トップページ > ブログ「お茶まわり」

 
CALENDAR
SMTWTFS
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< June 2011 >>
ARCHIVES
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -


お茶のことのは ● 茶時(ちゃどき)

  <1> 茶を摘む季節。茶摘み時。
  <2> 茶を飲んで一服する時刻。
             ― 大辞林 第二版(三省堂)より  ―
 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

<1> は、一番茶二番茶 などを摘みとる収穫期のことで
おもに一番茶のころに使われることばかと思います。
私どもは 「お茶時期」 と言ったりもします。

<2> のほうはまさに、英語でいうところの tea time 。
朝茶 に、仕事の休憩時間のお茶。
それから夕どき、帰宅前に立ち寄る喫茶店での一服なども …

三食と同じように、茶時を日々のひとコマとすることで
単に息抜きとなるばかりでなく
暮らしの呼吸がととのう、といいますか
自分の生活をよりいとおしく思えるような気がします。

そんなところが、茶カテキンの健康効果などにも増して
お茶を喫することのいちばんの効用なのかもしれません。
  • - | -


6月25日付の 朝日新聞 (外部サイト) 生活面の
「家のしごと相談所」 というコーナーがためになりました。

キッチンまわりの、汚れの種類によって
「アルカリ」 と 「酸」 どちらの性質の洗浄成分が効果的かが
さっぱりと明快に紹介されていて。 
公式サイトに記事が紹介されていないのが残念です。

“お茶まわり” でとくに気になる汚れが、うつわの茶渋。
洗剤に頼らず 「重曹」 を活用するかたも多いかと思います。

記事によれば、重曹は弱アルカリ性の、マイルドな洗浄成分。
「殺菌や漂白の力はありません」 とのことですが
「細かな粒子は研磨剤として働く」 ようですね。

つるんとした磁器の、マグカップなど単純な形状のものでしたら
スポンジなどで重曹をこすりつけるようにして洗うと
わりとすっきりと茶渋がとれます。
弊社では 「粗塩+みかんの皮」 もおすすめしています。
ただしいずれも、絵付のあるうつわには避けたほうが賢明でしょう。

この重曹、汚れ落ちを高めるには
水の温度を 「60度以上」 にするとよいそうです。

「60度以上の熱い湯に反応して
 炭酸ソーダというpHの高い別の物質ができると洗浄力は上がる。
 効き目の分、ゴム手袋で作業するなど注意が必要になります」

急須の注ぎ口など、せまい部分を洗う際にはとくに
重曹プラスお湯で試してみるといいかもしれませんね。

それでも、細かなキワの部分などがすっきりといかない場合には
酸素系漂白剤の主原料である 「過炭酸ナトリウム」 につけ置きし
分解して落とすのが確実のようです。

  • - | -


201106270832000.jpg
田子の月(静岡・富士)製 「子持ち鮎」

田子の月さんといえば、そのまま商品名にもなっている
餅入りの粒餡のもなかが静岡みやげの定番として有名ですが
普段のおやつにしたい気軽な和菓子がほかにもたくさん。

これもそのひとつ、「子持ち鮎」 。
鮎釣りがさかんな静岡の夏ならではの一品です。
長さは10センチ程度と短めで、子持ちらしくおなかがぷっくり。
丸っこいシルエットもかわいらしい見た目です。

いわゆる 「若鮎」 「焼き鮎」 といわれるたぐいのもので
全国的に、つくっている菓子舗も少なくないと思われます。
ただ、はさんであるものや、焼きごてでつけた表情などで
お店によって少しずつ個性が異なるのがこのお菓子の面白さですね。

田子の月さんのものは、生地部分はオーソドックスに
卵を使った小麦粉生地を焼いたものですが
口に入れるやいなや、生姜の風味が広がってさわやか。
なかには、さらりとした質感の粒餡を芯にして
板状の求肥(ぎゅうひ)がくるりと折られた状態ではさんであります。

煎茶玄米茶 にもよく合いますよ。

  • - | -


最近、地元や近隣市町のファーマーズマーケットなどで
静岡県産ニンニクをよく見るようになったな、と
なんとなくの印象をもって買い求めてはいたのです。

実際、静岡市の清水区では
これを新たな特産とする試みが始まっているとのこと。

→ 「いい出来だら 「清水ニンニク」 特産化へ手応えあり
   (外部サイト)
   (静岡新聞 2011/06/11)

