トップページ > ブログ「お茶まわり」

 
CALENDAR
SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< October 2011 >>
ARCHIVES
PROFILE
MOBILE
qrcode
SEARCH
  • スポンサーサイト
  • 2016.03.31 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • - | -


お茶にもまつわる、興味深い展示が
文京区の 旧安田楠雄邸(外部サイト) で開催中です。

10月29日付の朝日新聞夕刊で、今回の展示について知り
朝日のサイトで検索をかけてみたところ
残念ながら、その記事は掲載されていないようです。
谷根千ねっと(外部サイト) に概要があったので
下記にリンクさせていただきました。

→ 「人形師三代永徳斎 米国さんと呼ばれた男」

三代永徳斎。

20年もの長きにわたってアメリカのフィラデルフィアに滞在し
60歳をこえて帰国してのち
兄をついで三代目となった名人形師です。
今日、襲名後の作品は多く残されているものの
アメリカで制作した等身大の人形はほぼ失われているとか。

さきの朝日新聞の記事によれば
今回里帰り展示されているのは、小型の

「茶摘み、蒸し、箱詰めと、
 日本茶の生産風景を表現した3点」

で、1910(明治43)年に制作されたものとのことです。

製茶機械が考案されたのは明治年間 のこと。
製茶が量産化していく前の姿をとどめているという点において
これらの人形は、茶業史にとっても貴重なものでしょう。

展示期間は今週末までと、長くないのが残念ですが
私も足を運んでぜひ拝見したいと思っています。

ちなみに。

この三代永徳斎について記しているサイトが
ほかにもありました。

→ 「 「永徳斎」 (山本保次郎) 〜謎に満ちた人形師〜」
フィラデルフィア日米協会 フィラデルフィア偉人伝 より)

彼が滞在していたフィラデルフィアの日米協会によるもので
文中、非常に興味深いことが記されているんですね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
 彼は1904年、セントルイス万国博覧会にて
 日本の茶業組合の展示コーナーの陳列装飾担当者として
 39歳にして渡米。
 間口二間、奥行二間の御殿風の部屋の中に、
 茶の湯の式に望む等身大の美人人形二体を配するという
 大掛かりなものであった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 

彼が長いアメリカ生活をスタートさせたのは1907年で
これ自体は、その3年前の出来事ではありますけれども
日本の茶業組合の展示にかかわっていたんですね。

セントルイス万博では、たしかに
農業館で茶にまつわる展示もされているようです。
ただ、手もとにある資料などではその詳細はわかりませんでした。
詳しいことを調べられましたら、追ってご紹介したいと思います。

  • - | -


寿司店で出される定番の飲みものといえば、お茶。

業界用語でいうところの “あがり” もそうですね。
当ブログでも 以前の記事
その語源など、少し触れてみたことがあります。

“あがり” によく緑茶が出されることの理由のひとつが
茶カテキンのもつ抗菌効果。
寿司店では生ものをたくさん食しますから
伝統的に、殺菌力を期待して用いられてきたとされます。

ただ、食後の “あがり” のみならず
食前、席に着いたらまず一杯のお茶を供してくれるお店も
少なくありません。

お茶を出す、という習慣にこめられた
寿司店がつちかってきた知恵や営業ノウハウについて
簡潔にわかりやすく紹介した記事がありました。

→ 「【京都】 元気が出る商売の話:
   「ビジネスサロン365」 から/463 すしとお茶」
   (毎日新聞 地方版 2011/10/18)

一部、引用させていただきますと。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
 まず、お客にお茶を出すのは、
 先に食べたすしネタと後から食べるネタの味が
 混ざり合わないための口直し。
 茶葉も上等な物は使わない。
 茶の香りが強く残っても困るからである。
 いい茶はいつまでも口に香りを残すのだ。
 熱々にするのは、先の味を消すと同時に、
 お客のがぶ飲みを避けるため。
 茶腹で満腹になられてはお店の一大事。
 お客の食欲が落ちたら、お店の致命傷。
 お茶はつぎ足さないで、熱々とすぐに取り替える。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

もちろんお店によって異なりますけれど
たしかに、並級の粉茶 などを熱いお湯で淹れて
かつ、冷めにくい形状である筒型の湯呑で供すところも多く。

「がぶ飲みを避ける」 とは、なるほど、合点がいきました。

「お茶はつぎ足さないで、熱々とすぐに取り替える」 のも
つぎ足しを好まないマナー的な配慮はもとより
茶腹 にさせないという、納得の理由があったわけですね。
  • - | -


ここ数日、朝晩は急に冷えこんできて
こちら藤枝でも、木々の色づきがだんだんと深まってきました。
秋の女神、龍田姫(たつたひめ)が舞い降りてきたかのよう。

弊社では、11月1日の 「玄米茶の日」 にちなみまして
本日10月26日より、11月1日までの1週間
オンラインショップ をご利用いただくすべてのお客さまに
「特上 かをり玄米茶 龍田姫」 100g袋をプレゼントいたします。

