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  • 2016.03.31 Thursday

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大変お待たせいたしました。

一昨日の 「極上新茶 蓬莱(ほうらい)」 に続きまして
本日より、通販限定・数量限定の 特選新茶 第2弾
「極上新茶 常磐(ときわ)」 のお届けを開始いたします。

若芽独特の瑞々しい風味、青々とした香りはもちろんのこと
今年の 「常磐」 の持ち味は、例年以上の 水色 の美しさ。
青みがかった、清冽な印象の萌葱色なのです。
ぜひ、白磁のうつわに淹れてみてください。

「常磐」 のみ、あるいは 「常磐」 と 「蓬莱」 をあわせて
昨日までにご予約いただいているお客さまへは 
ご予約順に、本日と明日ですべての発送手続きを行います。
(ギフトの贈り先さまへも同様です)

ただし、お支払い方法で 「前払」 をご選択のお客さまへは
ご入金確認後の発送となります。

また、ご自宅用に
「玉響(たまゆら)」 「千歳(ちとせ)」 等とあわせご予約の場合
とくにご指定がない限り
全商品がそろい次第の一括お届けとさせていただきます。
もうしばらくお待ちくださいませ。

なお、上記 「常磐」 は、袋入りは若干の在庫がございますが
缶入りのタイプは予約完売となっております。
あしからずご了承ください。

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大変お待たせいたしました。

今年は春をすぎてから朝晩に冷えこむ日が多く
お茶の萌え出しもゆっくり、ゆっくりだったものの
ようやく柔和な “みる芽” の摘みとりがはじまりました。

例年にくらべ、スタートが4〜5日ほど遅れてしまいましたが
今年も無事、こだわりの商品をお届けできる運びとなりました。

生育がゆっくりだったためか、かえってよくうまみがのって
手前味噌ですが、いい仕上がりとなり
スタッフ一同安堵いたしております。

お茶とはつくづく、風土が育むものですね。
掛川のお茶に誇りを持っております。
原子力発電所の事故が他人事でない 、ここ静岡県中部にて
山と土と水、陽、朝霧の恵みにあらためて感謝しながら
仕上げの製茶をいたしました。
ひとつひとつ心をこめてお詰めし、お届けいたします。

       *   *   *  

さて、前置きが長くなってしまい申しわけございません。

本日まずは、通信販売限定、数量限定の 特選新茶 のなかで
いちばんの上級品かつ、初物でもある
「極上新茶 蓬莱(ほうらい)」 の発送を開始いたします。

すでにこの商品のみご予約をいただいているお客さまへは 
本日中にすべての発送手続きを行いますので
近県でしたら明日29日にはお届けできます。
(ギフトの贈り先さまへも同様です)

ただし、お支払い方法で 「前払」 をご選択のお客さまへは
ご入金確認後の発送となります。

また、ご自宅用に、他の銘柄の新茶とあわせてご予約の場合
すべての商品がそろい次第、一括でお届けいたします。
もうしばらくお待ちくださいませ。

なお、上記 「蓬莱」 は、缶入りがすでにご予約完売でございます。
袋入りのタイプは若干の在庫がございます。
あしからずご了承ください。

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201104271151000.jpg
宝泉堂(京都)製 「賀茂葵」

京都の初夏の風物詩、賀茂祭(葵祭)にちなんだ
ハート型の、葵の意匠がかわいらしい。

丹波大納言小豆を炊いて、寒天と砂糖で寄せかためた
ごくシンプルな半生菓子です。
かっちり硬くかためた感じではなく、歯ざわりは温厚で
口のなかでほろっとほどけて広がる小豆の芳醇さに驚きます。

幅6センチくらい、わりとたっぷりとした大きさがあるので
やはり お薄 との相性が最上かと。

また、砂糖の甘みが強すぎないので煎茶にも合います。
新茶 に添えれば、初夏のかぐわしい青嵐をはこぶ組み合わせに。

201104271147001.jpg

箱のかけ紙のデザインも個袋とお揃い、簡素で美しく
この季節でしたら、茶の湯を好むかたへの手みやげにも
きっと喜ばれることと思います。

下鴨の本店のほか
JR京都駅の新幹線構内(改札内)にも売店と喫茶があって
そちらでも求めることができますよ。
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「極上新茶 蓬莱(ほうらい)」 の缶入りタイプ、および
「極上新茶 常磐(ときわ)」 の缶入りタイプが
ともに予定数に達しましたので
該当商品のご予約受付を終了させていただきます。