→ 「【静岡】 ニンニク特産化に挑む」 (外部サイト)
   (朝日新聞 2011/06/24)

朝日新聞の記事によれば
近年のお茶の減収をおぎなう、いわゆる 「補完作物」 として
栽培に挑戦する茶農家さんが多いそうです。

「ニンニクは酸性を嫌い、強酸性の茶畑からの転地は難しい」
など、茶栽培とは土づくりからして随分と違うようですけれども
高品質な地場産の食材がまたひとつ増えるのはうれしいことで
弊社としても応援していきたいと思っております。

  • - | -


昨日は暑かったですね、静岡市内では35℃を超えたようです。
今日もまた快晴、気温がぐんぐん上がっています。

これから盛夏にかけ、気をつけていきたいのが
熱中症対策にくわえて、夏バテの予防や解消です。

こんな記事がありました。

→ 「健康食生活 【第7回】 焼き肉なら牛より豚!
    温かい飲みもので夏バテ解消」 (外部サイト)
   (ダイヤモンド・オンライン 2011/06/23)

文中には、夏バテの主な原因として

 ● 冷たいものや生ものの食べ過ぎ
 ● 汗を多量にかく
 ● 冷房による体の冷え
 ● 暑さによる睡眠不足

の4点が挙げられています。

“お茶まわり” でとくに留意したいのが 「冷たいものの食べ過ぎ」 。
暑いとつい、身体を冷やしたくて、また水分補給をたっぷりしたくなり
冷茶などがぶがぶ飲みたくなってしまうのですが

「冷たいものをとり過ぎると胃腸の毛細血管が収縮して
 栄養吸収や水分代謝の働きを弱め、体が重だるくなります。」

とのことで、過度ですと身体に負担をかけてしまうとのこと。

緑茶自体がまた、中医学によれば
身体を冷やす性質があるともいわれています。
コーヒーも同様に、冷やす性質があるといわれますね。
冷茶やアイスコーヒーはほどほどがいいかもしれません。

で、この記事ですすめているのが、ホットの ほうじ茶紅茶
さらに、生姜やシナモンをプラスするのもよいそうで
「ショウガほうじ茶」 のつくりかたも紹介されていますよ。

冷たいもののとりすぎで胃腸が疲れてしまっているときや
冷房のきいた室内で長時間過ごす際には
ぜひ、温かいほうじ茶や紅茶を試してみてくださいね。

  • - | -


若冲 ―
若冲 ― 広がり続ける宇宙
狩野 博幸
(角川文庫)

18世紀江戸の絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)の人生と
その画業、作品世界を紹介する本です。

手ごろな文庫でありながら
《動植綵絵(どうしょくさいえ)》 三十幅のうち十数幅や
近年発見の 《象と鯨図屏風》 など
多数収録されている図版は、すべてカラーというのもぜいたく。

と同時にこの本は
若冲が憧れ、また、生きかたそのものに感化されたという
高遊外(こうゆうがい)売茶翁(ばいさおう)との出会いにも
格好の一冊となっているように感じます。

黄檗(おうばく)僧でありながら、売茶翁、と人々によばれたとおり
齢50を過ぎてより寺を離れ、煎茶を売る暮らしに入った人物です。
四季折々、人の集まる景勝の地などに茶道具を担ぎ出向いては
簡略な店をかまえ、得たわずかばかりの銭で糊口をしのぎ。
今日、「煎茶の祖」 ともいわれています。

不思議なもので、声高に主義主張を訴えるわけではなく
「世の中の物語なんどのどやかに」 しながら
「ひたすら茶店で茶を淹れるだけ」 という、淡々と清貧なたたずまい。
しかしながら、ずいぶんと引力のある人物だったそうで
一種のサロンといいますか、精神的感化を受けた文化人は少なくなく
40あまりも歳のはなれた若冲もそのひとりだったというわけです。

若冲が売茶翁の肖像を多く描いていることは有名ですし
ちょっと変わった 「若冲」 (沖、ではなく)という画号の由来も
この本によれば売茶翁とのつながりがあるそうです。

