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この2011年は、私ども製茶業者にとりましても
忘れられない一年となりましたが
たくさんのお客さまに弊社のお茶をご愛飲いただき
心より感謝申し上げます。
さて、明日12月29日(木)より、2012年1月5日(木)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。
休業期間中も、当 ホームページ やファックスにてのご注文
および お問い合わせフォーム からのご質問は受け付けておりますが
商品発送、ならびにご質問へのお返事は
1月6日(金)以降の順次対応とさせていただきます。
大変ご不便をおかけいたしますが
ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
寒気がつのってまいりました、お風邪など召されませぬよう
皆さまお元気でよき新年をお迎えになられますことを
心よりお祈り申し上げます。
鶴屋 鶴壽庵(京都)製 「鶏卵せんべい」
京都では珍しく、南蛮菓子の鶏卵素麺を製する鶴屋さん。
こちらの、同じく鶏卵を用いたせんべいも美味です。
直径は2寸ちょっと。
焼きしめが堅すぎず、細かな気泡の入りもバランスがよく
食すと、口中でのばらけかたが穏やかな印象。
まさに卵色、という断面もきれいです。
ひと筆書きの星の一辺がかけたような文様は …
右下の、終筆にあたる部分の細くなっている線上に
ほんの小さく、点がちょこんと打たれているのを目として
そこから先端にかけてをくちばしに見立てると
飛翔する鶴の姿がうかび上がってきます。
非常にシンプルな図柄の焼印ですが
これは何を表現したものかな? と考える時間の楽しさも
和菓子をいただくということの魅力のひとつかと感じます。
お薄 や 上級煎茶 とともに。
迎春菓としても重宝しそうです。
『高麗美術館コレクション名品展
朝鮮陶磁の美 ― 青磁・白磁・粉青沙器』
於 ・ 高麗美術館 (京都)
2011年11月12日(土)〜12月24日(土)
2012年1月7日(土)〜1月29日(日)
京都の高麗美術館にて、所蔵品のなかから
高麗青磁と李朝白磁、そして粉青沙器を中心とする
陶磁器の優品が一堂に拝見できる展覧会が開催中です。
たっぷりとおおらかな蓮の花が魅力的な
15世紀後半の 《粉青掻落蓮華文扁壺》 や
まさに高麗美術館コレクションを代表する
17世紀後半、透明感と端正さをたたえる 《白磁壺》 など …
1階の展示室に、空間が許すかぎりという感じで
陶磁器だけでも70点ほどが並んでいます。
木工家具や絵画もあわせると、約100点。
また、国内の美術館ではあまり拝見する機会の多くない
高麗時代以前のうつわも紹介されているのも
今展の見どころのひとつかと思います。
個人的には今回は、徳利や杯といった
酒器におもしろみを感じるものが多かったです。
なかでも、小品ですが
15世紀末の 《白磁耳杯》 には惹かれました。
薄づくりで、気品を感じる姿勢のよさがありながら
掌に包みたくなるような、絶妙の柔和な曲面を併せ持っていて。
実際に手にすることは叶わなくとも
今こうして様子を思い出すだけで、一献傾けることのできそうな。
そんな親しみと懐かしさををおぼえるのも
朝鮮半島のうつわの持ち味こそかもしれません。
ところで。
このプレゼント、うれしかったです。
今回の展覧会期中、2名以上の来館で
こちらの、1991年刊 『李朝染付』 図録がいただけるという企画。
朝鮮半島の青花白磁が32点、カラーで収録されていて
現在出品されているものもかなり含まれていますよ。
早いもので、今年も残すところ一週間ほどとなりました。
さて、12月29日(木)より、2012年1月5日(木)まで
弊社では、年末年始休業とさせていただきます。
オンラインショップの発送スケジュールは以下のとおりとなります。
<< 顆粒茶 >>
● 12月28日(水) 15時 までのご注文確定分
→ 原則、年内に出荷いたします
● 上記以降のご注文
→ 2012年1月6日(金)より順次出荷となります
<< リーフ、お詰合せ >>
● 12月27日(火) までのご注文確定分
→ 原則、年内に出荷いたします
● 上記以降のご注文
→ 2012年1月6日(金)より順次出荷となります
ただし、大量のご注文、特注品、品切れの場合など
休業期間明けの出荷とさせていただくことがございます。
あらかじめご了承ください。
また、お支払い方法に前払いをご指定のお客さまは
弊社でのご入金確認をもちましてご注文確定となります。
年の瀬のこの時季は、例年
贈答品配送の混雑や道路事情による配送遅延が懸念されます。
本年中に商品のお届けをご希望のお客さまには
期日に余裕をもってのご注文をお願い申し上げます。
以上、大変ご不便をおかけしますが
何とぞご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
朝日新聞 の生活面の
シニア世代向けコーナーと思われる 「55プラス」 という欄に
「お茶を楽しもう」 という全3回の小連載がありました。
インターネットで購読できるのは
残念ながら 朝日新聞デジタル(有料) のみのようですが
これからお茶に親しみたいな、というかたには格好の内容で。
抹茶(薄茶)をいただく際の作法についてや
自宅でおいしくお茶を点てるためのコツなどが
イラスト入りで平易に紹介されていました。
最終回の、お茶を点てるポイントについての記事で
技術的なものばかりでなく、その心持ちについて触れた箇所に
ちょっといいな、と思ったことばがありましたので
その部分だけ以下に引用させていただきます。
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まずは 「自分がおいしいと感じるお茶を知ることが大切です」 。
濃さや量、温度も好みや体調による。
そして、心をこめてたてる。
「大好きな人にぜひ飲んでほしい、と思うような
お茶をたてられるといいですね」 と先生。
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おいしいお茶になる基本、ごくあたり前のようでいて
なぜか忘れがちになってしまうのが、これなんです。
つまるところ、点てたお茶がいい感じになったかどうかは
自分の舌でたしかめるのが一番なんですけれど。
お稽古では一般的に、人が点てたお茶をいただくことは多くても
自分で点てたものを自服できる機会は少ないものです。
とくに初心者のうちは、緊張してしまったり
点前の手順で頭がいっぱいになったりで
お茶の味そのものがおろそかになってしまうことも。
お稽古を始めてから年月が浅くても
自宅でも日常的にお茶を点てて楽しむというかたのお茶は
不思議なもので、おいしいなと感じることが大半ですね。
これ、抹茶にかぎらず、煎茶などを淹れる場合も同じで。
よく、企業で淹れかた教室をさせていただくのですが
来客用に上級の煎茶や玉露を淹れて出す機会が多くても
そのお茶を自分では飲んでみたことがない、とか。
ここ何年も自宅では急須を使っていない、というかたもちらほら。
胸をはって、自分がおいしいと思えるものをお出しするのが
供応の根本でありたいと感じますし
そんな一杯にこめた気持ちは、うんちくの言葉を伴わずとも
きっと大切な相手に届くものと信じています。