないですね。
平戸が近く、中国との交易品が入手しやすい地ですから
そのころに植えられたものとすると
中国から送られてきた種をまいた可能性もあります。
いや、それ以前、すでに室町時代には
この地で釜炒り茶づくりが始まっていたという伝承も
地元にはあると聞きますので
大茶樹がどんな品種か、樹齢は何年かを特定できれば
嬉野の茶業史のルーツを解明する一助にもなるでしょう。
続報を期待しています。
所用で東信州へ出かけたおり
東御(とうみ)市の、雷電(らいでん)くるみの里 という
道の駅に立ち寄りました。
駅名についている 「雷電」 は、もちろん
江戸相撲で活躍したご当地出身の無双力士
雷電為右衛門(らいでん ためえもん)から。
堂々たる銅像。
雷電のことを紹介するコーナーも施設内にあって
なかなか面白かったです。
江戸相撲では、雷電のような人気力士は
大名の庇護を受けていたのが一般的で
雷電もやはり、出雲の松江藩に抱えられていたとか。
なんと当時の松江藩主は、第七代・松平治郷(はるさと)。
大名茶人として高名な不昧(ふまい)公ですね。
相撲もたいそう好んでいたそうですよ。
ところで。
雷電とセットでこちらの駅名にもなっている
ご当地の特産品、くるみ。
併設の食事処で、くるみおはぎをいただきました。
これが絶品で!
ひとつ130円。
持ち帰り用に箱詰めしてもらうこともできます。
おもちは、もち米とうるち米をあわせてあるので
ふんわりとしていて、わりと軽めの食感です。
粒感がすこし残る半づき。
まわりには、くだいたくるみに
砂糖と塩をあわせたものをまぶしてあります。
塩はかくし味というほどの控えめさではなく
砂糖の甘さも抑えてあるため
食味がさっぱりとしています。
くるみおはぎ2つに味噌汁などがセットになった
「おはぎ定食」 なる驚愕のメニューまでありましたが
確かにこの感じならば、お茶うけばかりでなく
食事がわりにもよさそうです。
地元のお母さんたちが毎日手づくりしているそうで
ちょうど立ち寄ったのが早い時間だったこともあり
ほんのりと温かかったのにも感激しました。
これを目当てに、また足をはこんでしまいそうです。
ネパリ・バザーロ(神奈川・横浜)製 「オレンジクッキー」
ザクザクッとした、満足感のある歯ごたえ。
ふんだんに入ったオレンジピールの風味が
噛めば噛むほどに広がって
ちょっとしたほろ苦みがまた、あとをひくんです。
フェアトレード団体のネパリ・バザーロさんが
福祉作業所と共同開発したというオレンジクッキーは
リッチな味わいなのに、材料がわずか4種。
南部地粉、無塩バター、洗双糖(せんそうとう)に
ネパール産の自然農法のオレンジピールだけ。
意外や、卵は使っていません。
エルトベーレの魚沼米のクッキー なんかもそうですが
クッキーに欠かせないはずの卵をあえて使わずに
吟味した材料でリッチな味わいに仕上げたクッキーは
日本茶との相性もよいですね。
緑茶をいただくとき
汲出茶碗や湯呑みは両手で持つと美しいですね。
一般的なマナーでも、お茶碗を片手にのせたら
もう一方の手はお茶碗の側面に添えるのがよいとされます。
抹茶碗もしかり です。
器への慈しみからくる所作、日本人的と感じます。
くわえて、たとえ汲出茶碗が磁器の薄手のものであっても
両手で持てるということは
中身がそれほど熱くない、ということでもあります。
日本茶、とくに上等な煎茶や玉露などは
ぬるめに冷ましたお湯を使うと
苦渋みを抑え、うまみや甘みを多く引き出せますね。
ところが、紅茶のカップ&ソーサーの場合。
ティーカップの持ち手を右手で持ったとき
左手もカップに添えるのはマナー違反なのだとか。
いわれてみれば、それも道理ですね。
発酵(厳密には酸化ですが)の度合いが高い紅茶は
高温で抽出するのがおいしいと、一般にはいわれます。
熱湯で淹れた紅茶を、熱々のうちに出してもらったら
薄手につくられたものが大半のティーカップの側面に
じかに左手を添えるのは大変!
理にかなったマナーだといえます。
『心に響く大人の新常識』 (オレンジページムック)
という本を見たら
「右手で持ち上げたカップに左手を添えると、
「このお茶はぬるい」 という意味になり、
出してくれた人に失礼になるのでやめましょう」
との説明がありました。
なるほど、それもその通り …
日本茶と紅茶、おなじ種類の植物の葉が原料なのに
いただく際のマナーはかなり異なるんですね。
皆さまもご注意ください。
両手でカップを包みこむときの、ほっ、とする感じは
おうちや、気軽な雰囲気のカフェでの
マグカップ限定の楽しみにとどめておきましょう。
もし、カップ&ソーサーで
取っ手がちょっと持ちづらいデザインだったりして
片手だけで持つのが心もとなく感じる場合には
左手でソーサーを持って添えてみてはいかがでしょうか。