もともと錦小路の青物問屋のせがれである若冲が
家督を次弟にゆずったのち
絵一枚につき米一斗分の料金をもらって隠居生活したのも
僧としての名声を捨てて 「一服一銭」 を実践した
売茶翁の生きた道を倣うようなところがあったのでしょうか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 「斗米庵(とべいあん)」 、
 またのちの 「米斗翁(べいとおう)」 の自称は
 売茶翁への追慕の証し以外の何物でもない。
 「絵を売って生活する」 という行動によって、
 若冲は売茶翁の生き方と主張をなぞっているのである。
 若冲は、いわば売茶翁を生きるのだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

若冲をとおして、売茶翁の魂にも触れてみてください。



<< 今日の記事のおもな関連記事 >>
 ◆ 2009/04/13 「日本発の喫茶店、煎茶に限ると」
 ◆ 2009/04/14 「緑の煎茶、妙なるかな」
 ◆ 2009/08/27 「江戸時代版喫茶店」
  • - | -


『線幸子展 − 綿による空間絵画 −』
於 ・ 池田20世紀美術館 (静岡・伊東)
2011年4月1日(金)〜6月28日(火)

201106111113001.jpg

この、ステンレススチール張りの壁面の感じが好きです。

静岡県には、私設美術館や個人美術館に
すてきなところが案外と少なくないように感じています。
そのひとつであり、日本の現代美術館のさきがけが
一碧湖のすぐそばに建つ、池田20世紀美術館。

201106111112000.jpg

先週末は曇天のため、写真が暗くなってしまいました…。

現在は、真綿を素材として作品制作されている
線(せん)幸子さんを紹介する展覧会が開かれています。

(館のサイトに 館内写真 (外部サイト) がPDFで紹介されていて
 展示の様子がすこし見られるようになっています)

展示前半は、やわらかな綿という素材の上に
着色したり、あるいは墨で描線したシリーズが並びます。

かきむしられるような、妬かれるような心地にさせられたのは
後半、《Layer - 波動》 と銘うたれた一連の新作。

展覧会のチラシなどにも書かれているように
『 「綿に描く」 から 「綿で描く」 』 、へと。
つまり、綿そのものを描くための素材とし
そこに着彩がまったくほどこされない白の世界が展開していました。

固まりになり、面になり、糸になり …
そんな、素材としての綿の可変性、面白みを感じるのはもとより。

日常的にはピュアで触りのよい印象の綿なのに
アルミ板や、塩ビのシートで無機質に囲われた額や箱のなかで
膨張し、溶解し、沈殿し、気化し、あるいは湧き、燃えさかるような。
綿という材質が有機である以上に有機で、なま、なのです。
対峙するほどに覚醒し、ときにぞくっとするような緊張も浴びながら
非常に心身のひらかれる時間となりました。

個人的には、独服の茶掛けにしたいと思いました。

  • - | -


数量限定の特選新茶 のうち
「特上新茶 玉響(たまゆら)」 、および
「上新茶 千歳(ちとせ)」 全タイプが完売となりました。
誠にありがとうございました。

なお、期間限定品の 「新茶 田舎仕立て」
6月末日までご注文を受け付けております。
掛川市産 一番茶 100%使用、荒茶 づくりの素朴なタイプです。
十分な数量をご用意いたしておりますが
旬の時期に1年分のお茶を買い置きされるお客さまは
どうぞお早めに。

  • - | -


唐人お吉物語
唐人お吉物語
竹岡 範男
(文芸社)

幕末期、通商条約締結のために来日した
アメリカ合衆国の初代駐日大使、タウンゼント・ハリス。

彼が伊豆の下田にて駐在していた一時期
侍妾(じしょう)として奉公にあがっていたのが
小説や演劇の題材としても有名な 「唐人お吉」 です。

随分と尾ひれがついた状態で流布してきた、彼女の生涯。
菩提寺である 宝福寺 (外部サイト) の元のご住職が
生前のお吉を知る古老たちから聞いた話などをもとに
昭和37年にまとめたのが、この一冊です。
表紙には、彼女のものともいわれる美しい娘の写真が。

一説にはいわゆる 「洗濯女」 といわれる、若きお吉が
伊佐新次郎という幕府の役人に説得されて
ハリスのもとに奉公にあがるようになったくだりは有名ですね。

「ハリスが病で看護師を求めたのを幕府が侍妾と勘違いした」 とか
あるいは、「幕府がハリスを篭絡(ろうらく)するため」 とか
「お吉にスパイとして働いてもらうため」 という説も有力のようですが
この本では、少し角度の異なる見方がされています。

