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  • 2016.03.31 Thursday

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辻留
茶の湯実践講座  辻留 茶懐石〈炉編〉
辻 義一
(淡交社)

淡交社の 「茶の湯実践講座」 シリーズに
茶懐石の老舗 辻留のご主人、辻義一氏による献立本が
〈炉〉 と 〈風炉(ふろ)〉 に分け2冊ラインナップされています。

もともと昭和62年と63年に出版され、版を重ねている本で
私も十数年前に買い求めて相当に年季が入ってきていますが
今でも折りにふれ見返し、勉強させていただく座右の書です。

開炉の季節を迎えようとしている今
久しぶりにまたページをひらいてみました。

〈炉編〉 は、11月ならば口切りの茶事
12月は師走の茶事、1月は初釜、というように
11月から4月までのそれぞれに茶事を想定し
その懐石の献立例が一式ずつ、作り方とともに紹介されます。

向付から汁、煮物、焼物などから香物にいたるまで
ひと通りの作り方(香物は切り方など)がていねいに紹介されるので
茶懐石にかぎらず、和食の調理本として見ても勉強になります。
うつわに盛られた料理写真がまた、瑞々しくて美しいのです。

うつわ自体も素晴らしく、垂涎のものが多く用いられています。
盛りつけの量や配置のバランス、また取り箸も湿してあるなど
写真から学びとれる実際的な心配りも多々あります。

また、この本で魅力的なのが
各月のはじめに見開きで入る 「食味歳時記」 という読みもの。
食材や料理の歳時記的な、エッセイ風の内容ですが
ふと身につまされる話題や、楽しい話題の宝庫なのです。

たとえば11月には
江戸時代の茶人、北村幽庵(ゆうあん)のことが。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 茶人北村幽庵は、毎朝お茶を召しあがるのに、
 そのとき使う水を琵琶湖のあるところに求められ、
 その水を下男がいつも朝まだ暗いうちに舟を出して、
 汲みに行っておりました。
 ある朝、下男が寝込んでしまい、いつもの場所まで行かずに、
 ちょっと舟を出しただけのところで水を汲みました。
 そして、その朝、幽庵がお茶を召しあがり、
 「今朝の水はちがうね」 とおっしゃったということです。
 味の上でも大変な通人であったようです。

 今、琵琶湖の水はよいとはいいがたいのですが、
 この話を琵琶湖でヨットを持っている友人に話したところ、
 彼は即座に 「その水は、あそこの水にちがいない」 といいました。
 琵琶湖に一箇所、下から湧き水のある場所があり、
 彼の説によると、比叡山からの水で、とってもよい水だそうです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

この北村幽庵は、美食家としても有名だったようです。
名前でぴんときたかたもいらっしゃるでしょう。
幽庵焼を創案したのはこの人といわれていますね。

よい料理にも、そして
茶事のメインであるお茶の美味さにも大きくかかわる、水の質。
ただ実際、水のよしあしを見分けるのはなかなか難しいですね。

ちなみに、飲みくらべてもわかりにくい場合には
「 「白湯」 にして味わってみられるとよいでしょう」 との記述も。
名水といわれる湧き水や、井戸水などを汲む機会があったら
持ち帰って試してみてはいかがでしょうか。
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『箱は語る ― 茶の湯情報学ことはじめ』
於 ・ サンリツ服部美術館 (長野県諏訪市)
2012年9月25日(火)〜12月9日(日)

201210201133000.jpg

工芸の優品を多く蔵することで知られる、諏訪湖畔のサンリツ服部美術館。
現在は茶道具の 「箱」 に注目した展覧会が開催されています。 

一見、素っ気ない木製の箱にみえて
そこ書きつけられた文字情報は、その道具が今日に至るまで
どんな旅路をたどってきたかがわかる履歴書のようなもの。

また、仕覆(しふく;茶入などを仕舞うための袋)や
挽家(ひきや;仕覆に入れた茶入をおさめるための木製の器)
あるいは所属の文書といった付属品の数々からは
それを手にした者たちの道具への愛情のみならず
嗜好性などもうかがい知ることができます。

