トップページ > ブログ「お茶まわり」

 
CALENDAR
SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< January 2011 >>
ARCHIVES
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -


一昨日でしたか。
朝日新聞に入っていた不思議な広告に釘付けになりました。

日本愛妻家協会 という協会があるのですね。
「愛(1)妻(31)」 とかけて、今日1月31日が 「愛妻の日」 なのだとか。

そこで今日、「地球を思って夫婦でハ(8)グ(9)」 しよう、という
ハグタイムプロジェクト」 という試みがあるそうです。
今夜の8時9分から10秒間。



愛妻家の皆さま、愛妻家志望の皆さま、ぜひ参加してみませんか?

そしてハグのあとには、丸玉製茶的には
お茶を淹れてゆったりと会話されることをおすすめしたいと思います。
それも、ぜひホットで。

手を温めると人にやさしく できるともいわれます。
ハグも、お茶も、温かさの共有、という点で共通しているかと …

あ、ただし就寝時間が近いかたは 寝つきが悪くならないように
なるべくカフェインの少ない飲みものを選んでくださいね。

  • - | -


正座と日本人
正座と日本人
丁 宗鐡
(講談社)

現代のお茶には、正坐(せいざ)がつきものです。

胡坐(あぐら)などとくらべ、ぱっと立ったり動いたりできる機動性のよさや
狭い茶室空間につめて坐ることができる(横幅をとらない)点など
たしかに正坐には理にかなうことが多々あります。

ただ、「膝をいためてしまった」 との残念な声を今まで何度聞いたことか。
これを理由に修練してきたお茶から遠ざかるかたもいらっしゃいます。
残念なことです。

茶の湯の普及が正坐を広めた、という説も時に聞かれますものの
少なくとも、茶の湯を大成したといわれる千利休のころは
客のみならず、お茶を点てる側の亭主も
基本的にはほとんど胡坐のような格好をしていました。
正坐の歴史は、私たちが想像するよりずっと新しい のです。

では、膝をいためるかもしれないというリスクのある正坐を
日本人はなぜ、いつごろからするようになったのでしょうか。
また、いろいろな坐りかたがあるなかで
正坐が正式のスタイルのようになっているのは、どうしてなのでしょう。

医師として多くの膝痛患者とかかわってきた、歴史好きでもある著者が
そんな疑問に軽やかに答えてくれる本です。
正坐の 「エクササイズ」 としての効用など、よい面にも言及しています。
正坐の歴史を学術的に丹念にひもといたもの、というより
医師の視点から正坐に向き合った随筆として読むのがおすすめです。

日本人の坐りかたの変遷を、着付の変化や住まいかたの変化
なかでも 「畳」 や 「座布団」 の普及との関連で述べるくだりは
目からうろこが落ちる思いで読み進めました。

茶の湯の空間には、畳はあるけれど座布団はないんですよね …
膝をいためる人が少なくないはずです。

正坐のこと、茶の湯のありようをあらためて考えるよい一冊となりました。

なお、松岡正剛氏の 「千夜千冊」 でもこの本が紹介されていますよ。
 → 「松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇 第千三百二十九夜」
  • - | -


昨日、ブリの産地偽装をニュースで知り
どの業界にもこうした問題はあるのだなあと残念に感じました。

緑茶の産地表示につきましても、以前の記事 で触れたとおり
業界内で自主基準が設けられています。

念のため、静岡茶についての要点をおさらいいたしますと …

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ● 静岡県内産の茶葉を100%使用しているものは 「静岡茶」 。

 ● 県産茶葉が半分以上(50%以上100%未満)含まれるものは
   「静岡茶ブレンド」 あるいは 「静岡茶(ブレンド)」 。

 ● 外国産の茶葉がブレンドされたものは
   静岡茶主体であっても産地銘柄を表記することができない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

… と、以上のようにカッチリとしたルールがあるのです。

静岡県の企業のものでも、あるいは県内の工場から出荷されていても
ほんの数パーセントでも県外産のお茶がブレンドされていれば
きっぱりと 「静岡茶」 のみで言い切れなくなるんですね。

ただし、ここに挙げたのはあくまで静岡茶についての基準で
ご参考までに、京都の 「宇治茶」 については
京都・三重・奈良・滋賀いずれかの府県でつくられた原料茶葉を
京都府内で仕上げたものならば、そう表記できるということ。