ハリスの通訳でオランダ人の
「なかなかの好色家であったと町でも噂され」 たヒュースケンが
お吉の妹芸者であるお福と出会い
深い仲になってしまったのが、ことのはじまりというのです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 ヒュースケンは下田の七軒町にあった
 お福の家に入りびたるわけにもいかず、
 といって二人のために一戸を構える余裕もありません。
 そこで、ハリスにまずお吉を紹介し、
 お吉をハリスの、お福を自分のそばづめとすることを思い立ち、
 お福と相談の結果あらかじめ時間を決めて、
 公衆浴場から出てくるお吉に会わせました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

ハリスは生涯独身の清廉な人物だったともいわれますが
この本では、「お吉を見てすっかり気に入」 ったと書かれています。
真実はどうだったのでしょうね。

菩提寺のご住職ならではの、慈しみ深いまなざしと
町の古老たちの語りの朴訥さ、記憶の生々しさが交差する
実に味わい深い伝記となっています。
幕末の歴史ファンのかたにおすすめします。

ところで、お吉の説得役となったとされる、伊佐新次郎。

この本によりますと、晩年、自責の念でしょうか
お吉の末路が気にかかり、再会する話も出ていますけれども
「その後、伊佐新次郎はどうなったのか誰も知りません」 とあり
それ以上のことは意図的にかもしれませんが記されていません。

余談になりますが、実はこの人、晩年は静岡県中部におりました。

東照宮のある久能(くのう)で私塾を開いたり
また、旧幕臣らによる牧之原台地の開拓事業の中心となった
中条金之助景昭という人物のもとで後進の指導にもあたったようです。

すでに老齢だったため開墾作業にはたずさわっていないようですが
一大茶園を拓いた中心メンバーであったことは地元では知られており
牧之原には彼の書碑が建てられています。
下記のサイトに写真が載っていました。

→ 島田市観光協会 「牧之原ハイキングコース」 (外部サイト)

ちなみに牧之原には、坂本龍馬を斬った男(?)ともいわれる
今井信郎(のぶお)なども入植していて
そうした、旧幕臣たち一人ひとりのドラマに触れるごとに
朗らかでのびのびとした茶園風景がひと味違って見えてきます。



<< 今日の記事のおもな関連記事 >>
 ◆ 2008/02/04 「世界一の木造橋、蓬莱橋」
 ◆ 2008/05/26 「日本人は喫茶狂?」
 ◆ 2009/02/17 「開国の一舞台で」
 ◆ 2010/11/29 「坂本龍馬を斬った男?」
  • - | -


気になっていました、陸前高田の 「気仙茶(けせんちゃ)」
厳密には 「北限の茶」 ではないかもしれませんが
北東北における稀少な茶産地のひとつです。

津波をまぬがれた茶畑で、今日、茶摘みが行われたそうですよ。

→ 「東日本大震災 : 陸前高田で茶摘み」 (外部サイト)
   (毎日新聞 6月13日)

写真の、遠くにみえる津波の傷跡に胸が痛くなりますものの
今年の茶摘みには、高校生がボランティアで参加したとのことで
明るい和気あいあいな様子も伝わってきて、うれしくなりました。

しかし天候のせいなのでしょうか。
記事には、「今年は生育が悪い」 との記述が。
例年よりすこし遅めの 一番茶 摘みとなったようです。

ちなみに静岡県では、一番茶は4月下旬に始まる地域が多く
また、今日の時点で、とくに温暖な平野部などでは
すでに二番茶の製造販売に入っています。
岩手との気候の違いを、あらためて感じます。

さて、その二番茶ですが。

私どもが リーフ茶 で主にお取り扱いしております掛川のお茶は
明朝より、掛川茶市場にて二番茶取引が始まります。

弊社では念のため、仕入れ後の検査を一番茶同様徹底するとともに
「煎茶 息吹」 「玄米茶 乙御前」 「くき茶 沢筏」 など
二番茶使用の並級茶につきましては
当面は昨年産の原料にて製造いたしてまいります。

本年産二番茶への切り替え時期が決まりましたら
当ブログ上などで事前に告知させていただきます。

  • - | -

<<new | 1 / 2pages | old>>