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大変お待たせいたしました。
一昨日の 「極上新茶 蓬莱(ほうらい)」 に続きまして
本日より、通販限定・数量限定の 特選新茶 第2弾
「極上新茶 常磐(ときわ)」 のお届けを開始いたします。
若芽独特の瑞々しい風味、青々とした香りはもちろんのこと
今年の 「常磐」 の持ち味は、例年以上の 水色 の美しさ。
青みがかった、清冽な印象の萌葱色なのです。
ぜひ、白磁のうつわに淹れてみてください。
「常磐」 のみ、あるいは 「常磐」 と 「蓬莱」 をあわせて
昨日までにご予約いただいているお客さまへは
ご予約順に、本日と明日ですべての発送手続きを行います。
(ギフトの贈り先さまへも同様です)
ただし、お支払い方法で 「前払」 をご選択のお客さまへは
ご入金確認後の発送となります。
また、ご自宅用に
「玉響(たまゆら)」 「千歳(ちとせ)」 等とあわせご予約の場合
とくにご指定がない限り
全商品がそろい次第の一括お届けとさせていただきます。
もうしばらくお待ちくださいませ。
なお、上記 「常磐」 は、袋入りは若干の在庫がございますが
缶入りのタイプは予約完売となっております。
あしからずご了承ください。
大変お待たせいたしました。
今年は春をすぎてから朝晩に冷えこむ日が多く
お茶の萌え出しもゆっくり、ゆっくりだったものの
ようやく柔和な “みる芽” の摘みとりがはじまりました。
例年にくらべ、スタートが4〜5日ほど遅れてしまいましたが
今年も無事、こだわりの商品をお届けできる運びとなりました。
生育がゆっくりだったためか、かえってよくうまみがのって
手前味噌ですが、いい仕上がりとなり
スタッフ一同安堵いたしております。
お茶とはつくづく、風土が育むものですね。
掛川のお茶に誇りを持っております。
原子力発電所の事故が他人事でない 、ここ静岡県中部にて
山と土と水、陽、朝霧の恵みにあらためて感謝しながら
仕上げの製茶をいたしました。
ひとつひとつ心をこめてお詰めし、お届けいたします。
* * *
さて、前置きが長くなってしまい申しわけございません。
本日まずは、通信販売限定、数量限定の 特選新茶 のなかで
いちばんの上級品かつ、初物でもある
「極上新茶 蓬莱(ほうらい)」 の発送を開始いたします。
すでにこの商品のみご予約をいただいているお客さまへは
本日中にすべての発送手続きを行いますので
近県でしたら明日29日にはお届けできます。
(ギフトの贈り先さまへも同様です)
ただし、お支払い方法で 「前払」 をご選択のお客さまへは
ご入金確認後の発送となります。
また、ご自宅用に、他の銘柄の新茶とあわせてご予約の場合
すべての商品がそろい次第、一括でお届けいたします。
もうしばらくお待ちくださいませ。
なお、上記 「蓬莱」 は、缶入りがすでにご予約完売でございます。
袋入りのタイプは若干の在庫がございます。
あしからずご了承ください。
姫金雀枝(あるいは姫金雀児)、と書いて、ヒメエニシダ。
素敵な当て字です。
穂状にたわわに、黄金の小花をつけ始めました。
地中海沿岸原産の園芸種で、鉢植えがよく流通しています。
アイビーなどの小さな葉ものとともに、小瓶に入れると
さりげないながらもどこか瀟洒な雰囲気。
野の花を数種とり合わせての、和のアレンジにも映えます。
花香がわりと甘くはっきりとしているので
とくに小間のお茶事で茶花としたい場合には注意が必要です。
名にヒメがつくからには、エニシダもあります。
ヒメエニシダをそれと勘違いされているかたが少なくないのですが
エニシダのほうが株そのものも花も大きめ、野生的。
(Wikipediaの 「エニシダ属」 のページ に写真が載っています)
こちらは茶花に時おり用いられます。
このヒメエニシダのみならず、たんぽぽ に山吹、かたばみ …
春の盛りとともに黄色の花々が咲き誇っていますけれども。
ここ数日、それらを目にするたびに
先ごろツイッター上などで話題となった、精神科医・中井久夫氏による
『災害がほんとうに襲った時 ―阪神淡路大震災50日間の記録』
(みすず書房) の、この一節を思い出します。
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加賀乙彦氏は一ボランティアとして大学精神科に来られた。