 ※ インターネット(ショッピングカート)からのご注文に限ります。
 ※ 10月26日〜11月1日受付分に限らせていただきます。
 ※ 期間内に同じお客さまから複数回ご注文をいただいた場合
   同封は1袋とさせていただきます。

この 「龍田姫」 は、静岡県掛川産の上級煎茶葉に
寸胴釜でやや深めに煎った玄米と、さらに隠し味として
自家挽きの玄米ミクロパウダーを独自配合してあります。

風味も香りも華やかな、おもてなしにもぴったりのひと品を
この機会に、どうぞお試しくださいませ。

  • - | -


平素は丸玉製茶をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございます。

さて、誠に勝手ながら、来る10月28日(金)
社内研修のため臨時休業とさせていただきます。 

休業日に頂戴したご注文、お問合せにつきましては
10月31日(月)以降にご対応させていただきます。

お客さまにはご迷惑をおかけいたしますが
何とぞご了承賜りますよう、お願いいたします。

  • - | -


お茶のことのは ● 茶を立てる

  <1> 飲む茶を作法どおりにつくる。
  <2> 仏事をおこなう。
            ― 広辞苑 第六版(岩波書店)より ― 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

よく知られた意味は <1> のほうですね。

立てる、の部分は 「点てる」 とも書きますが
おもに 抹茶 に湯を注ぎ、茶筅などで攪拌してつくることをいいます。

一方で、<2> に紹介されているように
仏事をおこなうこと自体も 「茶を立てる」 ということばで表現します。

以前、「お葬式とお茶」 の記事でもすこし触れましたように
お茶は弔いの場面でよく用いられてきました。
お茶という飲みものが日本に入ってきて普及していく過程に
寺院や禅僧と深い縁があったためでしょう。

今日でも、仏前あるいは霊前には
茶湯(ちゃとう)といって、湯茶をお供えしたりしますね。
そうしたところからうまれた表現かもしれません。

<1> と同じ 「茶を立てる」 でも
茶湯のほうは 煎茶 を用いることが一般的なようです。

  • - | -


らくだの涙
らくだの涙』 
監督: ビヤンバスレン・ダバー  ルイジ・ファロルニ
(2003 / ドイツ)

ドイツの大学で映像を学ぶ
モンゴル人とイタリア人、ふたりの監督(の卵)が
卒業制作としてモンゴルで撮影したというドキュメンタリーです。

ゴビ砂漠で多くの家畜と遊牧生活をする、とある四世代家族。

彼らがともに暮らすらくだのうちの一頭が
難産の末にようやく、かわいらしい白い子らくだを産むのですが
その後、母らくだは育児放棄といいますか
お乳を与えるのを嫌がり続けるんですね。

なぜでしょう、難産による苦痛の記憶が影響するのでしょうか?

母らくだの心をいやすべくおこなわれるのが
馬頭琴の演奏と歌声を聞かせる、モンゴルの伝統的な儀式。
歌詞もメロディも、非常にシンプルながら
これが風景と呼応するようで実に美しいのです。

母らくだは子らくだにお乳を与えられるようになるでしょうか …

さて、日本人同様、喫茶習慣のあるモンゴルの人々。

(モンゴルのお茶の特徴は
 『白い馬の季節』 という映画の記事 で簡単に触れましたので
 興味のあるかたはぜひそちらで …)

やはり、といいますか、この作品のなかでも
仕事が一段落しては飲み、遠出した家族の帰りを迎えては飲み
はたまた来客をもてなすのに飲み、と
一家でお茶をするシーンが折々に登場しました。

さらに、今回、喫茶の様子以上に興味深かったのが
おばあちゃんがゲル(移動式テント)のドアの外に出て
器のなかの白い飲みものを
(これはミルクティーか、あるいは単に家畜の乳かもしれません)
スプーンですくって地面に振りまくようなシーン。

ナレーション等で具体的な説明は付されないものの
大地にささげたものを、直会(なおらい)として
その後に自分たちもいただく、という類のものでしょう。
恵みに感謝する日々の儀式かと思われますが、印象的でした。
  • - | -


千利休
千利休
桑田 忠親 著  小和田 哲男 監修
(宮帯出版社)

昭和56年、中公新書刊の、すぐれた利休本の一冊
『千利休 ― その生涯と芸術的業績』 が
今夏 『千利休』 のシンプルなタイトルにて復刊されました。

「秀吉と利休 確執の真相は」
という、帯のダイナミックな文言が目を引きます。

 第一章  七十年の生涯
 第二章  利休処罰の原因と動機
 第三章  利休の芸術的業績
 第四章  利休の書と人物
 第五章  利休流茶道の系譜

という章立てとなっていまして
秀吉との確執と賜死の理由については
第二章を中心にページをそれなりにさいてはいるものの
しかしながら、そこにばかり終始した内容ではありません。