実際、三重は京都よりもはるかに茶生産量が多い(倍以上)のです。
やはり宇治茶ブランド強し、といったところでしょうか …

話を戻しまして、表示についてもうひとつ。

小売容器(袋や缶)入りの商品の、背面などに書かれている
JAS法や食品衛生法にもとづく義務表示についてですが。

201101271244000.jpg

茶葉(リーフ)は 「国産」 か 「外国産」 かの表示が義務となっています。
さらに細かく、都道府県や市町村まで表記する製造者もあります。

弊社の場合は、たとえば上記のような感じです。
「静岡県産」 とあるのは、静岡県産茶葉100%の意です。

この部分の表記については全国共通ですから
茶小売店やスーパーの店頭でお茶をお求めになる場合は
ポスターやPOPに書かれている売りコトバばかりでなく
商品パッケージ自体の表示を必ず確認されるとよいかと思います。

むろん前提として、すべての業界関係者が
こうしたルールをきちんと守った表示をしていることを切に願います。

  • - | -


201101260949000.jpg
両口屋是清(愛知・名古屋)製 「二人幸」

バレンタインデーが近づいてきました。

和菓子にもバレンタインを意識した華やかな季節限定品が少なくなく
名古屋の両口屋是清さんにも、こんなかわいらしいハート型が。

「二人幸」 と書いて 「しあわせ」 と読むそうです。

こちらの銘菓 「二人静」 と風味も色合いも同じく
和三盆糖が主体の、ごくシンプルな紅白の打ち菓子。

コクとうまみに彩られた、和三盆の上品な甘さは
煎茶抹茶 と好相性なのはもちろんのこと、コーヒーにも合います。

おいしいコーヒー豆を買って淹れるときには
ぜひ、こうした和三盆のお干菓子をひと粒添えてみてください。
互いの風味、とくに内奥のうまみをぐっと引き立てあう好相性かと。

両口屋さん、静岡県内では松坂屋静岡店と遠鉄百貨店にあります。
  • - | -


『家康と慶喜 ― 徳川家と静岡展』
於 ・ 静岡市美術館 (静岡)
2010年12月11日(土)〜2011年1月30日(日)

201101251301000.jpg

昨年末にご紹介した 『家康と慶喜』 展 も、残り1週間をきりました。

いよいよ、いわゆる “天下の三肩衝(かたつき)” のひとつ
《肩衝茶入 銘 初花(はつはな)》 が来静しています。

信長、秀吉、家康の三武将のもとを渡り
本能寺の変での焼失もまぬがれたという、濃ゆい来歴でありながら
そんな荒々しい下界の動きは露知らず、という風なのです。

なんといおうか、薄柿色の肌にテラテラとした感じがなく、きめが細やか。
はつらつと張った胴の感じといい、ほんの少しだけ傾げた首といい
うら若き、うぶな乙女のたたずまいを思わせます。
よくぞ義政公名づけられた、と膝を打ちたくなります。

この 《初花》 は、徳川関連の企画展等で幾度か拝見したことがあるものの
こちらではディテールがつぶさに拝見できたのが嬉しかったです。
展示の質、とくに照明のたまものかと。

先週末もけっこう混んでいましたから、今週末はますますの人出でしょう。
平日のほうがゆったりと拝見できそうです。

       *   *   * 

余談となりますが、こちらのエントランスホールにあるカフェスペースは
展覧会を観なくても利用できて、待ち合わせなどにおすすめです。

201101231132000.jpg

メニューはドリンク数種のみで、そのうちブレンドティーは2種。
ともに静岡ならではの日本茶ベースです。

先日いただいたのは緑茶とレモングラスのブレンド。
写真のお茶の色が妙に濃く出てしまいましたが …
香りよく、後味がさっぱりとして、おいしかったです。

焼桐のトレーは多分、岩本清商店さんの 「ちょこっとトレー」 ですね。
これ便利なんです、弊社でも来客用にツヤなしのタイプを揃えています。

小菓子の敷き紙にしているのは、なんとツバメノートのメモの紙でした。
こうした素敵なアイデアに出会えるのも美術館のカフェの愉しみですね。

  • - | -


こう寒いと、朝、布団から出るのがおっくうになりますね。

スキッと目ざめるための要点を
一昨日から、朝日新聞 朝刊 「あなたの安心」 コーナーで
「すっきり早起き」 と題して小連載しています。

とくに、昨日(1月23日付)の第2回の内容では
弊社でもお客さまからのご質問が多い 「カフェイン」 への言及があり
正しい情報が周知される一助として、ありがたく感じました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 玉露やコーヒーに多く含まれるカフェインにも覚醒作用がある。
 年齢や体格によって異なるが、分解には1〜5時間かかる。
 眠る数時間前からはとらないようにしたい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