氏は私の要請に応えて
多量の花を背負い子(しょいこ)にかついでやってこられた。
黄色を主体とするチューリップなどの花々は
19箇所の一般科ナース・ステーション前に漏れなくくばられ、
患者にもナースにも好評であった。
暖房のない病棟を物理的にあたためることは
誰にもできない相談である。
花は心理的にあたためる工夫の一つであった。
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(※ 現在、全文の電子データが こちら で無償公開されています)
黄色の花だからなおのことだったのだろう、と
いまこのヒメエニシダを前にして実感しています。
そういえば先週末、こんなところでも
かろやかに萌え出した “みる芽” たちと出会いました。
意外や意外、静岡県立美術館 のプロムナードなのです。
佐藤忠良作の、その名も 《みどり》 を囲むように
茶どころ静岡ならでは、かわいらしい茶畑が。
さて、その “みる芽” というのは
伸びはじめたばかりの柔和な新芽をさす静岡のことばです。
やわらかい、幼い、未成熟な、といった意味あいの
「みるい」 という方言からきています。
この語感には
柔和で瑞々しい、というプラスイメージばかりでなく
青二才、といった感じのマイナスイメージもあるのですけれど。
(たとえば誰かに 「みるいね」 と言われたら、カチンとくるわけです)
しかし、お茶の若芽は本当に薄く繊細で傷つきやすくて
私たち茶業関係者にとっては気をもませる存在で
昨年の遅霜被害など、場合によっては手のやける存在でもあり
そんな性格もふくめ、“みる芽” とは言い得ているな、と感じます。
さて、掛川や静岡の茶市場は来週の25日(月)がいよいよ初取引。
春先に冷えこむ日が多かったため、芽吹きがややのんびりで
茶市場も例年より数日遅れてのスタートとなっています。
弊社の “山のお茶” も、今月末には発送が開始できそうです。
お楽しみにお待ちくださいませ。
『ハンス・コパー展 ― 20世紀陶芸の革新』
於 ・ 静岡市美術館 (静岡)
2011年4月9日(土)〜6月26日(日)
図録の、静謐な空気がただようかのようなデザインと
しっくりとくる手ざわりがとても気に入りました。
20世紀イギリスを代表する陶芸家のひとり、ハンス・コパー。
イギリスを代表する、とはいえ、彼はドイツ生まれ。
父親がユダヤ系であったため、19歳でイギリスに亡命し
のちに職を求めてルーシー・リーの工房を訪れたのが
陶芸の道を進むきっかけとなったそうです。
そういえば、そのルーシーもウィーン生まれで
やはりナチスの迫害を逃れてイギリスに渡ったのでしたね。
先だっての ルーシーの回顧展 と時を同じくして
コパーの、単独としては日本ではじめてという回顧展も巡回中。
6会場の最後、待ちに待った静岡展が始まりました。
いや、しかし美しい。
展示前半、1950年代のうつわは意外と質実な雰囲気で
ポットや花生の数々など
どんな花を入れようか夢想しながら拝見するのもまた愉しく
(いずれも、花を入れた姿がぱっと浮かぶのです)
それだけですでに、おなかいっぱいの気分だったのですけれど。
展示中盤〜、1960年代後半以降の作品群。
なんてシンプルなのだろう、と。
一見したところの形状の
新奇さや特異さが語られがちなコパー作品ですけれども
むしろ私は、純、ということばが浮かびました。
木や花や、そこここに存在している何ものかのように近しくも感じられ。
ルーシーに見出されたという轆轤(ろくろ)の巧みさはもとより
表面を引っかいたり磨いたりの、細かな作業の手あとすらも
仕上がったうつわからは感じず。
生掛けの、土と釉薬が一体化したかのような美感も手伝って
焼くという工程を経ながらも、土に還元されたかのような。
だから、どこか親しくはあるけれども俗ではない。
なまぐさい肉感が一切ただよわない、削ぎ落とされた造形に
うぶな念持仏か神像でも拝んでいるような心持ちになります。
案外、床の間が似合うのではないかな、という印象も。
拝見したのが週末で、そこそこ人出はあったのですが
皆、思い思いに、寡黙なうつわたちと向きあい対話している感じ。
不思議と静かで清々とした雰囲気が心地よくもありました。
そんな空気感自体も今展の醍醐味かもしれません。
また会期中に訪れたいと思っています。