早々のご予約、誠にありがとうございました。

なお、上記2銘柄の袋入りタイプにつきましては
まだ若干の残数がございます。
ご購入予定のお客さまは、お早めにどうぞ。

このところ続いた朝晩の冷えこみで
山のお茶も例年より1週間程度のんびりとした芽吹きですが
そのぶんうまみがのって、さらに先日の降雨のタイミングもよく
いい感じの仕上がりとできそうです、ご期待くださいませ。

限定商品の新茶につきまして、くわしくは
2011年 特選新茶 商品一覧 をご覧ください。
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特別展 浅川巧生誕百二十年記念
『浅川伯教・巧兄弟の心と眼 ― 朝鮮時代の美 ―』
於 ・ 大阪市立東洋陶磁美術館 (大阪)
2011年4月9日(土)〜7月24日(日)
※ このあと 千葉市美術館 、山梨県立美術館
  栃木県立美術館 に巡回します。

201104231316000.jpg

昨夏の京都・高麗美術館の企画展示をきっかけに
このブログでも何度か話題にした
浅川伯教(のりたか)・巧(たくみ)兄弟を紹介する大規模な巡回展が
大阪の東洋陶磁美術館を皮切りにスタートしました。


<< 浅川兄弟について、くわしくは過去の関連記事を >>
 ◆ 2010/08/02 「もっと知られてほしい、浅川兄弟」
 ◆ 2010/08/09 「浅川兄弟の出身地に」
 ◆ 2010/09/03 「白磁の人、浅川巧」

201104251400001.jpg

今でこそ、李朝(りちょう;李氏朝鮮王朝時代)のうつわ
とくにぽってりとした白磁や木工品は
骨董や茶を好む者にとって垂涎(すいぜん)の的ですけれど。

日本の植民地統治時代であった百年の昔
古くさく粗野な雑器として見向きがされていなかったそれらの
「自然の呼吸をさへ聞く事が出来る」 「夢みる様」 な
あたたかな人肌の美しさを見出したのが、この兄弟でした。
それも、かの地に根をおろし、風土のなかで。

李朝の工芸というと、今日、民藝(みんげい)運動や
柳宗悦を中心とした文脈で語られることが非常に多いので

  白磁は、ふたりを忘れない。

という愛あるキャッチコピーにも、つい、涙腺がゆるみました。

ふたりがその心眼で選び抜いたもののなかには
現在、ここ東洋陶磁美術館の中核をなす 安宅コレクション
柳の手を経て東京の日本民藝館におさめられた名品も多く
今回、それらに資料等も含めた約200点が一堂に会しています。

李朝の魅力、そしてこの兄弟のありようの美しさは
初めてその世界に触れるかたでも、予備知識をあえて入れずに
展覧会場でまっさらな状態で出会うのが素敵かと思います。

ただあえて “お茶まわり” 的注目をひとつ挙げておくならば
茶人としての兄・伯教。

彼が見出した、しかも自らの手元において愛用した茶碗がみせる
決して饒舌ではないけれどもどこか惹きこまれるたたずまいには
とくに礼儀作法以上の茶の湯を学ぶかたにとっては
一見の価値があろうかと思います。

《新両国》 という銘の、鶏龍山の粉青(ふんせい)刷毛目碗や
《長興庫》 という銘の、白磁の筒茶碗など、素晴らしい。
伯教の眼のもつ温度感が、ひしひしと伝わってきます。

たっぷりと貫禄があるものよりも、ほどよく締まりがあって。
ぱっと観た第一印象は飾りけがなく素朴ながらも
どこか理知的な香りの、すこし軽みのあるものを好んだようにも。

現在、兄弟について書かれた入手しやすい書籍には
早世した巧の生きざまをおもに紹介するものが多いのですが。
伯教のもの静かで清潔なたたずまいと、研究者としての緻密さは
遺愛のうつわたちからも十二分に感じとれるように思います。
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姫金雀枝(あるいは姫金雀児)、と書いて、ヒメエニシダ。
素敵な当て字です。

201104221403000.jpg

穂状にたわわに、黄金の小花をつけ始めました。
地中海沿岸原産の園芸種で、鉢植えがよく流通しています。

アイビーなどの小さな葉ものとともに、小瓶に入れると
さりげないながらもどこか瀟洒な雰囲気。

野の花を数種とり合わせての、和のアレンジにも映えます。
花香がわりと甘くはっきりとしているので
とくに小間のお茶事で茶花としたい場合には注意が必要です。

名にヒメがつくからには、エニシダもあります。
ヒメエニシダをそれと勘違いされているかたが少なくないのですが
エニシダのほうが株そのものも花も大きめ、野生的。
Wikipediaの 「エニシダ属」 のページ に写真が載っています)
こちらは茶花に時おり用いられます。