そうなんです、カフェインは意外と長く体内に残るのです。

コーヒーや抹茶、紅茶、それから熱湯でたっぷり淹れた煎茶は
抽出液1杯あたりのカフェイン含有量が比較的多いため
眠りの質を気にするかたは、夕方以降は控えめになさってくださいね。

カフェインにはご存じのように利尿作用もありますから
その点でも、就寝前にとるのはなるべく控えることをおすすめします。
熟睡のさまたげにならぬよう …

夜に温かいものが飲みたくなったなら
カフェインが含まれないハーブティや葛湯などはいかがでしょう。
日本茶のなかでは、カフェイン少なめの ほうじ茶 をおすすめします。

どうしても煎茶が飲みたいなら、なるべく ぬるめのお湯 を用いてください。
湯温が高いと、カフェインは短い時間でサーッと溶け出す性質があります。
温度を下げることで、ある程度は抽出量を抑えられますよ。


※ 今までの記事のうち、カフェイン関連の内容について書いたものを
  いくつか以下にピックアップしておきました。
  興味がおありのかたは、そちらもぜひご参考に。

  ● 「カフェイン、何時まで安心?」
  ● 「カフェイン目覚まし、うまく使う」
  ● 「抹茶とコーヒー、カフェインが多いのは?」
  ● 「カフェインの短所と長所」

  • - | -


街道茶屋百年ばなし 熊の茶屋
街道茶屋百年ばなし 熊の茶屋
岩崎 京子
(石風社)

東海道の川崎宿と神奈川宿にはさまれた間(あい)の村・鶴見は
「江戸を出てからちょうど五里」 、このあたりで一服、という場所柄か
いくつもの腰掛け茶屋が軒を連ねていたといいます。

掛け茶屋、ともいわれたりする腰掛け茶屋。
旅人などに 茶菓 や軽食を供する 茶屋 の一種であるものの
道端に腰掛けを置いて、よしずをぐるりと張りまわす程度の
わりあいに簡易的なものが多かったようです。

そんな鶴見の界隈を舞台に、それぞれの茶屋にかかわる人をはじめ
近在の庶民の生活風景を清々しく描いた11の短篇集です。

表題作の 「熊の茶屋」 は
店先でクマに芸をさせて、客を寄せていたという茶屋の話。

見世物師に虐げられていたクマをかわいそうに感じた動物好きの店主が
引き取ってくるところから、物話が始まるのですが
世話のさまや、芸を仕込もうとする段のやりとりの軽妙さなど、実にいい。
本のオビの 「落語のような」 という形容、読めばよくわかります。

物語自体はフィクションですが、古資料をもとにつづられており
この近辺には実際に 「熊茶屋」 があったのだそうです。
山里から距離のある鶴見あたりでは、熊が比較的珍しかったようですね。

文化文政期の界隈の様子や人々の暮らしぶりの描写も具体的で
各々の茶屋が、商売のためにそれぞれ特色を打ち出している様子など
お決まりのパターンの茶屋が、せいぜい1〜2店しか出てこない
通り一遍の時代小説よりもリアル。
旅人になって街道を歩いているかのような気分にさせられます。

この本、映像化されたら面白いと思います。
  • - | -


わが百味真髄
わが百味真髄
檀 一雄
(中公文庫BIBLIO)

お茶したくなる、というよりはむしろ
読むほどに一献かたむけたくなる読みものなのですけれども。

こちらの本に、「入れ茶ガユ」 と 「揚げ茶ガユ」 という
ふたつのタイプの 茶粥 が紹介されています。

「入れ茶ガユ」 のほうは、文字どおり
お茶を煮たなかに、すでに炊いてあるご飯を入れて食べるもの。
朝食だったら、昨日の残りご飯を利用してサッとつくれるタイプです。

