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見出しの 「砂糖入り味噌汁」 やら 「きなこおにぎり」 やらに
ええっ、と気になって読んでみました。
→ 「働き女子のリアル朝ごはん、拝見!
― 砂糖入り味噌汁、モーニングうどん、きなこおにぎり …
ご当地朝ごはんも大公開!」
(日経ウーマンオンライン 2012/02/21)
それらご当地の変わりダネレシピも
紹介記事を読むと、なるほど意外やおいしそうで驚きますが。
“お茶まわり” のお茶漬けにも
さっそく試してみたい、ちょっとしたアイデアがありましたよ。
記事1ページ目にある 「ショウガ茶漬け」 。
市販のお茶漬けの素や、インスタントスープでつくったお茶漬けに
おろしショウガをトッピングするだけ、という手軽なものですが
試したことはないものの、相性のよさそうな組み合わせです。
「梅茶漬けに乗せることもあります」
なるほど、これもおいしそう。
緑茶ではなく、番茶や ほうじ茶 をかけて
梅醤番茶(うめしょうばんちゃ)風の味にするのもいいですね。
具は梅とショウガ、それから好みで醤油をちょっと。
朝から身体がぽかぽか温まりそうです。
今日はちょっとお茶から脱線した話題で恐縮ですが。
よく、県外から来静いただいた取引先のかたなどに
近在の立ち寄りスポットを尋ねられることがあります。
静岡の海を存分に臨みたいというかたや
建築がお好きなかたには
お時間に余裕があれば、こちらもおすすめしています。
御前崎市の、御前埼灯台です。
1874(明治7)年、英国人技師の指導のもと完成したという
白亜の洋式灯台。
この灯塔、こう見えて実は煉瓦造なのです。
白漆喰を、目地も埋める形で全体に塗りまわしているため
まるで磨いた石造のようななめらかな外形をしているのだとか。
しっとりとした質感の肌がきれいです。
灯塔の右横には、元の事務所でしょうか。
あるいは灯台守の官舎として用いられた建物でしょうか。
往年の日本映画ファンのかたには見覚えがあるかもしれません。
1957年の映画 『喜びも悲しみも幾歳月』 に
この白壁の建物は、灯台ともども登場します。
大戦中のシーンで屋根を大柄の迷彩風に塗られていたあの建物。
今でも手入れされ保存されているんですね。
四郎ときよ子がひょっこり出てきそうです。
さて、日中は塔の内部に入ることもできます。
(2012年2月現在 大人200円)
らせんの階段をあがって表に出てみると …
太平洋が一望できます。
丘の上の立地なので、海面とは怖いくらいの落差を感じます。
御前崎の岬は、ちょうど駿河湾と遠州灘をへだつ位置にあって
その突端の灯台から左右に広がるパノラマは迫力があります。
ちょうど潮の流れが集まる場所であり
また、遠浅な地形のうえに、岬の近くには暗礁も数あるため
古くから海難事故が多かったという、このあたりの海。
遠州灘に面したあたりは、風も強いのです。
潮が満ちていないときには
灯台の上からでも肉眼で、いくつもの岩礁が確認できるのですが
これが満潮時には海水に覆われてしまうとのことで
この灯台の果たした役割の大きさを思います。
そういった場所ですから、洋式灯台の建設以前から
それに相当する役割を果たすものがあったんですね。
灯台のすぐそばにあるこちらの小さな建物は
復元なのですが、江戸時代、寛永年間に設けられた燈明堂。
電気のない当時は、火元に灯油を用いていたため
地元の方々が交代で、寝ずの番で灯し続けたということで
その労苦がしのばれます。
実のところ、このお堂の存在は今まで知りませんで
昨日久しぶりに歩いたときに初めて気づいた次第です。
まさに灯台下暗し、といいますか。
弊社や茶園の近場で、このような印象的な場所に出会いましたら
またこちらで折々にご紹介してみたいと思います。
中性脂肪を減らすかも?! とのことで、にわかに脚光を浴び
ここ2、3日、店頭から姿を消しているところもあるトマト。
テレビというメディアのもつ影響力を、あらためて実感します。
近ごろ品薄状態が続いているもうひとつのものといえば
NK(ナチュラルキラー)細胞を活性増強化させるという