このヒメエニシダのみならず、たんぽぽ に山吹、かたばみ …
春の盛りとともに黄色の花々が咲き誇っていますけれども。

ここ数日、それらを目にするたびに
先ごろツイッター上などで話題となった、精神科医・中井久夫氏による
『災害がほんとうに襲った時 ―阪神淡路大震災50日間の記録』
(みすず書房) の、この一節を思い出します。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 加賀乙彦氏は一ボランティアとして大学精神科に来られた。
 氏は私の要請に応えて
 多量の花を背負い子(しょいこ)にかついでやってこられた。
 黄色を主体とするチューリップなどの花々は
 19箇所の一般科ナース・ステーション前に漏れなくくばられ、
 患者にもナースにも好評であった。
 暖房のない病棟を物理的にあたためることは
 誰にもできない相談である。
 花は心理的にあたためる工夫の一つであった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(※ 現在、全文の電子データが こちら で無償公開されています)

黄色の花だからなおのことだったのだろう、と
いまこのヒメエニシダを前にして実感しています。

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そういえば先週末、こんなところでも
かろやかに萌え出した “みる芽” たちと出会いました。

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意外や意外、静岡県立美術館 のプロムナードなのです。
佐藤忠良作の、その名も 《みどり》 を囲むように
茶どころ静岡ならでは、かわいらしい茶畑が。

さて、その “みる芽” というのは
伸びはじめたばかりの柔和な新芽をさす静岡のことばです。

やわらかい、幼い、未成熟な、といった意味あいの
「みるい」 という方言からきています。

この語感には
柔和で瑞々しい、というプラスイメージばかりでなく
青二才、といった感じのマイナスイメージもあるのですけれど。
(たとえば誰かに 「みるいね」 と言われたら、カチンとくるわけです)

しかし、お茶の若芽は本当に薄く繊細で傷つきやすくて
私たち茶業関係者にとっては気をもませる存在で
昨年の遅霜被害など、場合によっては手のやける存在でもあり
そんな性格もふくめ、“みる芽” とは言い得ているな、と感じます。

さて、掛川や静岡の茶市場は来週の25日(月)がいよいよ初取引。
春先に冷えこむ日が多かったため、芽吹きがややのんびりで
茶市場も例年より数日遅れてのスタートとなっています。

弊社の “山のお茶” も、今月末には発送が開始できそうです。
お楽しみにお待ちくださいませ。

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金精軒(山梨県北杜市)製 「大吟醸粕てら」

封をあけたとたん、大吟醸酒の酒粕の香りが広がって。

信玄餅で有名な金精軒さん、ほかのお茶うけもハズレなしで
とくにこちらの 「大吟醸粕てら」 は白州土産におすすめ。

お向かいの 七賢 山梨銘醸 さんをはじめ
地元3蔵元の地酒の粕を使い、カステラに仕上げた創作菓です。
今日は、谷櫻酒造 さんの 「谷桜」 使用のものをいただきました。
 
断面が、ご覧のように白いのは
卵白のメレンゲを生地とあわせて焼いているからだとか。
卵黄を用いないので日本酒独特の芳香をそこなうことなく
濃厚なうまみを引き出しつつも、全体が上品にまとまっています。

ふくふく、しっとり、きめの細かな食感は
カステラと銘打っていながらも、その域を軽く超えている印象。

とにかく、とてもやわらかいので
内包装の薄紙をはがす際には、呼吸をしずめ、ゆっくり、ゆっくり。
お菓子の表面をなるべく傷つけないようにする緊張感がありますが
至極ていねいに扱いたくなるお味なのです。
すこし冷やしてからのほうが、はがしやすくなるようです。

煎茶 はもちろん、香ばしい 玄米茶 とも引きたてあう相性かと。
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『ハンス・コパー展  ― 20世紀陶芸の革新』
於 ・ 静岡市美術館 (静岡)
2011年4月9日(土)〜6月26日(日)

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図録の、静謐な空気がただようかのようなデザインと
しっくりとくる手ざわりがとても気に入りました。

20世紀イギリスを代表する陶芸家のひとり、ハンス・コパー。

イギリスを代表する、とはいえ、彼はドイツ生まれ。
父親がユダヤ系であったため、19歳でイギリスに亡命し
のちに職を求めてルーシー・リーの工房を訪れたのが
陶芸の道を進むきっかけとなったそうです。