むしろ、全五章をとおして
利休という人物の全体像を捉えようとする試みの一冊です。

個人的に、この本の魅力を支えているのは
第三章の 「利休の芸術的業績」 ではないかと思っています。
茶の湯の世界における彼の特質、仕事の業績を
多くの古文献にあたりながら具体的に浮彫りにしています。

たとえば、利休は単に 「茶湯者」 「数寄者」 にとどまらず
茶の湯の 「名人」 であった、といわれますが。
この 「名人」 という、今日では漠然と用いられがちな呼称も
著者は 『山上宗二記』 の記述を引用するなどして
具体的な意味を読者と共有する丹念さに満ちています。

利休の茶を理解するためのキーワードが多く出てきたなかで
印象的だったのが 「手上手(てじょうず)」 ということ。
つまり、利休は、道具の目利きや作意に富んでいたのみならず
点前そのもの、また点て方にも長けていたということです。

著者によれば、この 「手上手」 ということは
利休以前の茶ではあまり重視されていなかったといいます。

「手上手」 な亭主と座を共有するときの、心地よい一体感や
なめらかな茶を服すさいの感覚的な喜びを思うほどに
利休という人物の茶が多くの人を惹きつけた理由が
より深く理解できるようにも感じられました。

また、第四章 「利休の書と人物」 に収録されている
「利休人物論」 も非常に面白いです。
利休が登場する近年の文学作品のキャラクター設定などに
桑田氏の人物論の影響は少なくないのではと思わされます。

この本、大きくは学術書の類に入るものでしょうが
もとが新書ということもあり、それほど難解ではありません。
茶の湯をはじめたばかりのかたや
戦国史の好きなかたにも心愉しい一冊ではないでしょうか。
  • - | -

  • お届け希望日、時間帯がご選択いただけるようになりました
  • 2011.10.18 Tuesday 11:57

毎度お引き立てをいただきましてありがとうございます。

さて、弊社ホームページ上でのお買い物のさいに
商品のお届け日、および
時間帯のご希望をご指定いただけるようになりました。
どうぞご利用くださいませ。

ショッピングカートに表示されます
お日にちと時間帯の選択肢のなかから
ご希望のものを、それぞれご選択ください。

ただし、お届けに日数を要する地域のお客さまで
万が一ご希望にそえない場合にはご連絡させていただきます。

また、お支払い方法で 「前払い」 をご選択の場合
ご入金状況等によりご希望にそえない場合がございますので
若干余裕のある日程設定をいただけますと幸いです。

なお、郡部・離島などの一部地域では
時間帯指定サービスをご利用いただけない場合がございます。
ご不便をおかけいたしますが、あらかじめご了承ください。

  • - | -


201110171239000.jpg
開運堂(長野・松本)製 「道祖神」

真味糖大島白鳥の湖 などの開運堂さんの
こちらも定番の一品です。

信州に多くみられる路傍の神さま、道祖神をかたどった
素朴な風趣のするお干菓子です。
縦3センチほどと小ぶりながら、浮彫り状の細やかな意匠。

和三盆糖が主体、かっちりとした質感ですが
粒子が細かいので口中でざらつく感じはありません。

すこし香ばしいような、独特な風味が広がるのは
小豆の焦粉を用いているからだそうです。
後味がいいのです、舌に旨みがふっくらと残る感じ。

そしてこれ、ひっくり返すと …

201110171239001.jpg

後ろ姿までしっかりと。

打ち菓子は背面が真っ平らなものが一般的で
このように両面デザインされているものはわりと珍しいのです。

お薄煎茶玄米茶 にもよく合いますよ。

  • - | -


日本経済新聞のサイト に、こんな記事がありました。

→ 「素人でもこんなにおいしく 煎茶の入れ方」
   (2011/10/08)

記者さんが実際に、「深蒸し煎茶」 について
茶葉の量や、お湯の温度、抽出する時間などをさまざま変えて
おいしく淹れられるのはどんな方法かを探った、という内容です。

お読みになる際に留意したほうがよいのが
これはあくまで、昔ながらの蒸し時間短めの茶葉ではなく
「深蒸し煎茶」 について試した一例ということ。

さらに、ひと口に 「深蒸し煎茶」 といっても
用いた茶葉の品種や品質や持ち味もさまざまですし
また、蒸しの度合い(=茶葉のほろほろ、粉々加減)もさまざま。

加えて、おいしいと感じる味のバランスも人それぞれです。

だから、記事で 「飲んだ印象」 欄に◎がついている方法と
まったく同じ条件で淹れてみても
お手持ちの茶葉が最上の味わいになるとも限らないんですね。

でも、だからこそ。
文中で記者さんがしているような試行錯誤もまた
日本茶とつき合う際の楽しみのひとつだと思うのです。

そんな、試行錯誤の方向、近道を教えてくれるという意味で
とても参考になる記事かと感じました。
お茶の味がばしっと決まらないのがお悩みのかたは
ぜひ読んでみてくださいね。

  • - | -

<<new | 1 / 2pages | old>>