ただ、茶事などでは、道具そのものを鑑賞はしても
箱まで目にすることはまれ。
茶道具の展覧会で、そうしたものを展示する例もありますが
それも、すべてではなく、見どころのある一部のものに限られてしまい
なかなか全貌を拝見できる機会はありません。

今展では、国宝の白楽茶碗 銘 不二山や
唐物茶入の名品、紹鷗茄子をはじめ
それらの箱と付属品までたっぷりと楽しめます。

不二山は、サンリツ服部美術館の所蔵品の白眉。
ほんとうに、またとない、えもいわれぬ清冽な趣の一碗で
常設展示ではないこともあり、今回久しぶりの拝見がかないました。
美術館の所蔵品紹介のページ に画像が掲載されています)

本阿弥光悦の手によるこの茶碗。
うつわの作り手自らが箱に書き付けをする 「共箱(ともばこ)」 では
日本工芸史上初のものといわれるとか。
箱蓋に 「不二山」 としたためた書もまた、颯爽と美しい。

また、このうつわは嫁ぐ娘に持たせたとの伝えがあり
娘の振袖から仕立て直したという包み裂(ぎれ)も観ることができました。

ところで、同じく茶碗で、箱の大きさという点で驚かされたのが
樂家初代 長次郎作の黒楽 銘 雁取(がんどり)。

諸家に渡り、数寄者として有名な井上馨も手にしたという来歴の持ち主は
なんと七重の箱におさめられていました。

所有者が変わると、さらにひと回り大きな箱を仕立てて
箱ごと入れ子の状態にして所有されることも多いため
小さなお道具が、驚くべきサイズの外箱に入っている場合もあるんですね。

七つ目の箱はかなり大ぶりで、抱え持つほどの大きさ。
製茶関係のかたには、乾燥茶葉で20kg、いや30kgは入るサイズというと
その大きさがイメージできるでしょうか。

道具の見事さのみならず、それを大切に所有してきた多くの人々の
熱い想いをも伝わってくる、稀有な機会。
道具だけの展示ではみえないものを、たくさん感じてみてください。
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日中の陽射しはまだまだ強くても
朝晩はだいぶ涼しさが感じられるようになりました。
あたたかなお茶が恋しくなってくる季節でもあります。

こんな記事がありました。
ソースは 『人民日報』 日本語版のようです。

→ 「【人民日報】 中国人に学ぶ 健康に良いお茶の飲み方」
  (朝日新聞デジタル 2012/10/15)

「人の体は気候の影響を受けるもので、
お茶も季節によって変えるのが良い」 ということで
健康という点に着目し、季節ごとにおすすめの茶種を紹介する
面白い切り口となっています。

中国でも日本でも生産量の多い 「緑茶」 については
「厳しい暑さが続く夏に飲むといい」 とあります。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げている
 不発酵茶に属す緑茶は
 身体を冷やす性質 「寒性」 を持ち、
 体の中から熱を取り去ってくれる。
 さらに緑茶に含まれるカテキンには、
 血中コレステロールを下げる作用もあり、
 血管硬化予防にも効果を発揮する。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

緑茶の代表的なものとしては
日本茶では煎茶や玉露、抹茶があげられますでしょうか。
中国緑茶では、西湖龍井茶などが有名ですね。

緑茶は利尿作用のあるカフェインもふくみますから
汗をたっぷりかいたあとの水分補給にはおすすめしかねますけれど
発酵系のお茶にはない、茶葉のもつ独特の清涼味は
夏の昼下がりなど、たしかにいいものだなあ、と感じます。
あたたかなお茶でも、水出しにしてもよく合いますしね。

さて、そして今の季節はというと。
「風邪をひきやすい秋に飲むといいのは鳥龍茶(青茶)」 だとか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 茶葉を発酵途中で加熱して発酵を止め、
 半発酵させた鳥龍茶は、緑茶と紅茶の中間に位置する。
 鳥龍茶には、夏の間に体に蓄積した熱を取り除いたり、
 体液の分泌を促進したりする作用がある。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

「青茶」 ということばが出てきましたが
これは上の文にもありますように、生葉を加工する段階で
ある程度(途中)まで酸化発酵させたタイプのお茶の総称です。
日本で飛びぬけて有名な烏龍茶のほかにも
中国茶専門店にはさまざまな種類や産地の青茶が並んでいて
飲みくらべもまた楽しいですね。