一方の 「揚げ茶ガユ」 というものが初耳でした。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 大和の揚げ茶ガユといって、白米をザッと一洗いし、
 これを煎茶の煎じ出したものに水を加えながら、煮る。
 米のシンが取れた頃合いを見はからって、
 すかさず、桶の上にのせたザルの中に全部をあける。
 シンの取れた米はザルに残り、
 茶の湯は桶にたまることになるわけだろう。
 そこで、茶碗の中にそれぞれに、今しがた煮えたメシを入れ、
 茶の湯をもう一度しっかりとたぎらせて、
 メシの上にたっぷりかけて喰べるのだが、
 ふつうの茶ガユのようにべたつかず、
 軽やかで、サラサラと、喉元に流れ込むのである。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

生米から煮るけれども、途中でいったんお米をあげることで
粒感のしっかりと残った状態で食べられるというもの。
著者によれば、佐賀の茶粥もこの流儀なのだとか。

終始煮込まないから、仕上がりのお米の食感はもちろん
茶液の舌触りのとろみ度合いなども、ずいぶん変わりそうです。

ぜひ、余った茶葉などで茶粥をつくる際のご参考に …
  • - | -


201101181236000.jpg
ホテルニューグランド(神奈川・横浜)製 「ホームメイドクッキー」

ホテルメイドのクッキーには、おいしいものが多かったように思います。

多かった、というのは
近ごろは外部の製菓会社などで製造・加工してもらったものを
自社ブランドとして販売しているホテルが増えたと感じるから。
工場で1枚ずつ個包装されたものは、もちろん便利ではあるけれど
なにかやはり、味気ないといいますか …

ぎっしり、コロコロと缶に詰まっている様子も、またよいのです。
ふたと本体を密閉するための透明のテープをくるくるっと取りさり
ふたを開けた瞬間の、うわー、という気持ちのたかぶりもごちそうです。

そんなホテルメイドの缶入りクッキーを販売している
私が知る数少ない一館が、横浜のホテルニューグランドさんです。
港町の海と空を思わせる濃青に、金字でホテル名のみのシンプルな缶。

缶には2サイズあって、こちらは小さいほう(1,700円)です。
シナモン味とチーズ味の、ふたつのかわいらしいハート形をはじめ
味も姿も異なる、ぜんぶで10種入り。

歴史あるホテルが昔ながらのレシピで手づくりしているものの多くは
材料がシンプルで、かつ、かりかりと若干かための食感ですね。
奈良ホテルさんの丸缶入りのクッキーや
以前ご紹介させていただいた 自由学園さんのもの にも相通じます。

こうしたタイプのクッキーは、バターが強すぎない傾向にあるからか
コーヒーや紅茶のほか、ほうじ茶 ともよく合います。
  • - | -


お茶のことのは ● 茶梅(ちゃばい)

  [植] サザンカの漢名。
            ― 広辞苑 第六版(岩波書店)より ―

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

静岡では、早咲きの梅が開き始めました。

先日、ある本のなかに 「茶梅」 という名をみつけ
梅の一品種かな、と早とちりしてしまったのですけれども
読み進めてみると実は、中国名でサザンカのことでした。
「茶梅花」 ともいわれるようです。

お茶の木と同属ということもあり、その名に 「茶」 が入るサザンカ。

名の由来の諸説については 以前のブログ記事 で書きましたが
この花を 「山茶花」 という表記であらわすのは日本固有です。

しかも、湯浅浩史氏の 『花おりおり』 によれば
日本でサザンカという名で呼ばれるようになったのも元禄以後のことで
江戸以前には 「材が硬いカタシ(ツバキ)より小型なので
ヒメカタシやコカタシと呼ばれ」 ていたのだといいます。

実に異名の多い、サザンカの花です。

余談ですが、同じ字で 「ちゃうめ」 と読むものは
台湾の喫茶店や、日本の中国茶専門店で出されるお茶うけの一種。
蜜漬けの梅なのですが、中国茶葉を一緒に漬けこんでいるのだとか。
日本の梅の甘露煮に味わいが似ていて、おいしいのです。

  • - | -

<<new | 1 / 2pages | old>>