「R-1乳酸菌」 の入ったヨーグルト。
インフルエンザ予防に効果があったとの調査もあるといい
ここ数日、にわかに人気が高まっているわけですが。
短い記事ですが、こちらに注目してみました。
→ 「インフル予防でR-1ヨーグルト品切れ チーズ、バターに期待」
(NEWSポストセブン 2012/02/14)
記事中には、R-1乳酸菌のはたらきについての簡単な解説のほか
「ヨーグルト以外でもNK細胞を活性化させる可能性がある」
かもしれない食品への、気になる言及も。
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他にも乳酸菌を含むチーズやバターといった乳製品も
効き目があります。
乳製品以外にも、日本茶、納豆や
きのこ、特にしいたけにはもともと多糖体が含まれているので、
R-1乳酸菌ほどではありませんが、
インフル予防効果が期待できます
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日本茶の名前が出てきたのもうれしいですが
乳製品に納豆、きのこ、どれも身近で常食しやすい食材ですね。
R-1ヨーグルトを買えないでがっかりしているかたも
すでに毎日R-1ヨーグルトを食べているというかたも、くわえて
こうした食材をコツコツと食卓にあげてみてはいかがでしょうか。
もちろん、うがい、手洗いや のど粘膜の乾燥対策 もぬかりなく
間近の春本番を壮健でむかえたいものですね。
2月14日、バレンタインデーの今日はまた
岡倉天心の誕生日なのだそうですよ。
浅春というこの季節に、恋、天心、といえば
『茶の本』 のなかに、こんな印象的な一節があります。
第6章、「花」 の冒頭から一部抜粋です。
『茶の本 ― 英文収録』
岡倉 天心 桶谷 秀昭 訳
(講談社学術文庫)
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春の曙のふるえる薄明に、
鳥たちが樹の間を、不思議な抑揚でささやきかわしているとき、
彼らが仲間同士で花のことを語りあっているのだと
感じたことはないだろうか。
きっと人類は、花をめでるようになったのと時を同じくして、
愛の詩を歌うようになったに違いない。
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原始時代の男は恋人にはじめて花輪を捧げることによって、
獣性を脱した。
彼は、こうして、生まれながらの粗野な本能を超越して、
人間となった。
無用の微妙な用を認識したとき、芸術の領域に入った。
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そういえば海外では、バレンタインデーに
男性から女性に花を贈る習慣のある国も少なくないようで。
昨今は国内でも
“フラワーバレンタイン” の宣伝をよく見るようになりましたね。
実際に花を贈るかたも増えていることでしょう。
「無用の用」 とは、まったく実用性がないものにみえて
じつは大切な役割やはたらきをしている、という
古くは老荘思想にみえることば。
天心が 「無用の微妙な用」 とあらわした、「微妙な」 の部分が
恋心やら花やらの本質的なありようをあぶり出してもいるようで
また胸をつかれます。
( 「微妙な」 の部分、原文では 「subtle」 を用いています。
まだ確とはとらえがたい、ほんのりとした感じでしょうか。)
花と恋にまつわる、こんな一節に心ひかれたかたは
『茶の本』 、ためしに手にとってみてはいかがでしょうか。
この本には、茶の湯の古典との先入観が普及していて残念ですが
実際は、茶の世界の特質を軸とし、例にとりながら
日本古来の美意識について欧米で紹介した論文です。
茶の湯に特化した内容というわけではありませんので
ブロックせず、やわらかな感覚で読んでいただければと思います。
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◆ 2007/10/18 「101年前の名著 『茶の本』 」
◆ 2010/03/30 「オキーフと 『茶の本』 」