一日の寒暖差が大きく、体調をくずしやすくもあるこの季節。
隣国の知恵にならって
青茶系をお茶時間にとり入れてみてもいいかもしれません。

ちなみに、発酵しきったものは、おなじみの 「紅茶」 。
昨今、日本にも発酵茶づくりに挑戦する生産者が増えてきました。
紅茶には身体をあたためる効果があるということで
冬のおすすめにあげられています。

また、春には香りのよい 「ジャスミンティー」 が。
淹れかたのコツにまで言及されており、実用的な記事と思います。
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平素は丸玉製茶をご愛顧いただきまして
誠にありがとうございます。

さて、誠に勝手ながら、来る10月19日(金)
臨時休業とさせていただきます。

休業日に頂戴したご注文、お問合せにつきましては
10月22日(月)以降にご対応させていただきます。

お客さまにはご迷惑をおかけいたしますが
何とぞご了承賜りますよう、お願いいたします。

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秋花粉に悩まされる季節となりましたが
日本気象協会からは先日、来春の花粉飛散予測が発表されました。

→ 「2013年春の花粉飛散予測(第1報)
   〜夏の猛暑が影響 関東・東北地方の飛散数は例年の1.5倍に〜」
   (日本気象協会 2012/10/03)

少なめだった今年とくらべ、東日本ではだいぶ増える見込み、との報。

春の花粉の飛散量は、前年の夏の気候に左右されるといいます。
今年のように、夏に晴れて気温が高い日の多かった場合
来る春の飛散量は増す傾向があるとか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  
 2013年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)の飛散数は、
 九州・四国地方は例年よりやや少ないですが、
 中国地方から北海道にかけては例年並みか例年より多く、
 関東・東北地方は例年のおよそ1.5倍になるでしょう。
 前年(2012年)にくらべると、
 関東・東北地方と北海道は2〜5倍になる見込みです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

記事では 「西少東多」 ということばであらわされていますが
予測値は地域ごとにかなりの差がありますので
お住まいの地域の詳細は、上記リンクから確認してみてくださいね。

ちなみに、こちら東海地方は
「総飛散数は概ね例年並みでしょう。
2012年と比べると愛知県と静岡県は多く、
岐阜県と三重県は同じかやや少ないでしょう」 とのこと。

少なかった今年はさいわい 紅ふうきパウダー でしのげたのですが
来年はどうなることでしょう … 。
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「お・さ・か・な・す・き・や・ね」 。

いわゆる “血液ドロドロ” 予防の食事には
これらが頭文字についた8品目を習慣的にとるとよいのだとか。

→ 「心疾患予防に 「おさかなすきやね」 つま先立ちとサプリも有効」
   (NEWS ポストセブン 2012/09/28)

記事によりますと …

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 代表的なのが緑茶のカテキン、青魚のDHAやEPA、
 海藻のアルギン酸、納豆のナットウキナーゼ、
 酢の酢酸やクエン酸、きのこのβグルカン、
 野菜の食物繊維やビタミン、ねぎのアリシン。
 これらの食材を覚えやすく、
 お(お茶)・さ(魚)・か(海藻)・な(納豆)・
 す(酢)・き(きのこ)・や(野菜)・ね(ねぎ)と呼んでいます
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−  

お茶が 「お」 なんですね (笑
いずれもごく身近かつ伝統的な和食の素材。 

緑茶のカテキンは、太陽をたっぷりと浴びて育った茶葉に豊富で
一般的には、柔和で若いうちに摘んだ、上級の茶葉にくらべると
並級の、お値段的にも求めやすい商品に多く含まれる傾向があります。
茶葉選びのさいには、ひとつの目安として参考にしてみてください。

その点でいいますと、弊社の定番商品のなかでは
 二番茶 使用の 「煎茶 息吹」 「玄米茶 乙御前」 等がおすすめです。

この 「おさかなすきやね」 、私は今まで知らなかったのですが
検索してみましたら、たくさんヒットしてびっくりしました。
医薬品メーカーのサイトなどでも紹介されているのですね。

いきなりすべてを食事に満遍なくとり入れるのが難しいかたも
徐々にでも、こうした食材の出番を増やしていってはいかがでしょうか。
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