そういえば、そのルーシーもウィーン生まれで
やはりナチスの迫害を逃れてイギリスに渡ったのでしたね。

先だっての ルーシーの回顧展 と時を同じくして
コパーの、単独としては日本ではじめてという回顧展も巡回中。
6会場の最後、待ちに待った静岡展が始まりました。

いや、しかし美しい。

展示前半、1950年代のうつわは意外と質実な雰囲気で
ポットや花生の数々など
どんな花を入れようか夢想しながら拝見するのもまた愉しく
(いずれも、花を入れた姿がぱっと浮かぶのです)
それだけですでに、おなかいっぱいの気分だったのですけれど。

展示中盤〜、1960年代後半以降の作品群。
なんてシンプルなのだろう、と。

一見したところの形状の
新奇さや特異さが語られがちなコパー作品ですけれども
むしろ私は、純、ということばが浮かびました。
木や花や、そこここに存在している何ものかのように近しくも感じられ。

ルーシーに見出されたという轆轤(ろくろ)の巧みさはもとより
表面を引っかいたり磨いたりの、細かな作業の手あとすらも
仕上がったうつわからは感じず。
生掛けの、土と釉薬が一体化したかのような美感も手伝って
焼くという工程を経ながらも、土に還元されたかのような。
だから、どこか親しくはあるけれども俗ではない。

なまぐさい肉感が一切ただよわない、削ぎ落とされた造形に
うぶな念持仏か神像でも拝んでいるような心持ちになります。
案外、床の間が似合うのではないかな、という印象も。

拝見したのが週末で、そこそこ人出はあったのですが
皆、思い思いに、寡黙なうつわたちと向きあい対話している感じ。
不思議と静かで清々とした雰囲気が心地よくもありました。
そんな空気感自体も今展の醍醐味かもしれません。

また会期中に訪れたいと思っています。

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今朝は、被災地域のお花見のニュースに、ほろっと。

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弊社のあたりでは、ソメイヨシノはもう随分と花びらが散り
早い木ではもう、桜蘂(しべ)も降りはじめていますが。

けれど、切り株や、幹の枝を剪定したあとのゴツい節から
ちょこんと萌え出てくる蘖(ひこばえ)には
根元のあたりなど、日当たりがあまりよくないからでしょうか
まだつぼみもついていたりして。

並木道などごく身近にあるソメイヨシノの、幹の蘖を愛でるのも
遠景の山桜にはない楽しみかと思います。

       *   *   *  

さて、ソメイヨシノと山桜、といえば。

茶の湯の基本心得 「利休七則(りきゅうしちそく)」 のなかに

  「花は野にあるように」

という、茶を学ぶ者にとっては非常に有名な文句があります。

茶室にしつらえる茶花(ちゃばな)を入れる際には
その花が野に咲いている状態(の、本質ですね)をうつしとるように。
… という主旨の教えだというのが、今日一般的な解釈。

ところが、芸術学者の布施英利さんによれば
「千利休の意図はまったく反対のものだ」 と言った人がいるとか。

体の中の美術館―EYE、BRAIN、and BODY
体の中の美術館 ― EYE、BRAIN、and BODY
布施 英利
(筑摩書房)

こちらの本によれば、その人は作庭家の 重森三玲(みれい) 。

「花は野にあるように」 の 「花」 は、咲く花の総称ではなく
古来の表現ではとくに桜をさすものであり
さらに利休の時代に桜といえば 「山桜」 であった、と。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 山桜という花は、山の斜面の森などに咲いている。
 つまり山桜は、「野」 に咲いてはない。
 タンポポやレンゲの花のようには、野原に咲いてはいない。
 しかし利休は 「花は野にあるように」 と言った。
 野には咲かない花を、野に咲かせる。
 これはフィクションを作れ、ということだ。
 そのとき美が生まれる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

たしかに、現代人にとり、とくに東日本で身近なソメイヨシノは
せいぜい江戸末期の東京生まれ。
ほかにも、今日 「野」 にあると感じられる園芸種の桜には
桜という花の長い歴史からいえば若者の部類が多いわけで。

この解釈、皆さまはどう思われますか?
私は、茶花を入れるかたちが、すとん、と決まらないときほど
この三玲の考えかたを思い出すのです。



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 ◆ 2008/03/24 「ソメイヨシノが開花しました」
 ◆ 2008/07/24 「待庵、利休が秘めたマジック」
 ◆ 2010/02/02 「左近の梅」
 ◆ 2010/03/29 「お歯黒、つけヒゲ、吉野の花見」
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